4.23. SCSI 永続予約
SCSI 永続予約のフェンスエージェント
fence_scsi
で使用するフェンスデバイスのパラメータを 表4.24「SCSI 予約フェンシング」 に示します。
注記
フェンスメソッドとしての SCSI 永続予約を使用する場合、以下のような制限があります。
- SCSI フェンシングを使用する場合は、クラスター内の全ノードを同じデバイスで登録するようにしてください。これにより、各ノードが互いに別のノードの登録キーを登録している全デバイスから削除することができるようになります。
- クラスターボリュームに使用するデバイスは、パーティションではなく 1 つの LUN になるはずです。 SCSI 永続予約は 1 つの LUN 全体で機能します。 つまり、 アクセスは個別のパーティションではなく LUN 単位で制御されることになります。
クラスターのボリュームに使用するデバイスはできる限り
/dev/disk/by-id/
xxx の形式で指定することを推奨しています。この形式で指定したデバイスは全ノードで整合性を維持するため同じディスクをポイントすることになります。/dev/sda
などの形式を使用すると、マシンによって異なるディスクを指したり、再起動によって別のディスクをポイントすることになってしまう可能性があります。
luci フィールド | cluster.conf 属性 | 詳細 |
---|---|---|
Name | name | SCSI フェンスデバイス名 |
Unfencing | unfence section of the cluster configuration file | 有効にすると、フェンス済みのノードは再起動が完了するまで再度有効にならないようにします。電源フェンス以外の方法を使用する場合 (SAN/ストレージフェンシング) に必要なパラメータです。アンフェンシングを必要とするデバイスを設定する際には、最初にクラスターを停止し、デバイスおよびアンフェンシングを含むすべての設定を追加してから、その後クラスターを開始しなければなりません。ノードにアンフェンシングを設定する方法については fence_node (8) の man ページを参照してください。 |
Node name | nodename | このノード名を使って現在の動作に使用するキー値を生成します |
Key for current action | key | (ノード名に優先) 現在の動作に使用するキー、ノードに対して固有でなければなりません。"on" 動作の場合はローカルノードの登録に使用するキーを指定し、"off" 動作の場合はデバイスから削除するキーを指定します |
Delay (optional) | delay | フェンシング開始までに待機させる秒数、デフォルト値は 0 です |
SCSI のフェンスデバイスを追加する際に使用する設定画面を 図4.22「SCSI フェンシング」 に示します。
図4.22 SCSI フェンシング
SCSI フェンスデバイス用のフェンスデバイスインスタンスを作成するコマンドです。
ccs -f cluster.conf --addfencedev scsifencetest1 agent=fence_scsi
cluster.conf
ファイル内の fence_scsi
デバイス用のエントリーを以下に示します。
<fencedevices> <<fencedevice agent="fence_scsi" name="scsifencetest1"/> </fencedevices>