8.11. Identity Management
pam_console モジュールが削除される
pam_console モジュールは RHEL 10 から削除されました。pam_console モジュールは、物理コンソールまたはターミナルにログインしたユーザーにファイル権限と認証機能を付与し、コンソールのログインステータスとユーザーの存在に基づいてこれらの権限を調整していました。pam_console の代わりに、systemd-logind システムサービスを使用できます。設定の詳細は、logind.conf(5) の man ページを参照してください。
Jira:RHELDOCS-18159[1]
RSA PKINIT メソッドが削除される
秘密鍵ベースの RSA 方式は、MIT Kerberos ではサポートされなくなりました。これは、セキュリティー上の理由、特に Marvin 攻撃に対する脆弱性のため削除されました。その結果、kinit コマンドの -X flag_RSA_PROTOCOL パラメーターは効果がなくなります。デフォルトの PKINIT メカニズムとして、Diffie-Hellman 鍵合意方式が使用されます。
Jira:RHEL-56070[1]
NIS サーバーエミュレーターが削除される
RHEL Identity Management (IdM) では、NIS 機能は提供されなくなりました。
RHEL Identity Management から削除されたその他の機能
以下のパッケージは RHEL 9 に含まれていますが、RHEL 10 には含まれていません。
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compat-hesiod -
fontawesome-fonts: 代わりにfontawesome4-fontsの使用を検討してください。 -
libnsl2 -
python3-netifaces: 代わりにpython-ifaddrの使用を検討してください。
389-ds-base からリファラルモードが削除されました
この更新前は、Directory Server がリファラルモードでのサーバーの起動をサポートしていました。しかし、安定性の問題により、この機能はサポートされなくなり、削除されました。
なお、nsslapd-referralmode 属性と nsslapd-referral 属性は引き続き使用できます。Directory Server は、要求された識別名 (DN) が、サーバーが保持するどの接尾辞にも含まれていない場合でも、リファラルを返すことができます。
nsslapd-subtree-rename-switch が 389-ds-base から削除されました
この更新前は、データベース内のサブツリー間でエントリーを移動できないように Directory Server を設定できました。安定性の問題のため、この機能は削除されました。したがって、nsslapd-subtree-rename-switch パラメーターは存在しなくなりました。
その結果、サブツリー間でのエントリーの移動を無効にできなくなりました。代替策として、アクセス制御命令 (ACI) を作成することにより、エントリーの移動を無効にできます。
Jira:RHEL-77490[1]