6.18. 仮想化
virtio-mem が IBM Z で利用可能になりました
今回のアップデートにより、準仮想化メモリーデバイスである virtio-mem を IBM Z ハードウェアで使用できるようになりました。virtio-mem を使用すると、仮想マシンのホストメモリーを動的に追加または削除できます。
Jira:RHEL-72994[1]
IBM Z ホスト用の新しいコマンド: virsh hypervisor-cpu-models
この更新により、virsh hypervisor-cpu-models コマンドが導入されました。IBM Z アーキテクチャーでこのコマンドを使用すると、ハイパーバイザーが認識する CPU モデルを表示できます。
Jira:RHEL-58151[1]
virt-v2v が NVMe ディスクを使用する VMware 仮想マシンを変換できるようになりました
今回のアップデートにより、libvirt ツールセットが、VMware ハイパーバイザー上に作成された仮想マシン (VM) の設定を分析するときに、Non-volatile Memory Express (NVMe) ディスクを正しく検出できるようになりました。その結果、このような仮想マシンを、virt-v2v ユーティリティーを使用して KVM ハイパーバイザー用に変換できるようになりました。
NetKVM の高速初期化パラメーター
この更新により、NetKVM ドライバーに高速初期化 (FastInit) パラメーターが追加されます。このパラメーターを有効にすると、ドライバーが必要なメモリーブロックの一部だけを仮想キューに割り当てた後、カーネルに準備完了を通知するようになります。残りのメモリーブロックはバックグラウンドで初期化されます。
これにより、特にネットワークバックエンドが多数の仮想キューを使用する場合に、Windows 仮想マシンでのネットワークの起動または再起動が大幅に高速化します。ただし、バックグラウンドメモリーの割り当てが完了する前に、パフォーマンスへの悪影響が発生する可能性があります。
FastInit はデフォルトで有効になりますが、Windows ゲストオペレーティングシステムのデバイスマネージャーアプリケーションを使用して無効にできます。
virtio-mem が Windows 仮想マシンで使用可能になりました
今回のアップデートにより、RHEL 10 ホスト上で実行されている Windows 仮想マシン (VM) で、準仮想化メモリーデバイスである virtio-mem が使用できるようになりました。virtio-mem デバイスを使用すると、仮想マシンのホストメモリーを動的に追加または削除できます。
サポートされている Windows のバージョンのリストは、Certified Guest Operating Systems を参照してください。
Jira:RHELDOCS-18640[1]
IBM Z ゲスト向けのパフォーマンスが強化された PCI 変換
今回のアップデートにより、IBM Z ホスト上の仮想マシン (VM) が、PCI デバイスに対して ID-mapped 型のダイレクトメモリーアクセス (DMA) を使用できるようになりました。この機能により、PCI デバイスパススルーのパフォーマンスが大幅に向上します。この機能を使用するには、システムを次のように設定する必要があることに注意してください。
-
仮想マシンのカーネルコマンドラインで
iommu.passthrough=1パラメーターを設定する必要があります。 - 仮想マシンのメモリーが NUMA ノードに完全にピニングされている必要があります。
- RHEL ホストシステムで論理パーティション (LPAR) を使用しないでください。
Jira:RHEL-52964[1]
virtio ベースのキーボードドライバーの改善
今回のアップデートにより、新しい virtio ベースのキーボードドライバーが導入され、特にファームウェアセットアップ画面と GRUB ブートローダーで、仮想マシン内での早期キーボード入力の捕捉が可能になりました。
Jira:RHEL-50[1]
仮想マシンライブマイグレーション用の新しいオプション: --available-switchover-bandwidth
virsh migrate --live コマンドを使用して仮想マシン (VM) をライブマイグレーションする場合、--available-switchover-bandwidth オプションを追加できるようになりました。これにより、プリコピープロセスにおいて、マイグレーションが宛先ホストに切り替わる際の帯域幅を指定できます。デフォルトでは、ハイパーバイザーが利用可能な帯域幅を自動的に測定します。しかし、この自動測定では、ライブマイグレーションの正常な完了を確実に保証できない場合があります。そのような場合、--available-switchover-bandwidth を使用すると、問題を解決できます。
仮想マシンが MSDM ACPI テーブルを使用できるようになりました
一部の Windows ゲストオペレーティングシステムでは、ライセンスをアクティブ化するために、ゲストを Microsoft Data Management (MSDM) Advanced Configuration and Power Interface (ACPI) テーブルで設定する必要があります。この目的のために、RHEL でホストされている仮想マシン (VM) に MSDM ACPI テーブルを設定できるようになりました。これを行うには、仮想マシンの XML 設定で次の行を使用します。
<acpi>
<table type="msdm">/path/to/table</table>
</acpi>
UEFI 仮想マシンのファームウェア設定画面を無効にする機能のサポート
今回のアップデートにより、UEFI 仮想マシン (VM) のファームウェア設定画面をブロックする新しい機能が QEMU に追加されました。ファームウェア設定画面をブロックすると、ファームウェア設定アプリケーションへの不正アクセスを防ぎ、許可されたデバイスからのみ仮想マシンを起動できます。
QEMU コマンドラインに次の行を追加することで、ファームウェア設定画面をブロックできます。
-fw_cfg name=opt/<hostname>/FirmwareSetupSupport,string=no
<hostname> はホストの ID に置き換えます。
Jira:RHEL-63645[1]
ホストシャットダウン時の仮想マシンアクションのきめ細かな設定
今回のアップデートにより、ホストのシャットダウン時に仮想マシン (VM) を処理する方法について、libvirt ドライバーを設定できるようになりました。たとえば、ホストのシャットダウン時に仮想マシンメモリーを保存するように設定し、ホストの起動時に保存されたメモリーから仮想マシンが自動的に起動するように設定できます。具体的な設定オプションは、/etc/libvirt/virtqemud.conf ファイルの auto_shutdown パラメーターを参照してください。
なお、この機能は、/etc/sysconfig/libvirt-guests ファイルで設定される libvirt-guests サービスが提供する機能と同じ機能を実装します。そのため、virtqemud.conf の auto_shutdown 設定を libvirt-guests.service と同時に使用することはできません。
新しいデプロイメントでは、libvirt-guests.service の代わりに、virtqemud.conf の auto_shutdown を使用することを推奨します。libvirt-guests.service は、今後の RHEL メジャーリリースで完全に置き換えられる予定です。
新しい QEMU 設定パラメーター: migrate_tls_priority
今回のアップデートにより、/etc/libvirt/qemu.conf ファイルで migrate_tls_priority パラメーターを設定できるようになりました。このパラメーターを使用すると、仮想マシンのライブマイグレーション時に TLS に関する QEMU の問題を回避できます。ご使用の環境でデフォルト設定が機能しない場合は、設定すべき推奨値を入手するために、Red Hat カスタマーサポートにお問い合わせください。
64 ビット ARM ホスト上の仮想マシンの新機能
64 ビット ARM アーキテクチャー (aarch64) を使用する RHEL ホスト上の仮想マシンでは、次の機能がサポートされるようになりました。
- ライブスナップショット
次のオプションを使用したプリコピーマイグレーション:
- TLS 暗号化および XBZRLE 圧縮
- ダーティー率の監視
- 自動収束
次のオプションを使用したマルチ FD マイグレーション:
- TLS 暗号化および XBZRLE 圧縮
- 自動収束
- ゼロコピー
次のオプションを使用したポストコピーマイグレーション:
- TLS 暗号化および XBZRLE 圧縮
- 復元
- プリエンプション
-
virtiofsを使用したライブマイグレーション
Jira:RHELDOCS-20674[1]
multifd プリコピーが、コピー後の仮想マシン移行で可能になりました
今回のアップデートにより、multifd プリコピーマイグレーションとポストコピーマイグレーションを組み合わせることが可能になりました。その結果、メモリーを大量に消費する仮想マシンのライブマイグレーションが可能になりました。マイグレーションは、複数のファイルディスクリプター (multifd) を使用してメモリーページの大部分を迅速にマイグレーションするプリコピーフェーズから開始し、その後、ポストコピーマイグレーションに切り替えることで実現できます。標準的なライブマイグレーションと比較して、この組み合わせはマイグレーションのパフォーマンスと柔軟性が優れています。具体的な手順については、コマンドラインを使用した仮想マシンの移行 を参照してください。
ダイレクトカーネルブートが SecureBoot 仮想マシンでサポートされるようになりました
今回のアップデートにより、SecureBoot 機能が設定された仮想マシン (VM) で、ダイレクトカーネルブートを設定できるようになりました。これを行うには、次のように、仮想マシンの XML 設定で <shim> パラメーターを使用します。
<os firmware="efi">
...
<shim>/var/lib/libvirt/images/BOOTX64.EFI</shim>
</os>
virtio-scsi デバイスにおける複数の I/O スレッドのサポート
今回のアップデートにより、単一の virtio-scsi デバイスに対して複数の I/O スレッドを設定できるようになりました。これを行うには、デバイスが割り当てられている仮想マシンの XML 設定で <iothreads> パラメーターを使用します。これにより、仮想 SCSI デバイスのパフォーマンスとスケーラビリティーを微調整するための追加の選択肢が提供されます。
仮想マシンの SCSI パススルーサポート
今回のアップデートにより、RHEL は仮想マシンの SCSI パススルーをサポートするようになりました。この機能により、仮想マシンはテープドライブやストレージエリアネットワーク (SAN) の論理ユニット番号 (LUN) など、ホストの SCSI デバイスに直接アクセスできます。
その結果、直接 SCSI アクセスを必要とする特殊なストレージデバイスを使用するように仮想マシンを設定できます。これには、シングルパスとマルチパスの両方の仮想ディスクに対するサポートが含まれます。
SCSI パススルーが機能するためには、ホストがサポートされている RHEL およびカーネルバージョンを使用している必要があることに注意してください。詳細は、仮想マシンにおける SGIO サポートに必要な RHEL バージョン を参照してください。
Jira:RHELDOCS-21410[1]
仮想マシンにおける SCSI3 永続予約のサポート
今回のアップデートにより、RHEL は仮想マシン向けの SCSI3 永続予約 (S3-PR) をサポートするようになりました。この機能により、複数の仮想マシンが共有ストレージデバイスへのアクセスを調整できるようになります。これは、Pacemaker などの Linux クラスタリングソリューションや Windows Server フェイルオーバークラスタリングにとって不可欠です。
これにより、仮想マシンはストレージデバイス上に永続予約を登録および管理できるようになり、複数の仮想マシンが同じストレージにアクセスする際の競合を防ぐことができます。S3-PR は、シングルパスおよびマルチパスの仮想ディスクでサポートされています。
S3-PR が機能するためには、ホストがサポートされている RHEL およびカーネルバージョンを使用している必要があることに注意してください。詳細は、仮想マシンにおける SGIO サポートに必要な RHEL バージョン を参照してください。
Jira:RHELDOCS-21467[1]