2.8. ブロックデバイスイメージのゴミ箱への移行
RADOS Block Device (RBD) イメージは、rbd trash
コマンドを使用してゴミ箱に移動できます。このコマンドは、rbd rm
コマンドよりも多くのオプションがあります。
イメージをゴミ箱に移動すると、後でゴミ箱から取り除くこともできます。この機能により、誤って削除されるのを回避できます。
前提条件
- 稼働中の Red Hat Ceph Storage クラスターがある。
- クライアントノードへの root レベルのアクセス。
手順
イメージをゴミ箱に移動するには、以下のコマンドを実行します。
構文
rbd trash mv [POOL_NAME/] IMAGE_NAME
例
[root@rbd-client ~]# rbd trash mv pool1/image1
イメージがゴミ箱に入ると、一意のイメージ ID が割り当てられます。
注記ゴミ箱オプションのいずれかを使用する必要がある場合は、後でこのイメージを指定するのにこのイメージ ID が必要です。
-
ゴミ箱にあるイメージ ID のリストに対して
rbd trash list POOL_NAME
を実行します。このコマンドは、イメージの削除前の名前も返します。さらに、rbd info
およびrbd snap
コマンドで使用可能な--image-id
引数 (任意) があります。rbd info
コマンドに--image-id
を使用し、ごみ箱の中にあるイメージのプロパティーを表示し、rbd snap
で、イメージのスナップショットをゴミ箱から削除します。 ゴミ箱からイメージを削除するには、以下のコマンドを実行します。
構文
rbd trash rm [POOL_NAME/] IMAGE_ID
例
[root@rbd-client ~]# rbd trash rm pool1/d35ed01706a0
重要- イメージがゴミ箱から削除されると、そのイメージは復元できません。
- ミラーリングが有効になっているイメージをゴミ箱に移動すると、セカンダリーサイトのイメージも削除されます。イメージをプライマリーサイトで復元した場合は、ミラーリングを再度有効にする必要があります。セカンダリーサイトはイメージを再度プルします。
rbd trash restore
コマンドを実行して、イメージを復元します。構文
rbd trash restore [POOL_NAME/] IMAGE_ID
例
[root@rbd-client ~]# rbd trash restore pool1/d35ed01706a0
ゴミ箱から期限切れのイメージをすべて削除するには、以下のコマンドを実行します。
構文
rbd trash purge POOL_NAME
例
[root@rbd-client ~]# rbd trash purge pool1 Removing images: 100% complete...done.