3.12. 動的プログラミング言語、Web サーバー、およびデータベースサーバー
新しいモジュールストリーム: mysql:8.4
MySQL 8.4 が新しいモジュールストリーム mysql:8.4
として利用できるようになりました。以前のバージョン 8.0 からの主な機能拡張は次のとおりです。
- パスワード管理の機能拡張: 管理者は、パスワードの有効期限、長さ、強度、再利用ポリシー、その他のパスワード関連の設定を適用できるようになりました。
-
認証: セキュリティーを強化するために、
caching_sha2_password
プラグインがデフォルトとなり、mysql_native_password
プラグインに置き換わりました。 -
バックアップの互換性:
mysqldump
ユーティリティーは、--output-as-version
オプションを提供するようになりました。これにより、論理バックアップが古い MySQL バージョンと互換性を持つようになります。 -
EXPLAIN
: このステートメントは結果を JSON 形式で表示できるようになりました。 非推奨および削除: 以前に非推奨とされていた次の機能は削除されました。
-
mysqlpump
ユーティリティー -
mysql_native_password
認証プラグイン -
mysql_upgrade
ユーティリティー
-
MySQL 8.4 の変更点の詳細は、MySQL 8.0 と MySQL 8.4 の主な違い を参照してください。
MariaDB の詳細は、MariaDB の使用 を参照してください。
mysql:8.4
ストリームをインストールするには、以下を入力します。
dnf module install mysql:8.4
# dnf module install mysql:8.4
MySQL 8.0 からアップグレードする場合は、MySQL 8.0 から MySQL 8.4 へのアップグレード を参照してください。
mysql
モジュールストリームのサポート期間の詳細は、Red Hat Enterprise Linux Application Streams のライフサイクル を参照してください。
Jira:RHEL-68305[1]
ARGON2
パスワードハッシュが PHP 8.3 でサポートされる
PHP 8.3 が php:8.3
モジュールストリームとして利用できるようになりました。この機能拡張により、openssl エクステンションによって提供される ARGON2I
および ARGON2ID
パスワードハッシュアルゴリズムのサポートが利用できるようになりました。
nginx 1.26
モジュールストリームが利用可能になる
nginx 1.26
モジュールストリームには、さまざまなバグ修正と機能拡張が含まれています。主な変更点は、以下のとおりです。
- HTTP/2 サポートがサーバーごとに利用できるようになる。
- ストリームモジュールで仮想サーバーを使用できるようになる。
- ストリーム接続が listen ソケットに渡されるようになる。
- 一部の複雑な設定で起動パフォーマンスが改善される。
インスタンス化されたサービスのサポートが利用可能になる。
nginx@.service
ユニットは、インスタンス化されたテンプレートサービスです。このユニットのインスタンスは、/etc/nginx/<INSTANCE>.conf
設定ファイルを使用します。ここで、INSTANCE はインスタンス名に置き換えられます。nginx
サーバーの複数のインスタンスを同時に実行できるようにするには、以下の設定を変更する必要があります。- pid
- access_log
- error_log は競合しないパスを選択し、listen は異なるポートを選択します。
このような変更を行う方法を理解するには、設定ファイル /usr/share/doc/nginx/instance.conf
の例を確認します。
Jira:RHEL-73508[1]
新しい php:8.3
モジュールストリームが利用可能になる
RHEL 9.6 では、PHP 8.3 が新しい php:8.3
モジュールストリームとして追加されます。主な機能拡張は、次のとおりです。
- 型指定されたクラス定数
- 動的クラス定数の取得
-
新しい
#[\Override]
属性 - readonly プロパティーのディープクローニング
php:8.3
モジュールストリームをインストールするには、次のコマンドを使用します。
dnf module install php:8.3
# dnf module install php:8.3
詳細は、以下の資料を参照してください。
php:8.2
ストリームからアップグレードする場合は、後のストリームへの切り替え を参照してください。
Jira:RHEL-21448[1]