第14章 リソースの監視
本章では、管理システムの監視とレポーティングの設定方法について説明します。これには、ホストの設定やコンテンツビュー、コンプライアンス、サブスクリプションと現在登録されているホスト、プロモーションおよび同期が含まれます。
14.1. Red Hat Satellite コンテンツダッシュボードの使用
Red Hat Satellite コンテンツダッシュボードには、ホストの設定の概要やコンテンツビュー、コンプライアンスレポート、サブスクリプションと現在登録されているホストの状態についての概要や、プロモーションおよび同期の概要、さらに最新の通知リストなどを提供する各種ウィジェットが含まれています。
コンテンツダッシュボードにアクセスするには、監視 > ダッシュボード に移動します。ダッシュボードは、各ウィジェットをクリックして別の位置にドラッグすることで、配置を変更することができます。以下のウィジェットが利用できます。
- ホスト設定の状態
最後のレポーティング期間におけるホストの設定状態およびそれに該当するホスト数。以下の表では、各設定状態を説明しています。
表14.1 ホスト設定の状態 アイコン 状態 説明 変更をエラーなく実行したホスト
最後のレポーティング期間に変更が正常に実行されたホスト。
エラー状態のホスト
最後のレポーティング期間にエラーが検出されたホスト。
直近 35 分間での良好なホストレポート
直近の 35 分間で変更を行わず、エラーがないホスト。
保留中の変更があるホスト
いくつかのリソースが適用されているものの、Puppet が
noop
モードで実行されるように設定されたホスト。同期していないホスト
同期がされておらず、最後のレポーティング期間にレポートが受信されていないホスト。
レポートのないホスト
最後のレポーティング期間にレポートが受信されていないホスト。
警告が無効にされているホスト
監視対象外のホスト。
設定状態のいずれかをクリックすると、該当するホストが表示されます。
- ホスト設定チャート
- ホスト状態の割合と該当するホストのパーセンテージを示す円グラフです。
- 最新イベント
管理情報、製品、サブスクリプションの変更およびエラーに関するホストが生成するメッセージのリストです。
すべてのユーザーに送信されるグローバル通知や、異常なアクティビティーまたはエラーを検出するためにこのセクションを監視します。
- 実行分布 (直近 30 分)
- デフォルトでは 30 分となっている直近の Puppet 間隔中の実行中 Puppet エージェントの分布状況を示すグラフです。このケースでは、各コラムで 3 分間にクライアントから受け取ったレポート数を示しています。
- 新規ホスト
- 最近作成されたホストリストです。ホストをクリックすると、詳細が表示されます。
- タスクのステータス
- ステータスと結果別に分類される現在のすべてのタスクのサマリーです。タスク番号をクリックすると、対応するタスクのリストが表示されます。
- 最新の警告/エラータスク
- 警告またはエラーにより停止している最新タスクのリストです。タスクをクリックして詳細を確認してください。
- 検出されたホスト
- 検出プラグインによってプロビジョニングネットワークで検出されたベアメタルホストのリストです。
- 最新のエラータ
- Satellite に登録されているホストで利用できるすべてのエラータのリストです。
- コンテンツビュー
- Satellite におけるすべてのコンテンツビューおよびそれらの公開状態のリストです。
- 同期の概要
- Satellite で有効にされているすべての製品またはリポジトリーおよびそれらの同期の状態の概要です。同期待ちになっている製品、同期されていない製品、同期が行われた製品はすべてこのセクションにリスト表示されます。
- ホストサブスクリプションの状態
Satellite に登録されているホストによって現在使用されているサブスクリプションの概要です。サブスクリプションとはご購入いただいた証明書を指します。このサブスクリプションでホストのソフトウェア、アップグレード、およびセキュリティー修正などが利用できるようになります。以下の表はサブスクリプションの状態の種類を示しています。
表14.2 ホストのサブスクリプションの状態 アイコン 状態 説明 無効
製品がインストールされていて、サブスクリプションが適切に使用されていないホストです。これらのホストには早急な対応が必要です。
部分使用
サブスクリプションが使用されていて、有効なエンタイトルメントを持つホストですが、それらのエンタイトルメントは完全には使用されていません。これらのホストが予定通りに設定されていることを確認するために、これらのホストを監視する必要があります。
有効
有効なエンタイトルメントを有し、それらのエンタイトルメントを完全に使用しているホストです。
サブスクリプションタイプを選択し、選択したタイプのサブスクリプションに関連付けられたホストを表示します。
- サブスクリプションのステータス
- アクティブなサブスクリプションの数、次の 120 日で期限の切れるサブスクリプションの数、および最近期限切れになったサブスクリプションの数を表示する現在のサブスクリプション合計の概要です。
- ホストコレクション
- Satellite 内のすべてのホストコレクションとそれらの状態のリストで、各ホストコレクション内のコンテンツホストの数なども含まれます。
- Virt-who 設定の状態
環境内のホスト上で稼働している
virt-who
デーモンから受け取ったレポートの状態。以下の状態があります。表14.3 Virt-who 設定状態 状態 説明 レポートなし
virt-who 設定デプロイメント中にエラーが発生したか、設定がデプロイされていないか、もしくは予定された期間に virt-who が Satellite に接続できないか、いずれかのためにレポートが受信されていません。
変更なし
ハイパーバイザーが仮想マシン上で変更を検出していない、または virt-who が予定された期間中にレポートのアップロードに失敗したために、レポートが受信されていません。仮想マシンを追加したものの、設定が 変更なし 状態にある場合は、その virt-who が実行中か確認してください。
OK
予定期間中にエラーなしでレポートが受信されました。
設定合計数
virt-who 設定の合計数。
各状態の設定を表示するには、その設定状態をクリックします。
このウィジェットでは、変更のない最新の設定 にある 変更なし で最新の 3 つの設定もリスト表示されます。
- 最新のコンプライアンスレポート
- 最新のコンプライアンスレポートリスト。各コンプライアンスレポートでは、パス (P)、不合格 (F)、その他 (O) のルール数が表示されます。ホストをクリックすると、コンプライアンスレポートの詳細が表示されます。ポリシーをクリックすると、その詳細が表示されます。
- コンプライアンスレポートの内訳
- コンプライアンスレポートの状態の分布を示す円グラフです。
- Red Hat Insights アクション
- Red Hat Insights は Satellite に組み込まれたツールで、環境をチェックし、実行可能なアクションを提案します。アクションは、可用性、安定性、パフォーマンス、セキュリティーの 4 つに分けられます。
- Red Hat Insights リスクサマリー
リスクレベルに応じたアクションの分布を示す表です。リスクレベルは、アクションの重要性と問題を発生させる可能性を示しています。リスクレベルには、低、中、高、重大があります。
注記Satellite Web UI で表示される日付の形式を変更することはできません。
14.1.1. タスクの管理
Red Hat Satellite は、同期されたリポジトリー、適用されたエラータ、公開されたコンテンツビューなどの計画されたタスクまたは実行されたタスクのすべての詳細なログを保持します。ログを確認するには、監視 > タスク に移動します。
タスクウィンドウでは、特定のタスクを検索し、そのステータス、詳細、およびタスクが開始してからの経過時間を表示できます。1 つ以上のタスクをキャンセルして再開することもできます。
タスクは Dynflow エンジンを使用して管理されます。リモートタスクには、必要に応じて調整できるタイムアウトが設定されます。
タイムアウト設定を調整するには、以下を実行します。
- 管理 > 設定 に移動します。
- 検索ボックスに %_timeout を入力し、検索 をクリックします。検索では、説明を含む 4 つの設定が返されます。
- 値 のコラムで、数字の横にあるアイコンをクリックして編集します。
- 希望する秒数を入力したら、保存 をクリックします。
低帯域幅の場合は %_finish_timeout 値の編集が役に立つ場合があります。待ち時間が長い場合は %_accept_timeout 値の編集が役立つことがあります。
タスクが初期化されると、Candlepin または Pulp などのタスクで使用されるすべてのバックエンドサービスについて正常に機能するかどうかがチェックされます。チェックにパスしない場合は、次のようなエラーを受信します。
There was an issue with the backend service candlepin: Connection refused – connect(2).
バックエンドサービスチェック機能で問題が発生する場合は、以下の方法で無効にできます。
サービスのチェックを無効にするには、以下を実行します。
- 管理 > 設定 に移動します。
- 検索ボックスに check_services_before_actions を入力し、検索 をクリックします。
- 値 コラムでアイコンをクリックして値を編集します。
- ドロップダウンメニューから false を選択します。
- Save をクリックします。