5.6. ファイルシステムおよびストレージ
ontap prioritizer で発生したエラーを起因とする multipathd
のクラッシュがなくなる
この更新前は、ontap prioritizer は NetApp ストレージ配列でのみ機能するため、サポートされていないパスで prioritizer を使用するように設定されていると、multipathd
がクラッシュしていました。この障害は、prioritizer のエラーロギングコードのバグが原因で発生し、エラーメッセージバッファーがオーバーフローしました。この更新により、エラーロギングコードが修正され、ontap prioritizer で発生したエラーが原因で multipathd
がクラッシュしなくなりました。
Jira:RHEL-58920[1]
enable_foreign
がネイティブマルチパス NVMe デバイスを監視するように設定されている場合、ネイティブ NVMe マルチパスによってメモリーリークが発生しなくなる
この更新前は、enable_foreign
設定パラメーターがネイティブにマルチパス化された NVMe デバイスを監視するように設定されていた場合、ネイティブ NVMe マルチパスを有効にするとメモリーリークが発生していました。この更新により、multipathd
モニタリングコードのメモリーリークが修正されました。その結果、multipathd
はメモリー使用量を増やすことなく、ネイティブにマルチパス化された NVMe デバイスを監視できるようになりました。
Jira:RHEL-73413[1]
RHEL インストールプログラムが、aarch64
上で iSCSI デバイスをブートデバイスとして検出および使用するようになる
以前は、aarch64
上で実行される RHEL インストールプログラムに iscsi_ibft
カーネルモジュールが存在しなかったため、ファームウェアで定義されている iSCSI デバイスを自動検出できませんでした。その結果、これらのデバイスは手動追加の GUI において、自動的に表示も選択もされませんでした。
この問題は、RHEL の新しい aarch64
ビルドに iscsi_ibft
カーネルモジュールを含めることで解決されました。その結果、iSCSI デバイスは自動的に検出され、インストール中にブートオプションとして利用できるようになりました。
Jira:RHEL-56135[1]
Anaconda による ostree ベースの新規インストールでは、LUKS2 ルートで fstrim
がデフォルトで有効化される
以前は、/
(ルート) マウントポイントで LUKS2 暗号化を有効にした状態で ostreesetup
または ostreecontainer
キックスタートコマンドを使用して、Image Mode などの ostree ベースのシステムをインストールすると、fstrim
が有効化されていないシステムが作成されていました。これにより、システムが応答しなくなったり、ファイル選択ダイアログが壊れたりといった問題が発生する可能性があります。この修正により、新しくインストールされたシステムの LUKS2 メタデータで fstrim
(discards) がデフォルトで有効になりました。
既存のインストールでこの問題を修正するには、次のコマンドを実行します: ….cryptsetup --allow-discards --persistent refresh <luks device>
….<luks device>
は、ルート LUKS2 デバイスへのパスです。
データ転送の失敗により、NVMe over TCP コントローラーを備えたシステムがクラッシュしなくなる
この更新以前は、最適な I/O サイズが PAGE_SIZE を超える NVMe over TCP ストレージコントローラーを備えた 64 ビット ARM アーキテクチャーのシステムで、MD デバイスがビットマップを使用している場合、次のようなエラーメッセージとともにシステムがクラッシュする可能性がありました。
usercopy: Kernel memory exposure attempt detected from SLUB object 'kmalloc-512' (offset 440, size 24576)!
usercopy: Kernel memory exposure attempt detected from SLUB object 'kmalloc-512' (offset 440, size 24576)!
この更新により、カーネルは、最終的な IO サイズがビットマップの長さを超えないことをチェックします。その結果、システムがクラッシュしなくなりました。
Jira:RHEL-46615[1]
/etc/fstab
にマウントポイントとして NVMe-FC デバイスを追加すると、システムが正常に起動する
以前は、nvme-cli nvmf-autoconnect systemd
サービスの既知の問題により、Non-volatile Memory Express over Fibre Channel (NVMe-FC) デバイスを /etc/fstab
ファイルのマウントポイントとして追加すると、システムが起動できませんでした。その結果、システムは緊急モードに入っていました。この更新により、NVMe-FC デバイスをマウントした際に、システムが問題なく起動するようになりました。
Jira:RHEL-8171[1]