4.2.6. ブラックリストから除外
設定ファイルの
blacklist_exceptions
セクションを使用すると、デフォルトではブラックリストに指定されているデバイスで、マルチパスを有効にできます。
例えば、デバイスが多数あり、その中の 1 つのデバイス (以下の例では WWID が 3600d0230000000000e13955cc3757803 のデバイス) でのみマルチパスを有効にしたい場合は、有効にしたいデバイス以外のものを 1 つ 1 つブラックリストに指定するのではなく、一旦すべてのデバイスをブラックリストに指定してから、
/etc/multipath.conf
ファイルに以下の行を追加すれば、目的のデバイスにだけマルチパスを許可することができます。
blacklist { wwid "*" } blacklist_exceptions { wwid "3600d0230000000000e13955cc3757803" }
設定ファイルの
blacklist_exceptions
セクションでデバイスを指定する場合は、blacklist で指定したのと同じ方法で指定しなければなりません。たとえば、blacklist で devnode
エントリーを使用してデバイスを指定している場合は、exception で除外指定に使用している WWID が正しくても適用されません。同様に devnode
による除外は、devnode
エントリーでブラックリストを指定したデバイスにしか適用されず、device
による除外は、device エントリーでブラックリストを指定したデバイスにしか適用されません。
property
パラメーターの挙動は、他の blacklist_exception
パラメーターとは異なります。このパラメーターを設定した場合は、一致する udev
変数がデバイスに必要になります。この変数がないと、デバイスはブラックリストに指定されます。このパラメーターを使用すると、USB スティックやローカルハードドライブなど、マルチパスが無視する必要のある SCSI デバイスをブラックリストに登録できます。合理的にマルチパス化できる SCSI デバイスのみを許可するには、以下の例のようにこのパラメーターを SCSI_IDENT_|ID_WWN)
に設定します。
blacklist_exceptions { property "(SCSI_IDENT_|ID_WWN)" }