第1章 はじめに


本書では、Red Hat OpenStack Platform を最新の状態に維持するプロセスについて説明します。本書では、Red Hat OpenStack Platform 10(Newton) を対象とするアップグレードおよび更新に重点を置いています。

Red Hat は、Red Hat Enterprise Linux 7.3 での Red Hat OpenStack Platform 10 へのアップグレードのみをサポートします。さらに、Red Hat は、以下の異なるシナリオを以下の条件に基づいて推奨しています。

  • director ベースのオーバークラウドまたは手動で作成した環境を使用している。
  • 高可用性ツールを使用して、クラスター内のコントローラーノードのセットを管理します。

「アップグレードシナリオの比較」 では、すべてのアップグレードシナリオを説明します。このようなシナリオでは、作業用の Red Hat OpenStack Platform 10 リリースにアップグレードし、そのバージョン内でマイナーアップデートを行うことができます。

1.1. アップグレードシナリオの比較

Red Hat は、Red Hat OpenStack Platform 10 に以下のアップグレードシナリオを推奨します。以下の表には、それぞれの簡単な説明をまとめています。

警告

Red Hat Enterprise Linux 7.3 カーネルにアップグレードするには、Open vSwitch (OVS) 2.4.0 も OVS 2.5.0 にアップグレードする必要があります。カーネルだけアップグレードすると、OVS は機能しなくなります。

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表1.1 アップグレードシナリオ
方法説明

director ベースの環境: マイナーバージョンへの更新の実行

このシナリオでは、Red Hat OpenStack Platform 10 のマイナーバージョンから新しいバージョンの Red Hat OpenStack Platform 10 への更新について説明します。そのためには、director のパッケージを更新し、続いて director を使用してオーバークラウド内の全ノード上でパッケージの更新を起動します。

director ベースの環境: メジャーバージョンへのアップグレードの実行

このシナリオは、Red Hat OpenStack Platform のメジャーバージョンからアップグレードするためのものです。この場合は、バージョン 9 から 10 にアップグレードします。そのためには、director のパッケージを更新し、続いて director を使用して各ノードでアップグレードスクリプトを追加し、続いてオーバークラウドスタックのアップグレードを実行する必要があります。

直接以外の環境: OpenStack サービスのアップグレード

このシナリオは、管理に director を使用しない Red Hat OpenStack Platform 環境内の全パッケージをアップグレードすることです(例: 手動で作成された環境)。このシナリオでは、すべてのパッケージを同時にアップグレードします。

直接以外の環境: 標準環境での個別の OpenStack サービス(Live Compute)のアップグレード

このシナリオは、管理に director を使用しない Red Hat OpenStack Platform 環境内の全パッケージをアップグレードすることです(例: 手動で作成された環境)。このシナリオでは、各 OpenStack サービスを個別に更新します。

直接以外の環境: 高可用性環境での個別の OpenStack サービス(Live Compute)のアップグレード

このシナリオでは、管理に director を使用せず(例: 手動で作成された環境など)、コントローラーベースの OpenStack サービスに高可用性ツールを使用する Red Hat OpenStack Platform 環境内の全パッケージをアップグレードします。このシナリオでは、各 OpenStack サービスを個別に更新します。

すべてのメソッドの場合:

  • 本リリースの正しいリポジトリーを全ホストで有効にしていることを確認します。
  • アップグレードには、一部のサービスの中断が発生します。
  • コンピュートノードをリブートするか、インスタンスを明示的にシャットダウンしない限り、実行中のインスタンスはアップグレードプロセスの影響を受けません。
警告

Red Hat は、Red Hat OpenStack Platform のベータリリースからサポートされるリリースへのアップグレードをサポートしません。

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