3.7. ファイルシステムパス
JBoss EAP はファイルシステムパスに論理名を使用します。他の設定は論理名を使用してパスを参照できます。そのため、各インスタンスに完全パスを使用する必要がなく、特定のホスト設定が汎用論理名に解決することができます。
たとえば、デフォルトの logging
サブシステム設定は jboss.server.log.dir
をサーバーログディレクトリーの論理名として宣言します。
例: サーバーログディレクトリーの相対パスの例
<file relative-to="jboss.server.log.dir" path="server.log"/>
JBoss EAP では、複数の標準的なパスが自動的に提供されるため、ユーザーが設定ファイルでこれらのパスを設定する必要はありません。
プロパティー | 説明 |
---|---|
java.home | Java インストールディレクトリー。 |
jboss.controller.temp.dir |
スタンドアロンサーバーおよび管理対象ドメインの共通のエイリアス。ディレクトリーは一時ファイルのストレージとして使用されます。管理対象ドメインの |
jboss.domain.base.dir | ドメインコンテンツのベースディレクトリー。 |
jboss.domain.config.dir | ドメイン設定が含まれるディレクトリー。 |
jboss.domain.data.dir | ドメインが永続データファイルの格納に使用するディレクトリー。 |
jboss.domain.log.dir | ドメインが永続ログファイルの格納に使用するディレクトリー。 |
jboss.domain.temp.dir | ドメインが一時ファイルの格納に使用するディレクトリー。 |
jboss.domain.deployment.dir | ドメインがデプロイ済みコンテンツの格納に使用するディレクトリー。 |
jboss.domain.servers.dir | ドメインが管理対象ドメインインスタンスの出力を格納するために使用するディレクトリー。 |
jboss.home.dir | JBoss EAP ディストリビューションのルートディレクトリー。 |
jboss.server.base.dir | スタンドアロンサーバーコンテンツのベースディレクトリー。 |
jboss.server.config.dir | スタンドアロンサーバー設定が含まれるディレクトリー。 |
jboss.server.data.dir | スタンドアロンサーバーが永続データファイルの格納に使用するディレクトリー。 |
jboss.server.log.dir | スタンドアロンサーバーがログファイルの格納に使用するディレクトリー。 |
jboss.server.temp.dir | スタンドアロンサーバーが一時ファイルの格納に使用するディレクトリー。 |
jboss.server.deploy.dir | スタンドアロンサーバーがデプロイ済みコンテンツを格納するために使用するディレクトリー。 |
user.dir | ユーザーのカレントワーキングディレクトリー。 |
user.home | ユーザーのホームディレクトリー。 |
標準パスの上書き または カスタムパスの追加 を行うことができます。
3.7.1. ファイルシステムパスの表示
以下の管理 CLI コマンドを使用して、ファイルシステムパスの一覧を表示します。
ls /path
管理対象ドメインでは、以下の管理 CLI コマンドを使用して、特定のサーバーのファイルシステムパスをリストできます。
ls /host=HOST_NAME/server=SERVER_NAME/path
以下の管理 CLI コマンドを使用して、ファイルシステムパスの値を読み取ります。
/path=PATH_NAME:read-resource
管理対象ドメインでは、以下の管理 CLI コマンドを使用して、特定サーバーのファイルシステムパスの値を読み取りできます。
/host=HOST_NAME/server=SERVER_NAME/path=PATH_NAME:read-resource
3.7.2. 標準パスの上書き
jboss.server.*
または jboss.domain.*
で始まる標準パスのデフォルトの場所を上書きできます。これには 2 つの方法があります。
サーバーの起動時にコマンドライン引数を渡します。以下に例を示します。
$ EAP_HOME/bin/standalone.sh -Djboss.server.log.dir=/var/log
standalone.conf
またはdomain.conf
のいずれかのサーバー設定ファイルでJAVA_OPTS
変数を変更し、新しい場所が含まれるようにします。以下に例を示します。JAVA_OPTS="$JAVA_OPTS -Djboss.server.log.dir=/var/log"
管理対象ドメインの標準パスの上書き
この例の目的は、/opt/jboss_eap/domain_data
ディレクトリーにドメインファイルを格納し、各トップレベルディレクトリーにカスタム名を付けることです。デフォルトのディレクトリーグルーピングである by-server
が使用されます。
-
ログファイルは
all_logs
サブディレクトリーに格納します。 -
データファイルは
all_data
サブディレクトリーに格納します。 -
一時ファイルは
all_temp
サブディレクトリーに格納します。 -
サーバーのファイルは
all_servers
サブディレクトリーに格納します。
この設定を行うには、JBoss EAP の起動時に複数のシステムプロパティーを上書きします。
$ EAP_HOME/bin/domain.sh -Djboss.domain.temp.dir=/opt/jboss_eap/domain_data/all_temp -Djboss.domain.log.dir=/opt/jboss_eap/domain_data/all_logs -Djboss.domain.data.dir=/opt/jboss_eap/domain_data/all_data -Djboss.domain.servers.dir=/opt/jboss_eap/domain_data/all_servers
この結果、パス構造は次のようになります。
/opt/jboss_eap/domain_data/ ├── all_data ├── all_logs ├── all_servers │ ├── server-one │ │ ├── data │ │ ├── log │ │ └── tmp │ └── server-two │ ├── data │ ├── log │ └── tmp └── all_temp
3.7.3. カスタムパスの追加
管理 CLI または管理コンソールを使用してカスタムのファイルシステムパスを追加できます。
管理 CLI の場合、以下の管理 CLI コマンドを使用して新しいパスを追加できます。
/path=my.custom.path:add(path=/my/custom/path)
- 管理コンソールからファイルシステムパスを設定するには、設定タブに移動し、パスを選択して表示をクリックします。ここからは、パスを追加、変更、および削除できます。
このカスタムパスを設定で使用できます。たとえば、以下のログハンドラーは相対パスにカスタムパスを使用します。
<subsystem xmlns="urn:jboss:domain:logging:6.0"> ... <periodic-rotating-file-handler name="FILE" autoflush="true"> <formatter> <named-formatter name="PATTERN"/> </formatter> <file relative-to="my.custom.path" path="server.log"/> <suffix value=".yyyy-MM-dd"/> <append value="true"/> </periodic-rotating-file-handler> ... </subsystem>