3.4. インストール後の設定
3.4.1. (A)SCS
プロファイルの変更
インスタンスはクラスターによって管理されるため、(A)SCS
インスタンスプロファイルを変更して、インスタンスの sapstartsrv
プロセスによるエンキューサーバープロセスの自動再起動を防ぐ必要があります。
(A)SCS
インスタンスプロファイルを変更するには、次のコマンドを実行します。
[root@node1]# sed -i -e 's/Restart_Program_01/Start_Program_01/' /sapmnt/S4H/profile/S4H_ASCS20_s4ascs
3.4.2. ERS
プロファイルの変更
ERS
インスタンスはクラスターによって管理されるため、ERS
インスタンスプロファイルを変更して、インスタンスの sapstartsrv
によるエンキューレプリケーションサーバープロセスの自動再起動を防ぐ必要があります。
ERS
インスタンスプロファイルを変更するには、次のコマンドを実行します。
[root@node2]# sed -i -e 's/Restart_Program_00/Start_Program_00/' /sapmnt/S4H/profile/S4H_ERS29_s4ers
3.4.3. /usr/sap/sapservices
ファイルの更新
HA クラスターが管理する SAP インスタンスが HA クラスターの制御外で起動しないようにするには、すべてのクラスターノードの /usr/sap/sapservices
ファイルで次の行がコメントアウトされていることを確認してください。
#LD_LIBRARY_PATH=/usr/sap/S4H/ERS29/exe:$LD_LIBRARY_PATH; export LD_LIBRARY_PATH; /usr/sap/S4H/ERS29/exe/sapstartsrv pf=/usr/sap/S4H/SYS/profile/S4H_ERS29_s4ers -D -u s4hadm #LD_LIBRARY_PATH=/usr/sap/S4H/ASCS20/exe:$LD_LIBRARY_PATH; export LD_LIBRARY_PATH; /usr/sap/S4H/ASCS20/exe/sapstartsrv pf=/usr/sap/S4H/SYS/profile/S4H_ASCS20_s4ascs -D -u s4hadm #LD_LIBRARY_PATH=/usr/sap/S4H/D21/exe:$LD_LIBRARY_PATH; export LD_LIBRARY_PATH; /usr/sap/S4H/D21/exe/sapstartsrv pf=/usr/sap/S4H/SYS/profile/S4H_D21_s4hpas -D -u s4hadm #LD_LIBRARY_PATH=/usr/sap/S4H/D22/exe:$LD_LIBRARY_PATH; export LD_LIBRARY_PATH; /usr/sap/S4H/D22/exe/sapstartsrv pf=/usr/sap/S4H/SYS/profile/S4H_D22_s4haas -D -u s4hadm
3.4.4. フェイルオーバーノードでのインスタンス固有ディレクトリーのマウントポイントの作成
インスタンス固有のディレクトリーがマウントされるマウントポイントを作成し、ユーザーおよびグループの所有権をすべての HA クラスターノードの root:root
に設定する必要があります。
[root@node1]# mkdir /usr/sap/S4H/ERS29/ [root@node1]# chown root:root /usr/sap/S4H/ERS29/ [root@node2]# mkdir /usr/sap/S4H/ASCS20 [root@node2]# chown root:root /usr/sap/S4H/ASCS20 [root@node<x>]# mkdir /usr/sap/S4H/D<Ins#> [root@node<x>]# chown root:root /usr/sap/S4H/D<Ins#>
3.4.5. すべてのクラスターノードで SAP インスタンスを起動および停止できることの確認
sapcontrol`
を使用して (A)SCS
インスタンスと ERS
インスタンスを停止し、インスタンス固有のディレクトリーをアンマウントして、他のノードにマウントします。
/usr/sap/S4H/ASCS20/ /usr/sap/S4H/ERS29/ /usr/sap/S4H/D<Ins#>/
sapcontrol
を使用したすべての SAP インスタンスの手動での起動および停止が、すべての HA クラスターノードで機能すること、および SAP が提供するツールを使用して SAP インスタンスが正しく実行されていることを確認します。
3.4.6. 正しいバージョンの SAP Host Agent がすべての HA クラスターノードにインストールされていることの確認
各クラスターノードで次のコマンドを実行して、SAP Host Agent のバージョンが同じであり、最小バージョン要件を満たしていることを確認します。
[root@node<x>]# /usr/sap/hostctrl/exe/saphostexec -version
SAP Host Agent を更新する必要がある場合は、SAP Note 1031096-Installing Package SAPHOSTAGENT を確認してください。
3.4.7. 恒久的な SAP ライセンスキーのインストール
フェイルオーバー後も SAP インスタンスが確実に実行し続けるようにするには、各クラスターノードのハードウェアキーに基づいて複数の SAP ライセンスキーをインストールすることが必要な場合があります。詳細は、SAP Note 1178686 - Linux: Alternative method to generate a SAP hardware key を参照してください。
3.4.8. systemd
対応の SAP インスタンスを使用する場合に必要な追加の変更
クラスターが管理する SAP インスタンスが systemd 対応 の場合、systemd
が HA クラスターによる SAP インスタンスの管理を妨げないように、追加の設定変更が必要です。詳細は、2.Red Hat HA Solutions for SAP (The Systemd-Based SAP Startup Framework) を参照してください。