23.2. ネットワークのブートオプション
ネットワークブートオプションを設定して、ネットワーク接続経由での RHEL インストールを有効にすることができます。これらのオプションを使用すると、ネットワークベースのインストールとリモートシステムのデプロイメントのために、ネットワークインターフェイスの設定、IP アドレスの指定、ボンディング、ブリッジ、VLAN の設定を行うことができます。
+
dracut
ツールを使用してネットワークを初期化します。dracut
オプションの完全なリストは、システム上の dracut.cmdline(7)
man ページを参照してください。
- ip=
ip=
ブートオプションは、1 つ以上のネットワークインターフェイスを設定するために使用します。複数のインターフェイスを設定するには、次のいずれかの方法を使用します。-
インターフェイスごとに 1 回ずつ、
ip
オプションを複数回使用します。これを行うには、rd.neednet=1
オプションを使用し、bootdev
オプションを使用してプライマリーブートインターフェイスを指定します。 ip
オプションを 1 回使用し、その後キックスタートを使用してさらにインターフェイスを設定します。ip= オプションによる設定は、インストールプロセスの早い段階で適用されます。一方、キックスタートで定義された設定は、インストールの後の段階で、インストールプログラムの起動後に適用されます。このオプションでは、複数の形式が使用できます。以下の表は、最も一般的なオプションの情報が含まれます。以下の表では、下記の点を前提としています。
-
ip
パラメーターはクライアントの IP アドレスを指定し、IPv6
には角括弧が必要です (例: 192.0.2.1 または [2001:db8::99])。 -
gateway
パラメーターはデフォルトゲートウェイになります。IPv6
には角括弧必要です。 -
netmask
パラメーターは使用するネットマスクです。完全ネットマスク (255.255.255.0 など) または接頭辞 (64 など) を使用できます。 hostname
パラメーターはクライアントシステムのホスト名です。このパラメーターは任意です。Expand 表23.3 ネットワークインターフェイスを設定するためのブートオプション形式 ブートオプションの形式 設定方法 ip=method
すべてのインターフェイスの自動設定
ip=interface:method
特定インターフェイスの自動設定
ip=ip::gateway:netmask:hostname:interface:none
静的設定 (例: IPv4
ip=192.0.2.1::192.0.2.254:255.255.255.0:server.example.com:enp1s0:none
)IPv6:
ip=[2001:db8::1]::[2001:db8::fffe]:64:server.example.com:enp1s0:none
ip=ip::gateway:netmask:hostname:interface:method:mtu
オーバーライドを使用した特定インターフェイスの自動設定
-
インターフェイスごとに 1 回ずつ、
- 自動インターフェイスの設定方法
Automatic configuration of a specific interface with an override
方法では、dhcp
などの指定された自動設定メソッドを使用してインターフェイスを開きますが、自動的に取得された IP アドレス、ゲートウェイ、ネットマスク、ホスト名、またはその他の指定されたパラメーターがオーバーライドされます。パラメーターはすべて任意となるため、無効にするパラメーターだけを指定します。method
パラメーターの値は、システム上のdracut.cmdline(7)
man ページを参照してください。注記-
ip
オプションを指定せずに、inst.ks=http://host/path
などのネットワークアクセスを必要とするブートオプションを使用する場合、ip
オプションのデフォルト値はip=dhcp
です。 -
iSCSI ターゲットに自動的に接続するには、
ip=ibft
ブートオプションを使用して、ターゲットにアクセスするネットワークデバイスをアクティブ化します。
nameserver=
-nameserver=
オプションは、ネームサーバーのアドレスを指定します。このオプションは複数回使用できます。注記ip=
パラメーターには角括弧が必要です。ただし、IPv6 アドレスには角括弧が使用できません。IPv6 アドレスに使用する正しい構文はnameserver=2001:db8::1
のようになります。-
bootdev=
-bootdev=
オプションは、ブートインターフェイスを指定します。このオプションは、ip
オプションを複数回使用する場合に必要になります。 ifname=
-ifname=
オプションは、特定の MAC アドレスを持つネットワークデバイスにインターフェイス名を割り当てます。このオプションは複数回使用できます。構文は、ifname=interface:MAC
です。以下に例を示します。ifname=eth0:01:23:45:67:89:ab
ifname=eth0:01:23:45:67:89:ab
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記ifname=
オプションは、インストール中にカスタムのネットワークインターフェイス名を設定する際にサポートされる唯一の方法となります。-
inst.dhcpclass=
-inst.dhcpclass=
オプションは、DHCP のベンダークラス識別子を指定します。dhcpd
サービスでは、この値はvendor-class-identifier
として認識されます。デフォルト値はanaconda-$(uname -srm)
です。inst.dhcpclass=
オプションが正しく適用されるようにするには、インストールの早い段階でip
オプションも追加してネットワークのアクティブ化を要求します。 -
inst.waitfornet=
-inst.waitfornet=SECONDS
ブートオプションを使用すると、インストールシステムがインストール前にネットワーク接続を待機します。SECONDS
引数で指定する値は、ネットワーク接続がない場合でもすぐにはタイムアウトにせず、ネットワーク接続を待ち続け、インストールプロセスを継続する最大秒数を表します。 vlan=
-vlan=
オプションは、仮想 LAN (VLAN) デバイスに特定の名前を付け、指定インターフェイスにそのデバイスを設定するために使用します。構文はvlan=name:interface
です。以下に例を示します。vlan=vlan5:enp0s1
vlan=vlan5:enp0s1
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow これにより、
enp0s1
インターフェイスにvlan5
という名前の VLAN デバイスが設定されます。name は以下のような形式をとります。-
VLAN_PLUS_VID:
vlan0005
-
VLAN_PLUS_VID_NO_PAD:
vlan5
-
DEV_PLUS_VID:
enp0s1.0005
-
DEV_PLUS_VID_NO_PAD:
enp0s1.5
-
VLAN_PLUS_VID:
bond=
-bond=
オプションは、ボンディングデバイスを設定するために使用します。構文はbond=name[:interfaces][:options]
です。name はボンディングデバイス名に置き換え、interfaces は物理 (イーサネット) インターフェイスのコンマ区切りリストに置き換え、options はボンディングオプションのコンマ区切りリストに置き換えます。以下に例を示します。bond=bond0:enp0s1,enp0s2:mode=active-backup,tx_queues=32,downdelay=5000
bond=bond0:enp0s1,enp0s2:mode=active-backup,tx_queues=32,downdelay=5000
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 使用可能なオプションのリストを表示するには、
modinfo bonding
コマンドを実行します。bridge=
-bridge=
オプションは、ブリッジデバイスを設定するために使用します。構文はbridge=name:interfaces
です。ブリッジデバイスの基礎となるインターフェイスとして使用されるように、name はブリッジデバイスの望ましい名前に、interfaces は物理 (イーサネット) デバイスのコンマ区切りリストに置き換えます。以下に例を示します。bridge=bridge0:enp0s1,enp0s2
bridge=bridge0:enp0s1,enp0s2
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
-