第5章 ネットワーク接続設定の設定
本章では、ネットワーク接続設定のさまざまな設定について説明し、NetworkManager を使用して設定する方法を説明します。
5.1. 802.3 リンクセッティングの設定
以下の設定パラメーターを修正して、イーサネット接続の 802.3 リンク設定を設定できます。
802-3-ethernet.auto-negotiate
802-3-ethernet.speed
802-3-ethernet.duplex
802.3 リンクセッティングを、以下の 3 つの主要モードに設定できます。
- リンクネゴシエーションを無視する
- オートネゴシエーションを強制的にアクティブ化する
- リンク設定
speed
およびduplex
を手動で設定する
リンクネゴシエーションを無視する
この場合、NetworkManager はイーサネット接続のリンク設定を無視し、デバイス上の設定を維持します。
リンクネゴシエーションを無視するには、次のようにパラメーターを設定します。
802-3-ethernet.auto-negotiate = no 802-3-ethernet.speed = 0 802-3-ethernet.duplex = NULL
重要
auto-negotiate
パラメーターが no
に設定されていても、speed
および duplex
の値が設定されていない場合、これはオートネゴシエーションが無効になっているわけではありません。
オートネゴシエーションを強制的にアクティブ化する
この場合、NetworkManager はデバイスでオートネゴシエーションを強制的に実行します。
オートネゴシエーションを強制的にアクティブ化するには、以下のようにオプションを設定します。
802-3-ethernet.auto-negotiate = yes 802-3-ethernet.speed = 0 802-3-ethernet.duplex = NULL
リンクの speed および duplex を手動で設定する
この場合は、リンクの
speed
および duplex
設定を手動で設定できます。
リンク設定
speed
および duplex
を手動で設定するには、上記のパラメーターを以下のように設定します。
802-3-ethernet.auto-negotiate = no 802-3-ethernet.speed = [speed in Mbit/s] 802-3-ethernet.duplex = [half |full]
重要
必ず
speed
と duplex
の値の両方を設定してください。設定しないと、NetworkManager はリンク設定を更新しません。
システム管理者は、次のいずれかの方法で 802.3 リンク設定を設定できます。
- nmcli ツール
- nm-connection-editor ユーティリティー
nmcli ツールを使用した 802.3 リンク設定の設定
手順
- enp1s0 デバイス用に、新規イーサネット接続を作成します。
- 希望の 802.3 リンクセッティングを設定します。詳細は、を参照してください。 「802.3 リンクセッティングの設定」たとえば、
speed
オプション 100 Mbit/s およびduplex
を full に手動で設定するには、次のコマンドを実行します。nmcli connection add con-name MyEthernet type ethernet ifname enp1s0 \ 802-3-ethernet.auto-negotiate no \ 802-3-ethernet.speed 100 \ 802-3-ethernet.duplex full
nm-connection-editor による 802.3 リンク設定の設定
手順
- 端末に nm-connection-editor と入力します。
- 編集するイーサネット接続を選択し、歯車アイコンをクリックして、編集ダイアログに移動します。詳細は、「nm-connection-editor を使用した一般的な設定オプション」を参照してください。
- 希望のリンクネゴシエーションを選択します。
ignore
: リンク設定はスキップされます(デフォルト)。Automatic
: デバイスに対してリンクオートネゴシエーションが強制されます。Manual
:Speed
オプションおよびDuplex
オプションを指定して、リンクネゴシエーションを強制することができます。
図5.1 nm-connection-editor を使用した 802.3 リンクセッティングの設定