22.5.8. raid
キックスタートコマンドの raid は任意です。ソフトウェアの RAID デバイスを組み立てます。
- 構文
raid mntpoint --level=level --device=device-name partitions*- オプション
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mntpoint - RAID ファイルシステムをマウントする場所です。
/にマウントする場合、boot パーティション (/boot) がなければ RAID レベルは 1 にする必要があります。boot パーティションがある場合は、/bootパーティションをレベル 1 にしてください。ルート (/) パーティションのタイプはどれでも構いません。partitions* (複数パーティションの指定が可能) には RAID アレイに追加する RAID 識別子を指定します。
重要-
IBM Power Systems で RAID デバイスの準備は行ったものの、インストール中に再フォーマットを行っていない場合で、この RAID デバイスに
/bootパーティションおよび PReP パーティションの配置を予定している場合は、RAID メタデータのバージョンが0.90または1.0になっていることを確認してください。mdadmメタデータバージョン1.1および1.2は、/bootおよび PReP パーティションではサポートされていません。 -
PowerNV システムでは、
PRePBoot パーティションは必要ありません。
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--level=- 使用する RAID レベルを指定します (0、1、4、5、6、10 のいずれか)。 --device=- 使用する RAID デバイス名を指定します (例:--device=root)。重要mdraid名をmd0の形式で使用しないでください。このような名前は永続性が保証されていません。代わりに、root、swapなど意味のある名前にしてください。意味のある名前を使用すると、/dev/md/nameから、アレイに割り当てられている/dev/mdXノードへのシンボリックリンクが作成されます。名前を割り当てることができない古い (v0.90 メタデータ) アレイがある場合は、ファイルシステムラベルまたは UUID でアレイを指定できます。たとえば、
--device=LABEL=rootまたは--device=UUID=93348e56-4631-d0f0-6f5b-45c47f570b88です。RAID デバイス上のファイルシステムの UUID または RAID デバイス自体の UUID を使用できます。RAID デバイスの UUID は
8-4-4-4-12形式である必要があります。mdadm によって報告される UUID は、変更する必要がある8:8:8:8形式です。たとえば、93348e56:4631d0f0:6f5b45c4:7f570b88は93348e56-4631-d0f0-6f5b-45c47f570b88に変更する必要があります。-
--chunksize=- RAID ストレージのチャンクサイズを KiB 単位で設定します。場合によっては、デフォルトのサイズ (512 Kib) 以外のチャンクサイズを使用すると、RAID のパフォーマンスが向上することもあります。 -
--spares=- RAID アレイに割り当てられるスペアドライブの数を指定します。スペアドライブは、ドライブに障害が発生した場合にアレイの再設定に使用されます。 -
--fsprofile=- このパーティションにファイルシステムを作成するプログラムに渡される使用タイプを指定します。ファイルシステムの作成時に使用されるさまざまなチューニングパラメーターは、この使用タイプにより定義されます。ファイルシステム側で使用タイプという概念に対応し、有効なタイプを指定する設定ファイルがないと、このオプションは正しく機能しません。ext2、ext3、ext4 の場合、この設定ファイルは/etc/mke2fs.confになります。 -
--fstype=- RAID アレイのファイルシステムタイプを設定します。xfs、ext2、ext3、ext4、swap、およびvfatが使用できる値になります。 -
--fsoptions=- ファイルシステムをマウントする場合に使用するオプションの文字列を自由形式で指定します。この文字列は、インストール後の/etc/fstabファイルにコピーされるため、引用符で囲む必要があります。EFI システムパーティション (/boot/efi) では、anaconda が値をハードコードし、ユーザー指定の--fsoptions値を無視します。 --mkfsoptions=- このパーティションにファイルシステムを作成するプログラムに渡す追加のパラメーターを指定します。引数のリストでは処理が行われないため、mkfs プログラムに直接渡すことが可能な形式で提供する必要があります。つまり、複数のオプションはコンマ区切りにするか、二重引用符で囲む必要があります (ファイルシステムによって異なります)。以下に例を示します。part /opt/foo1 --size=512 --fstype=ext4 --mkfsoptions="-O ^has_journal,^flex_bg,^metadata_csum" part /opt/foo2 --size=512 --fstype=xfs --mkfsoptions="-m bigtime=0,finobt=0"詳細は、作成しているファイルシステムの man ページを参照してください。たとえば、
mkfs.ext4またはmkfs.xfsです。-
--label=- 作成するファイルシステムのラベルを指定します。指定ラベルが別のファイルシステムですでに使用されている場合は、新しいラベルが作成されます。 -
--noformat- 既存の RAID デバイスを使用し、RAID アレイのフォーマットは行いません。 -
--useexisting- 既存の RAID デバイスを使用し、再フォーマットします。 --encrypted---passphraseオプションで入力したパスフレーズを使用して、LUKS (Linux Unified Key Setup) でこの RAID デバイスを暗号化するように指定します。このパスフレーズを指定していない場合、Anaconda はautopart --passphraseコマンドで設定されるデフォルトのシステムワイドパスフレーズを使用します。このデフォルトのパスフレーズも設定されていない場合は、インストールプロセスが中断され、パスフレーズの入力が求められます。注記1 つまたは複数のパーティションを暗号化する際には、安全な暗号化を行うため、Anaconda が 256 ビットのエントロピーを収集しようとします。エントロピーの収集には時間がかかる場合があります。十分なエントロピーが収集されたかどうかにかかわらず、このプロセスは最大 10 分後に終了します。
プロセスは、インストールシステムと対話することにより高速化できます (キーボードで入力またはマウスの移動)。仮想マシンにインストールしている場合は、
virtio-rngデバイス (仮想乱数ジェネレーター) をゲストに登録できます。-
--luks-version=LUKS_VERSION- ファイルシステムの暗号化に使用する LUKS 形式のバージョンを指定します。--encryptedと併用しないと有効ではありません。 -
--cipher=- Anaconda のデフォルトである aes-xts-plain64 では十分ではない場合に使用する暗号化の種類を指定します。--encryptedオプションと併用してください。単独で使用しても暗号化されません。利用可能な暗号化の種類は、セキュリティーの強化 ドキュメントに記載されています。たとえば、aes-xts-plain64です。 -
--passphrase=- この RAID デバイスの暗号化を行う際に使用するパスフレーズを入力します。--encryptedオプションと併用してください。単独で使用しても暗号化されません。 -
--escrowcert=URL_of_X.509_certificate- このデバイス用のデータ暗号化の鍵を/root配下にファイルとして格納します。鍵は、URL_of_X.509_certificate で指定した URL の X.509 証明書を使用して暗号化します。--encryptedと併用しないと有効ではありません。 -
--backuppassphrase- このデバイスにランダムに生成されたパスフレーズを追加します。パスフレーズは/root配下にファイルとして保存し、--escrowcertで指定した X.509 証明書を使用して暗号化されます。--escrowcertと併用しないと有効ではありません。 -
--pbkdf=PBKDF- LUKS 鍵スロット用の PBKDF (Password-Based Key Derivation Function) アルゴリズムを設定します。cryptsetup(8) の man ページも併せて参照してください。--encryptedと併用しないと有効ではありません。 -
--pbkdf-memory=PBKDF_MEMORY- PBKDF のメモリーコストを設定します。cryptsetup(8) の man ページも併せて参照してください。--encryptedと併用しないと有効ではありません。 -
--pbkdf-time=PBKDF_TIME- PBKDF パスフレーズの処理に費やす時間をミリ秒単位で設定します。cryptsetup(8) の man ページの--iter-timeも併せて参照してください。このオプションは、--encryptedが指定される場合に限り有効になり、--pbkdf-iterationsと相互に排他的になります。 -
--pbkdf-iterations=PBKDF_ITERATIONS- 反復の数を直接設定し、PBKDF ベンチマークを回避します。cryptsetup(8) の man ページの--pbkdf-force-iterationsも併せて参照してください。このオプションは、--encryptedが指定されている場合に限り有効になり、--pbkdf-timeと相互に排他的になります。
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mntpoint - RAID ファイルシステムをマウントする場所です。
- 例
以下の例では、
/には RAID レベル 1 のパーティション、/homeには RAID レベル 5 のパーティションを作成しています。各ドライブに 1 つずつ、3 つの swap パーティションを作成します。part raid.01 --size=6000 --ondisk=sda part raid.02 --size=6000 --ondisk=sdb part raid.03 --size=6000 --ondisk=sdc part swap --size=512 --ondisk=sda part swap --size=512 --ondisk=sdb part swap --size=512 --ondisk=sdc part raid.11 --size=1 --grow --ondisk=sda part raid.12 --size=1 --grow --ondisk=sdb part raid.13 --size=1 --grow --ondisk=sdc raid / --level=1 --device=rhel8-root --label=rhel8-root raid.01 raid.02 raid.03 raid /home --level=5 --device=rhel8-home --label=rhel8-home raid.11 raid.12 raid.13- 注記
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LUKS パスフレーズが分からなくなると、暗号化されたパーティションと、その上にあるデータには完全にアクセスできなくなります。分からなくなったパスフレーズを復元する方法はありません。ただし、
--escrowcertを使用して暗号パスフレーズを保存し、--backuppassphraseオプションを使用してバックアップの暗号化パスフレーズを作成できます。
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LUKS パスフレーズが分からなくなると、暗号化されたパーティションと、その上にあるデータには完全にアクセスできなくなります。分からなくなったパスフレーズを復元する方法はありません。ただし、