5.5.2. スキーマの変更後のオンライン更新の実行


オンラインでスキーマの更新を完了する手順は、オフラインでスキーマの更新を実行する手順よりも簡単です。また、アプリケーションやデータ処理のダウンタイムなしで完了できます。ただし、オンラインでスキーマを更新すると、ソースデータベースでスキーマを更新した後、新しいキャプチャーインスタンスを作成するまでに、処理の差が生じる可能性があります。この間、変更イベントは変更テーブルの古いインスタンスによって引き続きキャプチャーされ、古いテーブルに保存された変更データは、以前のスキーマの構造を保持します。たとえば、新しい列をソーステーブルに追加した場合は、新しいキャプチャーテーブルの準備が整う前に生成された変更イベントには新しい列のフィールドは含まれません。アプリケーションがこのような移行期間を許容しない場合、オフラインでスキーマの更新を行うことが推奨されます。

前提条件

  • CDC が有効になっている SQL Server テーブルのスキーマに更新がコミット済みである。
  • 昇格された権限を持つ SQL Server データベース operator である。

手順

  1. すべての変更をソーステーブルスキーマに適用します。
  2. パラメーター @capture_instance に一意の値を指定して sys.sp_cdc_enable_table ストアドプロシージャーを実行し、更新元テーブルに新しいキャプチャテーブルを作成します。
  3. Debezium が新しいキャプチャーテーブルからのストリーミングを開始したら、パラメーター @capture_instance に古いキャプチャーインスタンス名を設定して、sys.sp_cdc_disable_table ストアドプロシージャーを実行することで、古いキャプチャーテーブルを削除することができます。

例: データベーススキーマの変更後のオンラインスキーマ更新の実行

次の例は、customers ソーステーブルにカラム phone_number が追加された後、change テーブルでオンラインスキーマ更新を完了する方法を示しています。

  1. 次のクエリーを実行して customers ソーステーブルのスキーマを変更し、phone_number フィールドを追加します。

    ALTER TABLE customers ADD phone_number VARCHAR(32);
  2. sys.sp_cdc_enable_table ストアドプロシージャーを実行して、新しいキャプチャーインスタンスを作成します。

    EXEC sys.sp_cdc_enable_table @source_schema = 'dbo', @source_name = 'customers', @role_name = NULL, @supports_net_changes = 0, @capture_instance = 'dbo_customers_v2';
    GO
  3. 次のクエリーを実行して、customers テーブルに新しいデータを挿入します。

    INSERT INTO customers(first_name,last_name,email,phone_number) VALUES ('John','Doe','john.doe@example.com', '+1-555-123456');
    GO

    Kafka Connect ログは、以下のメッセージのようなエントリーで設定の更新を報告します。

    connect_1    | 2019-01-17 10:11:14,924 INFO   ||  Multiple capture instances present for the same table: Capture instance "dbo_customers" [sourceTableId=testDB.dbo.customers, changeTableId=testDB.cdc.dbo_customers_CT, startLsn=00000024:00000d98:0036, changeTableObjectId=1525580473, stopLsn=00000025:00000ef8:0048] and Capture instance "dbo_customers_v2" [sourceTableId=testDB.dbo.customers, changeTableId=testDB.cdc.dbo_customers_v2_CT, startLsn=00000025:00000ef8:0048, changeTableObjectId=1749581271, stopLsn=NULL]   [io.debezium.connector.sqlserver.SqlServerStreamingChangeEventSource]
    connect_1    | 2019-01-17 10:11:14,924 INFO   ||  Schema will be changed for ChangeTable [captureInstance=dbo_customers_v2, sourceTableId=testDB.dbo.customers, changeTableId=testDB.cdc.dbo_customers_v2_CT, startLsn=00000025:00000ef8:0048, changeTableObjectId=1749581271, stopLsn=NULL]   [io.debezium.connector.sqlserver.SqlServerStreamingChangeEventSource]
    ...
    connect_1    | 2019-01-17 10:11:33,719 INFO   ||  Migrating schema to ChangeTable [captureInstance=dbo_customers_v2, sourceTableId=testDB.dbo.customers, changeTableId=testDB.cdc.dbo_customers_v2_CT, startLsn=00000025:00000ef8:0048, changeTableObjectId=1749581271, stopLsn=NULL]   [io.debezium.connector.sqlserver.SqlServerStreamingChangeEventSource]

    最終的には、phone_number フィールドがスキーマに追加され、その値が Kafka トピックに書き込まれたメッセージに表示されます。

    ...
         {
            "type": "string",
            "optional": true,
            "field": "phone_number"
         }
    ...
        "after": {
          "id": 1005,
          "first_name": "John",
          "last_name": "Doe",
          "email": "john.doe@example.com",
          "phone_number": "+1-555-123456"
        },
  4. sys.sp_cdc_disable_table ストアドプロシージャーを実行して、古いキャプチャーインスタンスを削除します。

    EXEC sys.sp_cdc_disable_table @source_schema = 'dbo', @source_name = 'dbo_customers', @capture_instance = 'dbo_customers';
    GO
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