14.2. 64 ビット IBM Z アーキテクチャーで ReaR レスキューイメージの使用
RHEL 9.2 以降、基本的な Relax and Recover (ReaR) 機能が 64 ビットの IBM Z アーキテクチャーで利用できるようになり、完全にサポートされるようになりました。IBM Z では、z/VM 環境でのみ ReaR レスキューイメージを作成できます。論理パーティション (LPAR) のバックアップおよび復元はテストされていません。
64 ビット IBM Z アーキテクチャーでの ReaR は、rear
パッケージのバージョン 2.6-17.el9 以降でのみサポートされます。以前のバージョンは、テクノロジープレビュー機能としてのみ利用できます。Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
現在利用できる出力方法は、Initial Program Load (IPL) のみです。IPL は、zIPL
ブートローダーで使用できるカーネルと初期 RAM ディスク (initrd) を生成します。
前提条件
ReaR がインストールされている。
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ReaR をインストールするには、
dnf install rear
コマンドを実行します。
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ReaR をインストールするには、
手順
以下の変数を/etc/rear/local.conf
に追加し、64 ビット IBM Z アーキテクチャーでレスキューイメージを生成するように ReaR を設定します。
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IPL
アウトプットメソッドを設定するには、OUTPUT=IPL
を追加します。 バックアップメソッドとバックアップ先を設定するには、
BACKUP
変数およびBACKUP_URL
変数を追加します。以下に例を示します。BACKUP=NETFS BACKUP_URL=nfs://<nfsserver name>/<share path>
重要ローカルバックアップストレージは、現在、64 ビットの IBM Z アーキテクチャーではサポートされていません。
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オプション:
OUTPUT_URL
変数を設定して、カーネルファイルとinitrd
ファイルを保存することもできます。初期設定では、OUTPUT_URL
はBACKUP_URL
に合わせて配置されています。 バックアップとレスキューのイメージの作成を実行するには、次のコマンドを実行します。
# rear mkbackup
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これにより、
BACKUP_URL
変数またはOUTPUT_URL
(設定されている場合) 変数で指定された場所にカーネルファイルと initrd ファイルが作成され、指定されたバックアップメソッドを使用してバックアップが作成されます。 -
システムを復元するには、手順 3 で作成した ReaR カーネルファイルおよび initrd ファイルを使用し、
zipl
ブートローダー、カーネル、およびinitrd
で準備した DASD (Direct Attached Storage Device) または FCP (Fibre Channel Protocol) 接続の SCSI デバイスから起動します。詳細は準備した DASD の使用を参照してください。 -
レスキューカーネルと
initrd
が起動すると、ReaR レスキュー環境が起動します。システムの復元を続行します。
現在、レスキュープロセスは、システムに接続したすべての DASD (Direct Attached Storage Devices) を再フォーマットします。システムのストレージデバイスに貴重なデータが存在する場合は、システムの復旧を行わないでください。これには、レスキュー環境で起動するのに使用された zipl ブートローダー、ReaR カーネル、および initrd で準備されたデバイスも含まれます。必ずコピーを保管してください。