第4章 フェンスデバイス
本章では、 Red Hat Enterprise Linux High-Availability Add-On で現在対応しているフェンスデバイスについて説明します。
フェンスデバイス、 フェンスデバイスと関連のあるフェンスデバイスのエージェント、 およびフェンスデバイスのパラメータについて解説している表へのリンクを 表4.1「フェンスデバイス要約」 に示します。
4.1. Telnet および SSH 経由の APC 電源スイッチ
telnet または SSH 経由の APC 用フェンスエージェント
fence_apc
で使用するフェンスデバイスのパラメータを 表4.2「APC 電源スイッチ (telnet/SSH)」 に示します。
luci フィールド | cluster.conf 属性 | 詳細 |
---|---|---|
Name | name | APC デバイス名、フェンスデーモンが telnet または ssh 経由でログインするクラスターに接続 |
IP Address or Hostname | ipaddr | デバイスに割り当てている IP アドレスまたはホスト名 |
IP Port (optional) | ipport | デバイスへの接続に使用する TCP ポート、デフォルトのポートは 23 ですが Use SSH を選択した場合は 22 になります |
Login | login | デバイスへのアクセスに使用するログイン名 |
Password | passwd | デバイスへの接続を認証する際に使用するパスワード |
Password Script (optional) | passwd_script | フェンスデバイスへのアクセス用パスワードを与えるスクリプト (これを使用するとスクリプトの方が | パラメータより優先される)
Power Wait (seconds) | power_wait | 電源オフまたは電源オンのコマンド発行後の待機秒数 |
Power Timeout (seconds) | power_timeout | 電源オンまたは電源オフのコマンドを発行後、状態変更のテストまで待機させる秒数、デフォルト値は 20 です |
Shell Timeout (seconds) | shell_timeout | コマンド発行後にコマンドプロンプトを待機させる秒数、デフォルト値は 3 です |
Login Timeout (seconds) | login_timeout | ログイン後にコマンドプロンプトを待機させる秒数、デフォルト値は 5 です |
Times to Retry Power On Operation | retry_on | 電源オンの動作を再試行する回数、デフォルト値は 1 です |
Port | port | ポート |
Switch (optional) | switch | ノードに接続している APCスイッチのスイッチ番号、デイジーチェーン配線でスイッチが複数ある場合 |
Delay (optional) | delay | フェンシング開始までに待機させる秒数、デフォルト値は 0 です |
Use SSH | secure | デバイスへのアクセスに SSH を使用するかどうかを指定します、SSH を使用する場合はパスワード、パスワードスクリプト、識別ファイルのいずれかを指定する必要があります |
SSH オプション | ssh_options | 使用する SSH オプション、デフォルト値は -1 -c blowfish です |
Path to SSH Identity File | identity_file | SSH の識別ファイル |
APC 電源スイッチのフェンスデバイスを追加する際に使用する設定画面を 図4.1「APC 電源スイッチ」 に示します。
図4.1 APC 電源スイッチ
APC デバイス用のフェンスデバイスインスタンスを作成するコマンドです。
ccs -f cluster.conf --addfencedev apc agent=fence_apc ipaddr=192.168.0.1 login=root passwd=password123
cluster.conf
ファイル内の fence_apc
デバイス用のエントリーを以下に示します。
<fencedevices> <fencedevice agent="fence_apc" name="apc" ipaddr="apc-telnet.example.com" login="root" passwd="password123"/> </fencedevices>