B.3. LVM プロファイル
LVM プロファイルは、各種の環境または使用において一部の特性を実現するために使用できる選択されたカスタマイズ可能な設定のセットです。通常、プロファイルには該当する環境または使用を反映する名前が付けられます。LVM プロファイルは既存の設定を上書きします。
LVM が認識する LVM プロファイルには、コマンド プロファイルと メタデータ プロファイルの 2 つのグループがあります。
- コマンドプロファイルは、グローバルな LVM コマンドレベルで選択された設定を上書きするために使用されます。このプロファイルは LVM コマンドの実行開始時に適用され、LVM コマンドの実行中に使用されます。コマンドプロファイルは、LVM コマンドの実行時に
--commandprofile ProfileName
オプションを指定することによって適用します。 - メタデータプロファイルは、ボリュームグループ/論理ボリュームレベルで選択された設定を上書きするために使用されます。このプロファイルは、処理される各ボリュームグループ/論理グループについて個別に適用されます。そのため、各ボリュームグループ/論理ボリュームは、そのメタデータで使用されるプロファイル名を保存でき、ボリュームグループ/論理ボリュームが次に処理される際には、該当プロファイルが自動的に適用されます。ボリュームグループとその論理ボリュームのいずれかに異なるプロファイルが定義されている場合は、論理ボリュームに定義されるプロファイルが優先されます。
vgcreate
またはlvcreate
コマンドを使用してボリュームグループまたは論理ボリュームを作成する場合、--metadataprofile ProfileName
オプションを指定して、メタデータプロファイルをボリュームグループまたは論理グループに割り当てることができます。- 既存のボリュームグループまたは論理グループへのメタデータプロファイルの割り当てまたは割り当て解除は、
lvchange
またはvgchange
コマンドの--metadataprofile ProfileName
または--detachprofile
オプションを指定して実行できます。 vgs
およびlvs
コマンドの-o vg_profile
および-o lv_profile
出力オプションを指定することにより、ボリュームグループまたは論理ボリュームに現在割り当てられているメタデータプロファイルを表示できます。
コマンドプロファイルに許可される一連のオプションとメタデータプロファイルに許可される一連のオプションは相互に排他的です。これらの 2 つのセットのいずれかに属する設定を他方の設定に混在させることができず、LVM ツールはこのように混在したプロファイルを拒否します。
LVM はいくつかの事前に定義された設定プロファイルを提供します。LVM プロファイルはデフォルトで
/etc/lvm/profile
ディレクトリーに保存されます。このロケーションは、/etc/lvm/lvm.conf
ファイルの profile_dir
設定を使用して変更できます。それぞれのプロファイル設定は、profile
ディレクトリーの ProfileName.profile file に保存されます。LVM コマンドでプロファイルを参照する場合、.profile
という接尾辞は省略されます。
複数の異なる値で追加のプロファイルを作成することができます。このために、LVM は
command_profile_template.profile
ファイル (コマンドプロファイル用) および metadata_profile_template.profile
ファイル (メタデータプロファイル用) を提供します。これらのファイルには、それぞれのタイプのプロファイルでカスタマイズできるすべての設定が含まれます。これらのテンプレートプロファイルは、随時コピーし、編集することができます。
または、
lvm dumpconfig
コマンドを使用してそれぞれのプロファイルタイプのプロファイルファイルの指定セクションについて新規プロファイルを生成できます。以下のコマンドは、section の設定で構成される ProfileName.profile という名前の新規コマンドプロファイルを作成します。
lvm dumpconfig --file ProfileName.profile --type profilable-command section
以下のコマンドは、section の設定で構成される ProfileName.profile という名前の新規メタデータプロファイルを作成します。
lvm dumpconfig --file ProfileName.profile --type profilable-metadata section
セクションが指定されない場合、すべてのプロファイル可能な設定がレポートされます。