2.2. データベースサーバーのインストール
各 OpenStack コンポーネントには、実行中の MariaDB データベースサービスが必要です。全 Red Hat OpenStack Platform サービスをデプロイしたり、単一の OpenStack コンポーネントをインストールしたりする前に、データベースサービスをデプロイしてください。
2.2.1. MariaDB データベースパッケージのインストール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
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MariaDB データベースサーバーには以下のパッケージが必要です。
- mariadb-galera-server
- MariaDB データベースサービスを提供します。
- mariadb-galera-common
- MariaDB サーバーの共有ファイルを提供します。このパッケージは、mariadb-galera-server パッケージの依存関係としてインストールされます。
- galera
- Galera wsrep (Write Set REPlication) provider をインストールします。このパッケージは、mariadb-galera-server パッケージの依存関係としてインストールされます。
パッケージをインストールします。
yum install mariadb-galera-server
# yum install mariadb-galera-server
2.2.2. データベースのトラフィックを許可するためのファイアウォール設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
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OpenStack 環境のすべてのコンポーネントは、データベースサーバーを使用し、そのデータベースにアクセスできる必要があります。データベースサービスをホストするサーバーのファイアウォールは、必要なポートでのネットワークトラフィックを許可するように設定する必要があります。以下の手順に記載するステップはすべて、データベースサービスをホストするサーバーに
root
ユーザーとしてログインして実行する必要があります。
手順2.3 データベースのトラフィックを許可するためのファイアウォール設定
- テキストエディターで
/etc/sysconfig/iptables
ファイルを開きます。 - このファイルに、ポート
3306
で TCP トラフィックを許可する INPUT ルールを追加します。新規ルールは、トラフィックを REJECT する INPUT ルールよりも前に記載する必要があります。-A INPUT -p tcp -m multiport --dports 3306 -j ACCEPT
-A INPUT -p tcp -m multiport --dports 3306 -j ACCEPT
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow /etc/sysconfig/iptables
ファイルへの変更を保存します。iptables
サービスを再起動して、変更を有効にします。systemctl restart iptables.service
# systemctl restart iptables.service
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2.2.3. データベースサービスの起動 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
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以下の手順に記載するステップはすべて、データベースサービスをホストするサーバーに
root
ユーザーとしてログインして実行する必要があります。
手順2.4 データベースサービスの起動
mariadb
サービスを起動します。systemctl start mariadb.service
# systemctl start mariadb.service
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow mariadb
サービスがブート時に起動するように設定します。systemctl enable mariadb.service
# systemctl enable mariadb.service
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2.2.4. データベース管理者アカウントの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
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デフォルトでは、MariaDB は
root
というデータベースユーザーを作成します。これにより、MariaDB サーバーがインストールされているマシンから MariaDB サーバーへのアクセスが提供されます。MariaDB サービスをホストするサーバーにセキュアにアクセスするには、このアカウントにパスワードを設定する必要があります。また、MariaDB サーバーがインストールされているマシン以外のマシンから MariaDB サーバーにアクセスする必要がある場合には、MariaDB サーバーへのアクセスを有効化する必要があります。インストール時に作成された匿名ユーザーおよびテストデータベースは削除することを推奨します。
手順2.5 データベース管理者アカウントの設定
- MariaDB サービスがインストールされているマシンにログインします。
mysql_secure_installation
を使用してroot
パスワードの設定、リモートの root ログインの許可、匿名ユーザーアカウントおよびテストデータベースの削除を行います。mysql_secure_installation
# mysql_secure_installation
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注記
必要に応じて、データベースユーザーのパスワードを変更します。以下の例で、OLDPASS はユーザーの既存のパスワードに、NEWPASS は新規パスワードに置き換えてください。ただし、
-p
と古いパスワードの間にはスペースをあけないようにしてください。
mysqladmin -u root -pOLDPASS password NEWPASS
# mysqladmin -u root -pOLDPASS password NEWPASS
2.2.5. 接続性のテスト リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
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データベースユーザーアカウントが正しく設定されていることを確認するには、MariaDB データベースがインストールされているマシン (ローカルの接続性)、および MariaDB サーバーがインストールされているのとは別のマシン (リモートの接続性) から、そのユーザーアカウントの MariaDB サーバーとの接続性をテストします。
2.2.5.1. ローカルの接続性のテスト リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
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MariaDB サービスがインストールされているマシンからデータベースサービスをホストするサーバーに接続できるかどうかをテストします。
手順2.6 ローカルの接続性のテスト
- データベースサービスに接続します。
USER
は接続先のユーザー名に置き換えます。mysql -u USER -p
# mysql -u USER -p
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - プロンプトが表示されたら、データベースユーザー名を入力します。
Enter password:
Enter password:
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データベースユーザーのパーミッションが正しく設定されている場合には、接続が成功して MariaDB の Welcome 画面とプロンプトが表示されます。データベースユーザーのパーミッションが正しく設定されていない場合には、そのデータベースユーザーにはデータベースサーバーへの接続が許可されていないことを示すエラーメッセージが表示されます。
2.2.5.2. リモートの接続性のテスト リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
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データベースサーバーがインストールされているのとは別のマシンから MariaDB サーバーへの接続が可能かどうかをテストします。
手順2.7 リモートの接続性のテスト
- MySQL クライアントツールをインストールします。
yum install mysql
# yum install mysql
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - データベースサービスに接続します。USER はデータベースのユーザー名、HOST はデータベースサービスをホストするサーバーの IP アドレスまたはホスト名に置き換えます。
mysql -u USER -h HOST -p
# mysql -u USER -h HOST -p
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - プロンプトが表示されたら、データベースユーザー名を入力します。
Enter password:
Enter password:
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データベースユーザーのパーミッションが正しく設定されている場合には、接続が成功して MariaDB の Welcome 画面とプロンプトが表示されます。データベースユーザーのパーミッションが正しく設定されていない場合には、そのデータベースユーザーにはデータベースサーバーへの接続が許可されていないことを示すエラーメッセージが表示されます。