第4章 DM Multipath 設定ファイル
DM Multipath では、マルチパスで最も一般的に使用する設定値がデフォルトで提供されています。また DM Multipath に対応する最も一般的なストレージアレイが DM Multipath に含まれています。対応しているデバイスなどのデフォルトの設定値は、以下のいずれかのコマンドを実行して確認してください。
#multipathd show config
#multipath -t
DM-Multipath の設定値は、
/etc/multipath.conf
設定ファイルを編集すると無効にできます。必要な場合は、デフォルトでは対応していないストレージアレイを設定ファイルに追加することもできます。
注記
initramfs
ファイルシステムでマルチパスの設定を実行することができます。initramfs
ファイルシステムからマルチパスを実行してマルチパス設定ファイルに変更を加える場合、変更を有効にするには initramfs
ファイルシステムを再構築する必要があります。マルチパスで initramfs
ファイルシステムを再構築する方法は、「initramfs ファイルシステムでマルチパスの設定」 を参照してください。
本章では、
multipath.conf
ファイルの解析や変更について説明します。以下のトピックに関する項が含まれます。
- 設定ファイルの概要
- 設定ファイルの blacklist セクション
- 設定ファイルの defaults セクション
- 設定ファイルの multipaths セクション
- 設定ファイルの devices セクション
マルチパス設定ファイルで指定するのは、使用状況に応じて必要とされるセクションや、デフォルト値の変更が必要なセクションのみです。使用環境には無関係なファイルのセクションや、デフォルト値を無効にする必要がないファイルのセクションでは、初期ファイルに指定されているコメントアウトを削除する必要はありません。
設定ファイルでは、正規表現の記述構文を使用できます。
設定ファイルの詳細は、man ページの
multipath.conf
(5) を参照してください。
4.1. 設定ファイルの概要
マルチパス設定ファイルは以下のセクションに分かれています。
- blacklist
- マルチパス設定の対象として考慮しないデバイスの一覧。
- blacklist_exceptions
- この例外セクションに指定されていなければ、blacklist セクションのパラメーターに従ってブラックリストに指定されるマルチパスの候補になる一覧。
- defaults
- DM Multipath のデフォルトの全般設定。
- multipaths
- マルチパスデバイスの特性に関する個別設定。ここで指定する値は、設定ファイルの
defaults
とdevices
のセクションで指定されている値より優先されます。 - デバイス
- ストレージコントローラーの個別設定。ここで指定する値は、設定ファイル内の
defaults
セクションで指定されている値より優先されます。デフォルトでは対応していないストレージアレイを使用している場合は、そのアレイ用のdevices
サブセクションを作成する必要があります。
システムがマルチパスデバイスの属性を決定するとき、まずマルチパス設定をチェックし、次にデバイス設定をチェックしてから、マルチパスシステムのデフォルトを確認します。