8.10. ファイルシステムおよびストレージ
デバイスマッパーマルチパスは NVMe/TCP ではサポートされていません
nvme-tcp
ドライバーで Device Mapper Multipath を使用すると、コールトレースの警告とシステムの不安定性が発生する可能性があります。この問題を回避するには、NVMe/TCP ユーザーはネイティブ NVMe マルチパスを有効にする必要があり、NVMe で device-mapper-multipath
ツールを使用しないでください。
デフォルトでは、ネイティブ NVMe マルチパスは RHEL 9 で有効になっています。詳細は、Enabling multipathing on NVMe devices を参照してください。
(BZ#2033080)
blk-availability systemd
サービスは、複雑なデバイススタックを非アクティブ化します
systemd
では、デフォルトのブロック非アクティブ化コードは、仮想ブロックデバイスの複雑なスタックを常に正しく処理するとは限りません。一部の設定では、シャットダウン中に仮想デバイスが削除されない場合があり、エラーメッセージがログに記録されます。この問題を回避するには、次のコマンドを実行して、複雑なブロックデバイススタックを非アクティブ化します。
# systemctl enable --now blk-availability.service
その結果、複雑な仮想デバイススタックはシャットダウン中に正しく非アクティブ化され、エラーメッセージは生成されません。
(BZ#2011699)
supported_speeds
の無効な sysfs
値
qla2xxx
ドライバーは、sys fssupported_speeds
属性で サポート されているポート速度の 1 つとして、予想される 64Gb/s ではなく 20Gb/s を報告します。
$ cat /sys/class/fc_host/host12/supported_speeds 16 Gbit, 32 Gbit, 20 Gbit
これにより、HBA が 64Gb/s リンク速度に対応している場合は、sysfs supported_speeds
値が正しくありません。これは sysfs
の supported_speeds
値にのみ影響し、ポートは予想されるネゴシエートされたリンクレートで動作します。
(BZ#2069758)
AMD EPYC システムの Broadcom イニシエーターから NVMe 名前空間に接続できない
デフォルトでは、RHEL カーネルは AMD ベースのプラットフォームで IOMMU を有効にします。その結果、AMD プロセッサーを搭載したサーバーで IOMMU 対応プラットフォームを使用すると、転送長の不一致が原因で I/O が失敗するなどの NVMeI/O の問題が発生する可能性があります。
この問題を回避するには、カーネルコマンドラインオプション iommu=pt
を使用して、パススルーモードで IOMMU を追加します。その結果、AMDEPYC システムの Broadcom イニシエーターから NVMe 名前空間に接続できるようになりました。
(BZ#2073541)