第5章 ネットワークベースのリポジトリーの準備
ネットワークシステムから RHEL をインストールするには、リポジトリーを準備する必要があります。
5.1. NFS サーバー上にインストールソースを作成する リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ネットワークベースのインストール用の RHEL インストールファイルをホストするように NFS サーバーを設定できます。これにより、複数のシステムを共有ネットワーク上の場所からインストールできるようになるため、各システムに物理メディアが不要になり、インフラストラクチャー全体への効率的なデプロイが実現します。
前提条件
- Red Hat Enterprise Linux 10 を使用するサーバーに管理者レベルのアクセス権があり、このサーバーが、インストールするシステムと同じネットワーク上にある。
- Product Downloads ページからフルインストール DVD ISO をダウンロードした。
必ず inst.ks と inst.repo で異なるパスを使用してください。NFS を使用してインストールソースをホストする場合、同じ NFS 共有を使用してキックスタートをホストすることはできません。
手順
nfs-utilsパッケージをインストールします。dnf install nfs-utils
# dnf install nfs-utilsCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow -
DVD ISO イメージを、NFS サーバーのディレクトリーにコピーします。この例では、DVD ISO が NFS サーバーの
/nfs/rhel10-install/ディレクトリーにコピーされていることを前提としています。 テキストエディターで
/etc/exportsファイルを開き、以下の構文の行を追加します。/exported_directory/ clients
/exported_directory/ clientsCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - /exported_directory/ を、ISO イメージが含まれるディレクトリーのフルパスに置き換えます。
clients を次のいずれかに置き換えます。
- ターゲットシステムのホスト名または IP アドレス
- すべてのターゲットシステムが ISO イメージへのアクセスに使用できるサブネットワーク
-
NFS サーバーへのネットワークアクセスを持つすべてのシステムが ISO イメージを使用できるようにするためのアスタリスク記号 (
*)
このフィールドの形式に関する詳細は、
exports(5)の man ページを参照してください。たとえば、
/nfs/rhel10-install/ディレクトリーを、すべてのクライアントに対する読み取り専用として使用できるようにする基本設定は次のようになります。/nfs/rhel10-install *
/nfs/rhel10-install *Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
-
/etc/exportsファイルを保存して、テキストエディターを終了します。 firewalld で NFS サービスを有効にします。
firewall-cmd --permanent --add-service nfs firewall-cmd --permanent --add-service=mountd firewall-cmd --permanent --add-service=rpc-bind firewall-cmd --reload
# firewall-cmd --permanent --add-service nfs # firewall-cmd --permanent --add-service=mountd # firewall-cmd --permanent --add-service=rpc-bind # firewall-cmd --reloadCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow nfs サービスを起動します。
systemctl enable --now nfs-server.service
# systemctl enable --now nfs-server.serviceCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow /etc/exportsファイルを変更する前にサービスが稼働していた場合は、NFS サーバーの設定をリロードします。systemctl reload nfs-server.service
# systemctl reload nfs-server.serviceCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ISO イメージは、NFS 経由でアクセス可能になり、インストールソースとして使用できるようになりました。
インストールソースを設定するには、プロトコルに
nfs:を使用し、サーバーのホスト名または IP アドレス、コロン記号(:)、および ISO イメージを保存しているディレクトリーを指定します。たとえば、サーバーのホスト名がmyserver.example.comで、ISO イメージを/nfs/rhel10-install/に保存した場合、指定するインストールソースはnfs:myserver.example.com:/rhel-10-install/となります。