第1章 概要


1.1. RHEL 9.6 における主な変更点

インストーラーおよびイメージの作成

RHEL インストーラーの主なハイライト:

  • オプションを選択解除しない限り、新しく作成されたユーザーにはデフォルトで管理者権限が与えられます。
  • タイムゾーンマップの代わりに新しいオプションを使用して、必要なタイムゾーンを設定できるようになりました。

RHEL Image Builder の主なハイライト:

  • RHEL Image Builder を使用して、高度なパーティションでディスクイメージを作成できます。
  • ブループリントをカスタマイズして、ISO イメージのビルド時にキックスタートファイルの注入を有効化できます。
  • AWS や KVM などのディスクイメージには、個別の /boot パーティションはありません。

詳細は、新機能 - インストーラーとイメージの作成 を参照してください。

RHEL for Edge

RHEL for Edge の主なハイライト:

  • RHEL for Edge には、デフォルトで dnsmasq パッケージが含まれなくなりました。
  • 次のイメージタイプをビルドするときに、ブループリントにファイルシステムのカスタマイズを追加できるようになりました。
  • simplified-installer
  • edge-raw-image
  • edge-ami
  • edge-vsphere
  • FIPS 準拠の RHEL for Edge イメージを作成できるようになりました。
  • Sqlite または Postgresql データベースから Owner Vouchers を保存してクエリーすることにより、テクノロジープレビューとして利用可能な FDO オンボーディングプロセスを使用できるようになりました。

詳細は、新機能 - RHEL for Edge を参照してください。

セキュリティー

新しい sudo RHEL システムロール を使用すると、RHEL システム全体で sudo 設定を大規模に一貫して管理できます。

OpenSSL TLS ツールキットがバージョン 3.2.2 にアップグレードされました。OpenSSL は、証明書圧縮エクステンション (RFC 8879) をサポートするようになり、Brainpool 曲線が TLS 1.3 プロトコル (RFC 8734) に追加されました。

ca-certificates プログラムは、OpenSSL ディレクトリー形式で信頼できる CA ルートを提供するようになりました。

crypto-policies パッケージが更新され、Java でのアルゴリズム選択の制御が拡張されました。

SELinux ポリシーでは、QEMU ゲストエージェントが制限されたコマンドを実行できるようにするブール値が提供されるようになりました。

NSS 暗号化ツールキットパッケージがアップストリームバージョン 3.101 にリベースされました。

詳細は、新機能 - セキュリティー を参照してください。

カーネル

このリリースでは、カーネルの安定性、パフォーマンス、および機能に重要な更新が行われています。POSIX_FADV_NOREUSE に関連する MADV_RANDOM パフォーマンスに影響を与える最近の変更は、アプリケーションの期待される動作を維持するために元に戻されました。

eBPF 機能は、Linux カーネルバージョン 6.12 に合わせて更新され、TPM_TIS はアップストリーム 6.7 にリベースされ、Lenovo ハードウェアのサポートが強化されました。さらに、kdump がバージョン 6.10 にリベースされました。

NVMf-FC kdump は、kexec-tools を実行するために IBM Power システムをサポートするようになりました。

cgroup v2 では、/proc/cgroups ファイルは非推奨となり、cgroup サブシステムの情報は cgroup.stat ファイルが正式な情報源となります。

このリリースで導入された機能と既存の機能の変更の詳細は、新機能 - カーネル を参照してください。

動的プログラミング言語、Web サーバー、およびデータベースサーバー

次の Application Streams の新しいバージョンが利用可能になりました。

  • Apache HTTP Server 2.4.62
  • Node.js 22

詳細は、新機能 - 動的プログラミング言語、Web サーバー、およびデータベースサーバー、および テクノロジープレビュー - 動的プログラミング言語、Web サーバー、およびデータベースサーバー を参照してください。

コンパイラーおよび開発ツール

更新されたシステムツールチェーン

以下のシステムツールチェインコンポーネントが更新されました。

  • GCC 11.5
  • Annobin 12.92
パフォーマンスツールとデバッガーの更新

RHEL 9.6 では、以下のパフォーマンスツールおよびデバッガーが更新されました。

  • GDB 14.2
  • Valgrind 3.24.0
  • SystemTap 5.2
  • elfutils 0.192
  • libabigail 2.6
更新されたパフォーマンスモニタリングツール

RHEL 9.6 では、以下のパフォーマンスモニタリングツールが更新されました。

  • PCP 6.3.7
  • Grafana 10.2.6
更新されたコンパイラーツールセット

次のコンパイラーツールセットが RHEL 9.6 で更新されました。

  • GCC Toolset 14
  • LLVM Toolset 19.1.7
  • Rust Toolset 1.84.1
  • Go Toolset 1.23

詳しい変更点は、新機能 - コンパイラーと開発ツール を参照してください。

Red Hat Enterprise Linux システムロール

9.6 RHEL システムロールの主な新機能:

  • 新しい RHEL システムロール aide を使用すると、ファイル、ディレクトリー、およびシステムバイナリーに対する不正な変更を検出できます。
  • systemd RHEL システムロールを使用すると、システムユニットに加えてユーザーユニットを管理できるようになりました。
  • ha_cluster RHEL システムロールを使用して、既存クラスターの corosync 設定をロールに戻して同じクラスターを作成できる形式でエクスポートできます。
  • podman RHEL システムロールを使用して、Pod タイプの quadlet ユニットを管理できます。
  • metrics RHEL システムロールは、Redis の代わりに Valkey をサポートするようになりました。

詳細は、新機能 - Red Hat Enterprise Linux システムロール を参照してください。

クラウド環境の RHEL

OpenTelemetry フレームワークを使用して、RHEL クラウドインスタンスからログ、メトリクス、トレースなどのテレメトリーデータを収集し、そのデータを AWS CloudWatch などの外部分析サービスに送信できるようになりました。

詳細は、新機能 - クラウド環境の RHEL を参照してください。

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