2.2. クラスター内で整合性のあるマルチパスデバイス名の維持
user_friendly_names
設定オプションを yes
に設定すると、マルチパスデバイスの名前が 1 ノードに対して固有となりますが、そのマルチパスデバイスを使用している全ノードで同じ名前になる保証はありません。同様に、multipath.conf
設定ファイルの multipaths
セクションでデバイスに alias
オプションを設定すると、その名前が自動的にクラスター内の全ノードで同じにはなりません。LVM を使用してマルチパスデバイスから複数の論理デバイスを作成している場合は問題にならないはずですが、すべてのノードでマルチパスデバイス名を同じ名前にする必要がある場合は、user_friendly_names
オプションを yes
に設定しない、またデバイスにエイリアスを設定しないことをお勧めします。user_friendly_names
を yes
に設定したりデバイスにエイリアスを設定しなければ、デバイス名はデフォルトでそのデバイスの WWID になるため、整合性を維持することができます。
ただし、システムで定義される user_friendly_names を、クラスター内の全ノードに対して固有にしたい場合には、以下の手順に従うと整合性を維持することができます。
- すべてのマルチパスデバイスの設定をひとつのマシンで行います。
- 次のコマンドを使って、他のマシンのマルチパスデバイスをすべて無効にします。
#
systemctl stop multipathd.service
#multipath -F
- クラスター内の 1 番目のマシンの
/etc/multipath/bindings
ファイルを他のすべてのマシンにコピーします。 - 先ほど multipathd デーモンを無効にしたすべてのマシンで以下のコマンドを実行して、再度デーモンを有効にします。
#
systemctl start multipathd.service
新しいデバイスを追加する場合は、この手順を繰り返す必要があります。
同様に、エイリアスもクラスター内のすべてのノードに対して固有となるよう設定する場合は、同じ手順でクラスター内の各ノードの
/etc/multipath.conf
ファイルが同じになるようにします。
- 1 つのマシンの
multipath.conf
ファイルで、マルチパスデバイスのエイリアスを設定します。 - 次のコマンドを使って、他のマシンのマルチパスデバイスをすべて無効にします。
#
systemctl stop multipathd.service
#multipath -F
- そのマシンの
/etc/multipath.conf
ファイルを、クラスター内にある他のすべてのマシンにコピーします。 - 先ほど multipathd デーモンを無効にしたすべてのマシンで以下のコマンドを実行して、再度デーモンを有効にします。
#
systemctl start multipathd.service
新しいデバイスを追加する場合は、この手順を繰り返す必要があります。