10.2. ユーザーへの sudo アクセス権限の付与
システム管理者は、root 以外のユーザーに sudo
アクセスを付与することで、管理コマンドの実行を許可できます。sudo
コマンドは、root ユーザーのパスワードを使用せずに、管理アクセスを持つユーザーを提供する方法です。
ユーザーが管理コマンドを実行する必要がある場合には、コマンドの前に sudo
を指定してください。ユーザーがコマンドに対する認可を持っている場合、コマンドは root であるかのように実行されます。
以下の制限事項に注意してください。
-
/etc/sudoers
設定ファイルにリスト表示されているユーザーのみがsudo
コマンドを使用できます。 -
コマンドは、root シェルではなく、ユーザーのシェルで実行されます。ただし、例外があります。たとえば、すべてのユーザーに完全な
sudo
権限が付与されている場合などです。このような場合、ユーザーは root シェルでコマンドを切り替えて実行できます。以下に例を示します。 -
sudo -i
-
sudo su -
前提条件
- システムへの root アクセス権があります。
手順
root で
/etc/sudoers
ファイルを開きます。# visudo
/etc/sudoers
ファイルは、sudo
コマンドで適用されるポリシーを定義します。/etc/sudoers
ファイルで、wheel
管理グループのユーザーにsudo
アクセスを付与する行を見つけます。## Allows people in group wheel to run all commands %wheel ALL=(ALL) ALL
-
%wheel
で始まる行が番号記号 (#
) でコメントアウトされていないことを確認してください。 - 変更を保存し、エディターを終了します。
sudo
アクセスを付与するユーザーを、wheel
管理グループに追加します。# usermod --append -G wheel <username>
<username>
は、ユーザー名に置き換えます。
検証
ユーザーが
wheel
管理グループに含まれていることを確認します。# id <username> uid=5000(<username>) gid=5000(<username>) groups=5000(<username>),10(wheel)
関連情報
-
システム上の
sudo(8)
、visudo(8)
、sudoers(5)
man ページ