第10章 Red Hat Virtualization での仮想マシンのプロビジョニング
Red Hat Virtualization は、エンタープライズレベルのサーバーおよびデスクトップ仮想化プラットフォームです。Red Hat Satellite では、Red Hat Virtualization の REST API 経由で仮想化機能を管理できます。これには、仮想マシンの作成および電源状態の制御が含まれます。
Red Hat Virtualization のプロビジョニングを使用して、ネットワーク接続経由か、既存のイメージをもとに仮想マシンを作成できます。
cloud-init
を使用して、プロビジョニングする仮想マシンを設定できます。cloud-init
を使用すると、管理対象の DHCP と TFTP など、ネットワークで特別な設定を回避し、仮想マシンのインストールを完了できます。この手法では、Satellite は、 SSH を使用して終了スクリプトを実行し、プロビジョニングした仮想マシンに接続する必要はありません。
前提条件
- Red Hat Enterprise Linux の同期済みのコンテンツリポジトリー。詳細は、『 コンテンツ管理ガイド』 の「 Red Hat リポジトリーの同期 」を参照してください。
- ホスト登録用のアクティベーションキー。詳細は、『 コンテンツ管理 ガイド』の「 アクティベーションキーの作成 」を参照してください。
- Red Hat Virtualization 環境で、論理ネットワークを管理する Capsule Server。Capsule Server との競合を避けるために他の DHCP サービスがこのネットワークで実行されていないことを確認します。詳細は、3章ネットワークの設定 を参照してください。
-
イメージベースのプロビジョニングを使用する場合の、
blank
テンプレート以外の既存のテンプレート。仮想マシンのテンプレートを作成する方法についての詳細は、『Virtual Machine Management Guide』の「Templates」を参照してください。 Satellite Server との通信に使用する Red Hat Virtualization で管理者に相当するユーザー。この通信には、
admin@internal
ユーザーを使用しないでください。代わりに、以下のパーミッションで新しい Red Hat Virtualization ユーザーを作成します。- システム > システムの設定 > ログインパーミッション
- ネットワーク > vNIC プロファイルの設定 > 作成
- ネットワーク > vNIC プロファイルの設定 > プロパティーの編集
- ネットワーク > vNIC プロファイル > 削除
- ネットワーク > vNIC プロファイル > vNIC プロファイルの仮想マシンへの割り当て
- ネットワーク > vNIC プロファイル > vNIC プロファイルのテンプレートへの割り当て
- テンプレート > 操作のプロビジョニング > インポート/エクスポート
- VM > 操作のプロビジョニング > 作成
- VM > 操作のプロビジョニング > 削除
- VM > 操作のプロビジョニング > インポート/エクスポート
- VM > 操作のプロビジョニング > ストレージの編集
- ディスク > 操作のプロビジョニング > 作成
ディスク > ディスクプロファイル > ディスクプロファイルのアタッチ
Red Hat Virtualization で新規ユーザーを作成し、パーミッションを追加する方法の詳細は、『Red Hat Virtualization Administration Guide』の「Administering User Tasks From the Administration Portal」を参照してください。
手順の概要
- 「Satellite Server への Red Hat Virtualization 接続の追加」
-
オプション: 「Red Hat Virtualization での Cloud-init イメージの準備」
cloud-init
を使用してイメージベースの仮想マシンを設定するには、この手順を使用します。 - オプション: 「Satellite Server への Red Hat Virtualization イメージの追加」イメージベースのプロビジョニングを使用する場合にはこの手順を使用します。
-
オプション: 「cloud-init テンプレートの準備」
cloud-init
を使用してイメージベースの仮想マシンを設定するには、この手順を使用します。 - 「Red Hat Virtualization の詳細のコンピュートプロファイルへの追加」
- 「Red Hat Virtualization でのホストの作成」
10.1. Satellite Server への Red Hat Virtualization 接続の追加
この手順を使用して、Red Hat Virtualization を Satellite のコンピュートリソースとして追加します。
手順
- Satellite Web UI で インフラストラクチャー > コンピュートリソース に移動して、コンピュートリソースの作成 をクリックします。
- 名前 フィールドには、新規コンピュートリソースの名前を入力します。
- プロバイダー の一覧から RHV を選択します。
- 説明 フィールドには、コンピュートリソースの説明を入力します。
-
URL フィールドに、Red Hat Virtualization Manager の API の接続 URL を
https://rhv.example.com/ovirt-engine/api/v3
の形式で入力します。 - オプションで APIv4 の使用 のチェックボックスを選択して、新しい Red Hat Virtualization Manager API を評価します。
- ユーザー フィールドには、ユーザー名と、Red Hat Virtualization Manager のリソースにアクセスするためのパーミッションを入力します。
- パスワード フィールドで、ユーザーのパスワードを入力します。
- データセンターのロード をクリックして、データセンター リストに Red Hat Virtualization 環境のデータセンターを入力します。
- データセンター リストからデータセンターを選択します。
- クォータ ID から Satellite Server で利用可能なリソースを制限するためにクォータを選択します。
- X509 証明機関 フィールドには、SSL/TLS アクセスの証明機関を入力します。または、フィールドを空白にすると、サーバーによる最初の API 要求時に、自己署名証明書が生成されます。
- ロケーション タブをクリックして、使用するロケーションを選択します。
- 組織 タブをクリックして、使用する組織を選択します。
- 送信 をクリックしてコンピュートリソースを保存します。
CLI をご利用の場合
--provider
でOvirt
を、--datacenter
で使用するデータセンター名を指定して、hammer compute-resource create
コマンドを入力します。# hammer compute-resource create \ --name "My_RHV" --provider "Ovirt" \ --description "RHV server at rhv.example.com" \ --url "https://rhv.example.com/ovirt-engine/api" \ --use-v4 "false" --user "Satellite_User" \ --password "My_Password" \ --locations "New York" --organizations "My_Organization" \ --datacenter "My_Datacenter"
オプションで新規 Red Hat Virtualization Manager API を評価するには、
--use-v4
オプションをfalse
からtrue
に変更します。