3.6.8. アップグレードの最終処理
オーバークラウドスタックが現在の Heat テンプレートコレクションと同期されるように、director はアップグレードの最終処理を通じて実行する必要があります。これには、openstack overcloud deploy コマンドを使用するのに使用する環境ファイル(major-upgrade-pacemaker-converge.yaml)が関係します。
Red Hat OpenStack Platform 9 環境が以前のバージョン(Red Hat Ceph Storage 1.3)の外部 Ceph Storage クラスターと統合されている場合は、後方互換性を有効にする必要があります。そのためには、以下の内容を含む環境ファイル(例: /home/stack/templates/ceph-backwards-compatibility.yaml)を作成します。
parameter_defaults:
ExtraConfig:
ceph::conf::args:
client/rbd_default_features:
value: "1"
parameter_defaults:
ExtraConfig:
ceph::conf::args:
client/rbd_default_features:
value: "1"
外部の Red Hat Ceph Storage バージョン 1.3 との後方互換性が必要な場合には、rbd_default_features を 1 に設定します。外部の Red Hat Ceph Storage クラスターがバージョン 2.0 以降であるか、または director を使用して Red Hat OpenStack Platform 環境をデプロイし、director により環境が Red Hat Ceph Storage バージョン 2.0 以降にアップグレードされている場合は、rbd_default_features を 63 に設定します。
次の手順で openstack overcloud deploy を実行する際に、このファイルを追加します。
undercloud から openstack overcloud deploy を実行し、major-upgrade-pacemaker-converge.yaml 環境ファイルを追加します。Ceph(該当する場合)、ネットワーク分離、ストレージなど、お使いの環境に関連するすべてのオプションおよびカスタム環境ファイルも追加するようにしてください。
これは、major-upgrade-pacemaker-converge.yaml ファイルを追加した openstack overcloud deploy コマンドの例です。
新たな環境ファイルの設定でオーバークラウドが更新されるまで待ちます。
コントローラーノードにログインし、pcs status コマンドを実行して、全リソースがコントローラークラスターでアクティブかどうかを確認します。エラーが発生したリソースがある場合には、pcs resource cleanup を実行してエラーを消去し、各リソースの状態を Started に設定します。引き続きエラーが発生する場合は、Red Hat に連絡してアドバイス/サポートをリクエストしてください。