5.3. root ファイルシステムを、シングルパスデバイスからマルチパスデバイスへ移行
シングルパスのデバイスにシステムをインストールしてから、別のパスを root ファイルシステムに追加する場合は、root ファイルシステムをマルチパスのデバイスに移行する必要があります。本セクションでは、シングルパスからマルチパスのデバイスへの移行手順を説明します。
device-mapper-multipath
パッケージがインストールされていることを確認した上で、以下の手順を実行します。
- 以下のコマンドを実行して
/etc/multipath.conf
設定ファイルを作成、マルチパスモジュールをロードして multipathd の chkconfig をon
に設定します。#
mpathconf --enable
mpathconf コマンドを使ったマルチパスの設定に関する詳細は 「DM Multipath の設定」 を参照してください。 find_multipaths
設定パラメーターがyes
に設定されていない場合は、「設定ファイルの blacklist セクション」 の説明に従って、/etc/multipath.conf
ファイルのblacklist
およびblacklist_exceptions
セクションを編集します。- 検出され次第、root デバイスにマルチパスデバイスを構築させるため、次のコマンドを実行します。また、このコマンドを実行すると、パスが 1 つしかない場合でも必ず
find_multipaths
がデバイスを許可するようになります。#
multipath -a root_devname
たとえば root デバイスが/dev/sdb
の場合は次のコマンドを実行します。#
multipath -a /dev/sdb
wwid '3600d02300069c9ce09d41c4ac9c53200' added - 設定ファイルの設定が正しく行われたことを確認するため、multipath コマンドを実行して、次のような行が出力されていることを検索します。これは、コマンドがマルチパスデバイスの作成に失敗したことを示しています。
date wwid: ignoring map
たとえば、デバイスの WWID が 3600d02300069c9ce09d41c4ac9c53200 の場合は、次のような行が出力に表示されます。#
multipath
Oct 21 09:37:19 | 3600d02300069c9ce09d41c4ac9c53200: ignoring map - dracut コマンドに以下のオプションを付けて実行し、
multipath
付きのinitramfs
ファイルシステムを再ビルドします。#
dracut --force -H --add multipath
- マシンをシャットダウンします。
- マシンから他のパスが見えるように、FC スイッチを設定します。
- マシンを起動します。
- root ファイルシステム ('/') が、マルチパス設定したデバイス上にあることを確認します。