7.8. Discovery イメージの構築
Discovery イメージは、ホストで PXE ブートして、ハードウェアの情報を取得し、Satellite にチェックインする必要最小限のオペレーティングシステムです。検出されたホストは、Anaconda で再起動されるまで Discovery イメージを実行し続け、プロビジョニングプロセスを開始します。
オペレーティングシステムイメージは Red Hat Enterprise Linux 7 をベースにしています。
foreman-discovery-image
パッケージには、このイメージが含まれます。TFTP サービスを提供する Capsule にパッケージをインストールする必要があります。
この手順を使用して、Satellite Discovery イメージを構築するか、設定ファイルを変更した場合にはイメージを再構築します。
この手順は、実稼働の Satellite または Capsule で実行しないでください。専用の環境を使用するか、同期済みのリポジトリーと、キックスタートファイルを別のサーバーにコピーしてください。
前提条件
livecd-tools
パッケージをインストールしておく。# satellite-maintain packages install livecd-tools
検出イメージをビルドする必要のある以下の Red Hat Enterprise Linux 7 リポジトリーでは、ダウンロードポリシーを Immediate に変更します。Satellite は、ダウンロードポリシーが即時に設定されている場合にリポジトリー同期中にのみ全パッケージをダウンロードするので、この設定が必要です。
- 最新の Red Hat Enterprise Linux 7 キックスタート リポジトリーを同期します。(例: Red Hat Enterprise Linux 7 Server Kickstart x86_64 7.7)
- Red Hat Satellite Capsule 6.7(RHEL 7 Server RPMs x86_64 用)
ダウンロードポリシーの変更に関する詳細は、『 コンテンツ管理ガイド』 の「リポジトリーのダウンロードポリシーの変更 」を参照してください。
検出イメージのビルドに必要な以下の Red Hat Enterprise Linux 7 リポジトリーを同期します。
- 最新の Red Hat Enterprise Linux 7 キックスタート リポジトリーを同期します。(例: Red Hat Enterprise Linux 7 Server Kickstart x86_64 7.7)
- Red Hat Satellite Capsule 6.7(RHEL 7 Server RPMs x86_64 用)
リポジトリーの同期に関する詳細は、『 コンテンツ管理ガイド』 の「 Red Hat リポジトリーの同期 」を参照してください。
手順
Satellite 検出イメージをビルドするには、以下の手順を実行します。
/usr/share/foreman-discovery-image/foreman-discovery-image.ks
ファイルを開いて編集します。# vim /usr/share/foreman-discovery-image/foreman-discovery-image.ks
キックスタートファイルの
repo
の行は、リポジトリーの URL に置き換えます。repo --name=rhel --baseurl=file:///var/lib/pulp/published/yum/https/repos/Default_Organization/Library/content/dist/rhel/server/7/7.7/x86_64 repo --name=sat --baseurl=file:///var/lib/pulp/published/yum/https/repos/Default_Organization/Library/content/dist/rhel/server/7/7Server/x86_64/sat-capsule/6.7/os
livecd-creator
ツールを実行します。# livecd-creator --title="Discovery-Image" \ --compression-type=xz \ --cache=var/cache/build-fdi \ --config /usr/share/foreman-discovery-image/foreman-discovery-image.ks \ --fslabel fdi \ --tmpdir /var/tmp
--fslabel
オプションでfdi
を変更した場合には、イメージの読み込み時に kernel コマンドラインの root ラベルを変更する必要があります。fdi
または別の名前を、この手順の一部で作成した.iso
ファイルに追加します。PXE Discovery ツールは、.iso
から PXE に変換時に、この名前を使用します。このプロセスには 3 GB 近くの容量が必要で、システムの swap 領域が少ない場合に
/tmp
で問題が発生する可能性があるので、/var/tmp
を使用します。fdi.iso
ファイルが作成されていることを確認します。# ls *.iso -h
.iso
ファイルを作成した場合には、.iso
ファイルをネットワークでもローカルでも起動できます。以下の手順のいずれかを実行してください。
ネットワーク経由で iso ファイルを起動する場合:
ネットワーク経由で初期の ramdisk と kernel ファイルを
.iso
ファイルから抽出するには、以下のコマンドを入力します。# discovery-iso-to-pxe fdi.iso
ブートファイルを保存するディレクトリーを作成します。
# mkdir /var/lib/tftpboot/boot/myimage
-
initrd0.img
およびvmlinuz0
ファイルを新しいディレクトリーにコピーします。 -
/var/lib/tftpboot/pxelinux.cfg
ファイルでKERNEL
とAPPEND
エントリーを編集して、独自の初期 ramdisk および kernel ファイルに関する情報を追加します。
ローカルで iso ファイルを起動する場合:
ローカルで起動するハイブリッドの .iso
ファイルを作成する場合には、以下の手順を行います。
.iso
ファイルを.iso
のハイブリッドファイルに変換して PXE プロビジョニングを行うには、以下のコマンドを入力します。# isohybrid --partok fdi.iso
grub2
パッケージをインストールする場合には、以下のコマンドを使用して、grub2
ブートローダーにインストールすることも可能です。# isohybrid --partok --uefi fdi.iso
md5
チェックサムを.iso
ファイルに追加して、Satellite でインストールメディアのバリデーションテストに合格するには、以下のコマンドを入力します。# implantisomd5 fdi.iso