5.10. 移行
Red Hat Virtualization Manager は移行を使用してクラスターの負荷分散ポリシーを有効にします。仮想マシンの移行は、クラスターの負荷分散ポリシーとクラスター内のホストに対する現在の需要に応じて実行されます。移行は、ホストがフェンシングされたり、メンテナンスモードに切り替えられたりした時に自動的に実行されるように設定することができます。Red Hat Virtualization Manager は最初に、CPU 使用率が最も低い仮想マシンを移行します。これはパーセンテージで算出され、RAM の使用状況や I/O 操作については考慮されません。ただし、CPU 使用率に影響を及ぼす I/O 操作は例外となります。CPU 使用率の同じ仮想マシンが複数ある場合には、Red Hat Virtualization Manager が仮想マシンの CPU 使用率を確認するために実行するデータベースクエリーで最初に返された仮想マシンが 1 番目に移行されます。
デフォルトで、仮想マシンの移行には以下の制限があります。
- 52 MiBps の帯域幅制限が各仮想マシンの移行に課せられます。
- 移行は、仮想マシンメモリー 1 GB につき 64 秒後にタイムアウトされます。
- 240 秒間進捗がない場合には、移行は中断されます。
- 同時移行を行う場合の移行元のホスト数は、各ホストの CPU コア 1 つにつき 1 台、もしくは 2 台のいずれか小さい値の台数に制限されます。
移行設定の調整に関する詳しい情報は、「Understanding live migration "migration_max_bandwidth" and "max_outgoing_migrations" parameters in vdsm.conf」を参照してください。