3.4.4. quotasync コマンドを使用したクォータの同期
GFS2 は、すべてのクォータ情報をディスク上にある独自の内部ファイルに保存します。GFS2 ノードは、ファイルシステムの書き込みごとにこのクォータファイルを更新するのではなく、デフォルトで 60 秒ごとにクォータファイルを更新します。これは、クォータファイルへの書き込みをノード間で行うことを避けるために必要です。このような場合は、パフォーマンスが低下します。
ユーザーまたはグループがクォータ制限に近づくと、GFS2 はクォータファイルの更新の間隔を動的に短縮し、制限を超えないようにします。クォータ同期の間の通常の期間は、調整可能なパラメーターである
quota_quantum
です。表3.2「GFS2 固有のマウントオプション」 で説明しているように、このパラメーターは quota_quantum=
マウントオプションを使用してデフォルト値の 60 秒から変更することができます。quota_quantum
パラメーターは、各ノードごとと、ファイルシステムをマウントするたびに設定する必要があります。quota_quantum への変更は、アンマウント後には永続されません。quota_quantum
値は mount -o remount を使用して更新することができます。
gfs2_quota sync コマンドを使用すると、GFS2 によって実行される自動的な更新と更新の間にクォータ情報をノードからオンディスククォータファイルに同期することができます。
用途
クォータ情報の同期
quotasync [-ug] -a|mntpnt
...
u
- ユーザーのクォータファイルを同期します。
g
- グループのクォータファイルを同期します。
a
- 現在クォータが有効で、同期に対応するすべてのファイルシステムを同期します。-a を指定しない場合は、ファイルシステムのマウントポイントを指定する必要があります。
mntpnt
- 設定が適用される GFS2 ファイルシステムを指定します。
同期間隔の調整
mount -o quota_quantum=secs,remount BlockDevice MountPoint
MountPoint
- 設定が適用される GFS2 ファイルシステムを指定します。
secs
- GFS2 による通常のクォータファイル同期の新しい間隔を指定します。値を小さくすると競合が増え、パフォーマンスが低下する可能性があります。
例
以下の例では、コマンドが実行されるノードのキャッシュ済みダーティクォータすべてをファイルシステム
/mnt/mygfs2
のクォータファイルに同期します。
# quotasync -ug /mnt/mygfs2
以下の例では、ファイルシステム
/mnt/mygfs2
を論理ボリューム /dev/volgroup/logical_volume
に再マウントする時に、そのファイルシステムのクォータファイル定期更新間隔をデフォルト値から 1 時間 (3600 秒) に変更します。
# mount -o quota_quantum=3600,remount /dev/volgroup/logical_volume /mnt/mygfs2