5.3. キーリング管理
Ceph クライアントを使用して Ceph にアクセスすると、Ceph クライアントはローカルキーリングを検索します。Ceph では、以下の 4 つのキーリング名で keyring
設定がデフォルトで事前設定されるので、デフォルトをオーバーライドしたい場合を除き、Ceph 設定ファイルで設定する必要はなく、これは推奨されません。
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/etc/ceph/$cluster.$name.keyring
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/etc/ceph/$cluster.keyring
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/etc/ceph/keyring
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/etc/ceph/keyring.bin
$cluster
メタ変数は、Ceph 設定ファイルの名前で定義されている Ceph ストレージクラスター名です。つまり、ceph.conf
はクラスター名が ceph
であることを意味するため ceph.keyring
になります。$name
メタ変数は、ユーザータイプとユーザー ID (例: client.admin
) であるため、ceph.client.admin.keyring
になります。
/etc/ceph
に読み書きするコマンドを実行する場合は、sudo
を使用して root
でコマンドを実行する必要がある場合があります。
client.ringo
などのユーザーを作成したら、そのユーザーが Ceph Storage Cluster にアクセスできるように、鍵を取得して Ceph クライアントのキーリングに追加する必要があります。
Ceph Storage Cluster で直接ユーザーをリストアップ、取得、追加、変更、削除する方法の詳細については、5章ユーザー管理 を参照してください。ただし、Ceph では、Ceph クライアントからキーリングを管理できるようにするための ceph-authtool
ユーティリティーも提供されます。
5.3.1. キーリングの作成
Managing Users_ セクションの手順を使用してユーザーを作成した場合、Ceph クライアントが指定されたユーザのキーを取得して Ceph Storage Cluster で認証できるように、ユーザキーを Ceph クライアントに提供する必要があります。Ceph クライアントはキーリングにアクセスしてユーザー名を検索し、ユーザーのキーを取得します。
ceph-authtool
ユーティリティーを使用すると、キーリングを作成できます。空のキーリングを作成するには、--create-keyring
または -C
を使用します。以下に例を示します。
# ceph-authtool --create-keyring /path/to/keyring
複数のユーザーでキーリングを作成する場合は、クラスター名 (例: キーリングファイル名の $cluster.keyring
) を使用して、/etc/ceph/
ディレクトリーに保存することが推奨されます。これにより、keyring
設定のデフォルト設定が Ceph 設定ファイルのローカルコピーで指定しなくてもファイル名を取得するようにします。たとえば、以下のコマンドを実行して ceph.keyring
を作成します。
# ceph-authtool -C /etc/ceph/ceph.keyring
1 人のユーザーでキーリングを作成する場合は、クラスター名、ユーザータイプ、およびユーザー名を使用して、/etc/ceph/
ディレクトリーに保存することが推奨されます。たとえば、client.admin
ユーザーの場合は ceph.client.admin.keyring
です。
/etc/ceph/
でキーリングを作成するには、root
として設定する必要があります。これは、そのファイルには root
ユーザのみに rw
パーミッションが付与されることを意味し、キーリングに管理者キーが含まれている場合にはこれが適切です。ただし、特定のユーザーまたはユーザーグループにキーリングを使用する場合は、chown
または chmod
を実行して、適切なキーリングの所有権とアクセスを確立するようにしてください。