2.16. 永続的な書き込みログキャッシュ
Red Hat Ceph Storage クラスターでは、永続的な書き込みログ (PWL) キャッシュが librbd ベースの RBD クライアントに対して永続的で耐障害性のあるライトバックキャッシュを提供します。
PWL キャッシュは、ログ順のライトバックデザインを使用して、チェックポイントを内部で維持し、クラスターにフラッシュされる書き込みが常にクラッシュします。クライアントキャッシュが完全になくなった場合、ディスクイメージには整合性がありますが、データが古くなったように見えます。キャッシュデバイスとして、PMEM(永続メモリー) や SSD(Solid State Disk) を使用して PWL キャッシュを使用することができます。
PMEM の場合、キャッシュモードはレプリカ書き込みログ (RWL) で、SSD の場合はキャッシュモードが SSD になります。現在、PWL キャッシュは RWL および SSD モードに対応しており、デフォルトでは無効になっています。
PWL キャッシュの主な利点は次のとおりです。
- PWL キャッシュは、キャッシュが満杯でない場合は、高パフォーマンスを提供できます。キャッシュが大きいほど、高パフォーマンスの期間が長くなります。
- PWL キャッシュは永続性を提供し、RBD キャッシュと比較してそれほど遅くはありません。RBD キャッシュは高速ですが揮発性で、データの順番と永続性を保証することはできません。
- キャッシュが満杯の定常状態では、性能はインフライト I/O の数に影響されます。たとえば、PWL は io_depth が低い場合には高い性能を発揮しますが、I/O 数が 32 を超えるような高い io_depth では、キャッシュがない場合よりも性能が悪くなることが多いです。
PMEM キャッシュのユースケースは以下のとおりです。
- RBD キャッシュとは異なり、PWL キャッシュには不揮発性の特性があり、データ損失を避けたいが高パフォーマンスを必要とするシナリオで使用されます。
- RWL モードは、低レイテンシーを提供します。バースト I/O の場合安定した低レイテンシーを実現し、安定した低レイテンシーへの要求が高いシナリオに適しています。
- また、RWL モードでは、I/O 深度が低い、またはインフライト I/O が多すぎない状況において、連続的に安定した高い性能向上を実現しています。
SSD キャッシュのユースケースは以下のとおりです。
- SSD モードの利点は RWL モードと似ています。SSD ハードウェアは比較的安価で一般的ですが、そのパフォーマンスは PMEM よりも若干低くなります。