1.2. インプレースアップグレード
RHEL 8 から RHEL 9 へのインプレースアップグレード
現在サポートされているインプレースアップグレードパスは次のとおりです。
次のアーキテクチャー上の RHEL 8.6 から RHEL 9.0 および RHEL 8.8 から RHEL 9.2:
- 64 ビット Intel
- 64 ビット AMD
- 64-bit ARM
- IBM POWER 9 (リトルエンディアン)
- z13 を除く IBM Z アーキテクチャー
- SAP HANA を搭載したシステム上の RHEL 8.6 から RHEL 9.0 および RHEL 8.8 から RHEL 9.2
詳細は、Supported in-place upgrade paths for Red Hat Enterprise Linux を参照してください。
インプレースアップグレードの実行方法は、RHEL 8 から RHEL 9 へのアップグレード を参照してください。
SAP HANA で RHEL 9.2 にアップグレードする場合は、アップグレード前に、システムが SAP に対して認定されていることを確認してください。SAP 環境があるシステムでインプレースアップグレードを実行する手順は、SAP 環境を RHEL 8 から RHEL 9 にインプレースアップグレードする方法 を参照してください。
主な機能拡張は、次のとおりです。
- RHEL のインプレースアップグレードパスストラテジーが変更されました。詳細は、Supported in-place upgrade paths for Red Hat Enterprise Linux を参照してください。
- RHEL 9.2 のリリースにより、RHEL 8 から RHEL 9 へのインプレースアップグレードに複数のアップグレードパスが利用できるようになりました。現在のリリースでは、RHEL 8.8 から RHEL 9.2 へ、または RHEL 8.6 から RHEL 9.0 へのインプレースアップグレードを実行できます。利用可能なアップグレードパスは、標準の RHEL システムと SAP HANA を備えた RHEL システムの間で異なることに注意してください。
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leapp-upgrade-el8toel9
パッケージの最新リリースに、必要な leapp データファイルがすべて含まれるようになりました。これらのデータファイルを手動でダウンロードする必要がなくなりました。 - FIPS モードでの RHEL 8.8 システムのインプレースアップグレードがサポートされるようになりました。
- ターゲットバージョンを含む ISO イメージを使用したインプレースアップグレードが可能になりました。
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RPM 署名がインプレースアップグレード時に自動的にチェックされるようになりました。自動チェックを無効にするには、アップグレードの実行時に
--nogpgcheck
オプションを使用します。 -
RHSM にサブスクライブしているシステムが、Red Hat Insights に自動的に登録されるようになりました。自動登録を無効にするには、
LEAPP_NO_INSIGHTS_REGISTER
環境変数を1
に設定します。 -
Red Hat は、ユーティリティーの使用状況を分析するために、アップグレードの開始時間や終了時間などのアップグレード関連のデータを収集するようになりました。データ収集を無効にするには、
LEAPP_NO_RHSM_FACTS
環境変数を1
に設定します。
RHEL7 から RHEL 9 へのインプレースアップグレード
RHEL7 から RHEL 9 へのインプレースアップグレードを直接実行することはできません。ただし、RHEL 7 から RHEL 8 へのインプレースアップグレードを実行してから、RHEL 9 への 2 回目のインプレースアップグレードを実行することはできます。詳細は、RHEL 7 から RHEL 8 へのアップグレード を参照してください。