6.2. Debezium Db2 コネクターの仕組み
Debezium Db2 コネクターを最適に設定および実行するには、コネクターによるスナップショットの実行方法、変更イベントのストリーム方法、Kafka トピック名の決定方法、およびスキーマ変更の処理方法を理解すると便利です。
詳細は以下を参照してください。
6.2.1. Debezium Db2 コネクターによるデータベーススナップショットの実行方法
Db2 のレプリケーション機能は、データベース変更の完全な履歴を保存するようには設計されていません。そのため、Debezium Db2 コネクターが初めてデータベースに接続すると、キャプチャーモードのテーブルの整合性スナップショットを作成し、この状態を Kafka にストリーミングします。これにより、テーブルの内容のベースラインが確立されます。
デフォルトでは、Db2 コネクターがスナップショットを実行すると、以下が実行されます。
-
キャプチャーモードになっているテーブルを判断するため、スナップショットに含まれなければならないテーブルも判断されます。デフォルトでは、システム以外のテーブルはすべてキャプチャーモードになっています。
table.exclude.list
やtable.include.list
などのコネクター設定プロパティーを使用すると、キャプチャーモードである必要があるテーブルを指定できます。 -
キャプチャーモードの各テーブルでロックを取得します。これにより、スナップショットの実行中にこれらのテーブルでスキーマの変更が発生しないようにします。ロックのレベルは、
snapshot.isolation.mode
コネクター設定プロパティーによって決定されます。 - サーバーのトランザクションログで、最大 (最新) の LSN の位置を読み取ります。
- キャプチャーモードになっているすべてのテーブルのスキーマをキャプチャーします。コネクターは、内部データベース履歴トピックでこの情報を永続化します。
- 必要に応じて、ステップ 2 で取得したロックを解放します。通常、これらのロックは短期間のみ保持されます。
ステップ 3 で読み取られた LSN の位置で、コネクターはキャプチャーモードテーブルとそれらのスキーマをスキャンします。スキャン中、コネクターは以下を行います。
- スナップショットの開始前に、テーブルが作成されたことを確認します。そうでない場合は、スナップショットはそのテーブルをスキップします。スナップショットが完了し、コネクターが変更イベントの出力を開始した後、コネクターはスナップショットの実行中に作成されたテーブルの変更イベントを生成します。
- キャプチャーモードになっている各テーブルで、各行の 読み取り イベントを生成します。すべての 読み取り イベントには、LSN の位置が含まれ、これはステップ 3 で取得した LSN の位置と同じです。
- テーブルと同じ名前を持つ Kafka トピックに各 読み取り イベントを出力します。
- コネクターオフセットにスナップショットの正常な完了を記録します。