7.9. 仮想化


RHEL 8 Hyper-V 仮想マシンで KVM 仮想化が利用可能に

ネストされた KVM 仮想化は、テクノロジープレビューとして、Microsoft Hyper-V ハイパーバイザーで使用できるようになりました。これにより、Hyper-V ホストで実行している RHEL 8 ゲストシステムで仮想マシンを作成できます。

この機能は、現在 Intel および AMD システムでのみ有効です。また、ネストされた仮想化は、Hyper-V でデフォルトで有効になっていない場合があります。これを有効にするには、以下の Microsoft ドキュメントを参照してください。

https://docs.microsoft.com/en-us/virtualization/hyper-v-on-windows/user-guide/nested-virtualization

Bugzilla:1519039[1]

KVM 仮想マシンの AMD SEV および SEV-ES

テクノロジープレビューとして、RHEL 8 に、KVM ハイパーバイザーを使用する AMD EPYC ホストマシン用のセキュア暗号化仮想化 (SEV) 機能が同梱されます。仮想マシンで有効になっている場合は、SEV が仮想マシンのメモリーを暗号化して、ホストから仮想マシンへのアクセスを防ぎます。これにより、仮想マシンのセキュリティーが向上します。

さらに、強化された SEV (Encrypted State) バージョンの SEV (SEV-ES) もテクノロジープレビューとして提供されます。SEV-ES は、仮想マシンの実行が停止すると、すべての CPU レジスターの内容を暗号化します。これにより、ホストが仮想マシンの CPU レジスターを変更したり、そこから情報を読み取ったりできなくなります。

SEV および SEV-ES は、第 2 世代の AMD EPYC CPU (コードネーム Rome) 以降でのみ機能することに注意してください。また、RHEL 8 には SEV および SEV-ES の暗号化が含まれますが、SEV および SEV-ES のセキュリティー証明は含まれません。

Bugzilla:1501618[1], Bugzilla:1501607、Jira:RHELPLAN-7677

Intel vGPU がテクノロジープレビューとして利用可能になる

テクノロジープレビューとして、物理 Intel GPU デバイスを、mediated devices と呼ばれる複数の仮想デバイスに分割できるようになりました。この仲介デバイスは、仮想 GPU として複数の仮想マシンに割り当てることができます。これにより、この仮想マシンが、1 つの物理 Intel GPU のパフォーマンスを共有します。

選択した Intel GPU のみが vGPU 機能と互換性があることに注意してください。

さらに、Intel vGPU が操作する VNC コンソールを有効にすることもできます。これを有効にすると、ユーザーは仮想マシンの VNC コンソールに接続し、Intel vGPU がホストする仮想マシンのデスクトップを確認できます。ただし、これは現在 RHEL ゲストオペレーティングシステムでのみ動作します。

この機能は非推奨であり、今後の RHEL メジャーリリースでは完全に削除される予定であることに注意してください。

Bugzilla:1528684[1]

入れ子仮想マシンの作成

入れ子 KVM 仮想化は、RHEL 8 で Intel、AMD64、IBM POWER および IBM Z システムホストで実行している KVM 仮想マシン用のテクノロジープレビューとして提供されます。この機能を使用すると、物理 RHEL 8 ホストで実行中の RHEL 7 または RHEL 8 仮想マシンがハイパーバイザーとして機能し、独自の仮想マシンをホストできます。

Jira:RHELPLAN-14047[1]、Jira:RHELPLAN-24437

テクノロジープレビュー: 一部の Intel ネットワークアダプターが、Hyper-V の RHEL ゲストに SR-IOV を提供するようになりました

テクノロジープレビューとして、Hyper-V ハイパーバイザーで実行している Red Hat Enterprise Linux のゲストオペレーティングシステムは、ixgbevf および ixgbevf ドライバーがサポートする Intel ネットワークアダプターに、シングルルート I/O 仮想化 (SR-IOV) 機能を使用することができるようになりました。この機能は、以下の条件が満たされると有効になります。

  • ネットワークインターフェイスコントローラー (NIC) に対して SR-IOV サポートが有効になっている
  • 仮想 NIC の SR-IOV サポートが有効になっている
  • 仮想スイッチの SR-IOV サポートが有効になっている
  • NIC からの VF (Virtual Function) が仮想マシンに割り当てられている

この機能は現在、Microsoft Windows Server 2016 以降で提供されています。

Bugzilla:1348508[1]

RHEL ゲストのインテル TDX

テクノロジープレビューとして、Intel Trust Domain Extension (TDX) 機能が RHEL 8.8 以降のゲストオペレーティングシステムで使用できるようになりました。ホストシステムが TDX をサポートしている場合は、トラストドメイン (TD) と呼ばれる、ハードウェアから分離された RHEL 9 仮想マシン (VM) をデプロイできます。ただし、TDX は現在 kdump では機能せず、TDX を有効にすると VM 上で kdump が失敗することに注意してください。

Bugzilla:1836977[1]

virtiofs を使用したホストと仮想マシン間でのファイルの共有

RHEL 8 では、テクノロジープレビューとして virtio ファイルシステム (virtiofs) が追加されました。virtiofs を使用すると、ホストシステムと仮想マシン (VM) との間で、ファイルを効率的に共有できます。

Bugzilla:1741615[1]

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