6.17. 仮想化
virtio-mem が IBM Z で利用可能になりました
この更新により、準仮想化メモリーデバイスである virtio-mem を IBM Z ハードウェアで使用できるようになりました。virtio-mem を使用すると、仮想マシンのホストメモリーを動的に追加または削除できます。
Jira:RHEL-72994[1]
IBM Z ホスト用の新しいコマンド: virsh hypervisor-cpu-models
この更新により、virsh hypervisor-cpu-models コマンドが導入されました。IBM Z アーキテクチャーでこのコマンドを使用すると、ハイパーバイザーが認識する CPU モデルを表示できます。
Jira:RHEL-58151[1]
virt-v2v が NVMe ディスクを使用する VMware 仮想マシンを変換できるようになりました
この更新により、libvirt ツールセットが、VMware ハイパーバイザー上に作成された仮想マシン (VM) の設定を分析するときに、Non-volatile Memory Express (NVMe) ディスクを正しく検出できるようになりました。その結果、このような仮想マシンを、virt-v2v ユーティリティーを使用して KVM ハイパーバイザー用に変換できるようになりました。
NetKVM の高速初期化パラメーター
この更新により、NetKVM ドライバーに高速初期化 (FastInit) パラメーターが追加されます。このパラメーターを有効にすると、ドライバーが必要なメモリーブロックの一部だけを仮想キューに割り当てた後、カーネルに準備完了を通知するようになります。残りのメモリーブロックはバックグラウンドで初期化されます。
これにより、特にネットワークバックエンドが多数の仮想キューを使用する場合に、Windows 仮想マシンでのネットワークの起動または再起動が大幅に高速化します。ただし、バックグラウンドメモリーの割り当てが完了する前に、パフォーマンスへの悪影響が発生する可能性があります。
FastInit はデフォルトで有効になりますが、Windows ゲストオペレーティングシステムのデバイスマネージャーアプリケーションを使用して無効にできます。
IBM Z ゲスト向けのパフォーマンスが強化された PCI 変換
この更新により、IBM Z ホスト上の仮想マシン (VM) が、PCI デバイスに対して ID-mapped 型のダイレクトメモリーアクセス (DMA) を使用できるようになりました。この機能により、PCI デバイスパススルーのパフォーマンスが大幅に向上します。この機能を使用するには、システムを次のように設定する必要があることに注意してください。
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仮想マシンのカーネルコマンドラインで
iommu.passthrough=1パラメーターを設定する必要があります。 - 仮想マシンのメモリーが NUMA ノードに完全にピニングされている必要があります。
- RHEL ホストシステムで論理パーティション (LPAR) を使用しないでください。
Jira:RHEL-52964[1]
仮想マシンライブマイグレーション用の新しいオプション: --available-switchover-bandwidth
virsh migrate --live コマンドを使用して仮想マシン (VM) をライブマイグレーションする場合、--available-switchover-bandwidth オプションを追加できるようになりました。これにより、プリコピープロセスにおいて、マイグレーションが宛先ホストに切り替わる際の帯域幅を指定できます。デフォルトでは、ハイパーバイザーが利用可能な帯域幅を自動的に測定します。しかし、この自動測定では、ライブマイグレーションの正常な完了を確実に保証できない場合があります。そのような場合、--available-switchover-bandwidth を使用すると、問題を解決できます。