付録D LVM ボリュームグループメタデータ
ボリュームグループの設定詳細は、メタデータと呼ばれます。デフォルトでは、メタデータの同一のコピーは、ボリュームグループ内のすべての物理ボリュームのすべてのメタデータ領域で管理されます。LVM ボリュームグループメタデータは ASCII として保存されます。
ボリュームグループが多くの物理ボリュームを含む場合、それだけ多くのメタデータの冗長コピーを持つことは効率的ではありません。メタデータのコピーなしで物理ボリュームを作成するには、
pvcreate
コマンドで --metadatacopies 0
オプションを使用することができます。物理ボリュームに含まれるメタデータコピーの数を一度選択すると、後で変更することはできません。0 コピーを選択すると、設定変更での更新が迅速になります。しかし、すべてのボリュームグループには常に 1 つのメタデータ領域を持つ物理ボリュームが最低 1 つ含まれる必要があることに注意してください (高度な設定を使用してボリュームグループメタデータをファイルシステムに保存できる場合を除く)。今後ボリュームグループを分割する予定がある場合は、それぞれのボリュームグループに、最低 1 つのメタデータコピーが必要になります。
核となるメタデータは ASCII 形式で保存されます。メタデータ領域は循環バッファーです。新規のメタデータは古いメタデータに追記され、その開始点へのポインターが更新されます。
メタデータ領域のサイズは、
pvcreate
コマンドで --metadatasize
オプションを使用して指定することができます。デフォルトのサイズは、数百の物理ボリュームや論理ボリュームを持つボリュームグループには小さすぎる場合があります。
D.1. 物理ボリュームラベル
デフォルトでは、
pvcreate
コマンドは 物理ボリュームラベルを 2 番目の 512 バイトセクターに配置します。物理ボリュームラベルをスキャンする LVM ツールが 最初の 4 つのセクターをチェックするため、このラベルはオプションとしてそれら最初の 4 つのセクターのいずれかに配置することができます。物理ボリュームラベルは文字列 LABELONE
で始まります。
物理ボリュームラベルに含まれる内容:
- 物理ボリューム UUID
- ブロックデバイスのサイズ (バイト)
- データ領域ロケーションの NULL で終了する一覧
- メタデータ領域ロケーションの NULL で終了する一覧
メタデータロケーションはオフセットおよびサイズ (バイト単位) として保存されます。ラベルには、15 ロケーション用のスペースがありますが、LVM ツールは現在 3 つしか使いません: 1 つのデータ領域と最大 2 つのメタデータ領域です。