4.4.6.5. 削除 イベント


delete change イベントの値は、createupdate と同じ schema 部分を持ちます。delete イベントの payload 部分には、同じコレクションの 作成更新 イベントとは異なる値が含まれます。特に、 削除 イベントには after の値や patch の値は含まれません。以下は、customers コレクションのドキュメントの 削除 イベントの例になります。

{
    "schema": { ... },
    "payload": {
      "op": "d", 1
      "ts_ms": 1465495462115, 2
      "filter": "{\"_id\" : {\"$numberLong\" : \"1004\"}}", 3
      "source": { 4
        "version": "1.4.2.Final",
        "connector": "mongodb",
        "name": "fulfillment",
        "ts_ms": 1558965508000,
        "snapshot": true,
        "db": "inventory",
        "rs": "rs0",
        "collection": "customers",
        "ord": 6,
        "h": 1546547425148721999
      }
    }
  }
表4.6 削除 イベント値フィールドの説明
項目フィールド名説明

1

op

操作の型を記述する必須の文字列。op フィールドの値は d で、ドキュメントが削除されたことを示します。

2

ts_ms

コネクターがイベントを処理した時間を表示する任意のフィールド。この時間は、Kafka Connect タスクを実行している JVM のシステムクロックを基にします。

source オブジェクトで、ts_ms は変更がデータベースに加えられた時間を示します。payload.source.ts_ms の値を payload.ts_ms の値と比較することにより、ソースデータベースの更新と Debezium との間の遅延を判断できます。

3

filter

削除するドキュメントの特定に使用された MongoDB 選択基準の JSON 文字列表現が含まれます。

4

source

イベントのソースメタデータを記述する必須のフィールド。このフィールドには、同じコレクションの 作成 または 更新 イベントと同じ情報が含まれますが、oplog の異なる位置からのイベントであるため、値は異なります。ソースメタデータには以下が含まれています。

  • Debezium バージョン。
  • イベントを生成したコネクターの名前。
  • 生成されたイベントの namespace を形成し、コネクターが書き込む Kafka トピック名で使用される、MongoDB レプリカセットの論理名。
  • 削除されたドキュメントが含まれたコレクションおよびデータベースの名前。
  • イベントがスナップショットの一部である場合。
  • データベースで変更が加えられた時点のタイムスタンプおよびタイムスタンプ内のイベントの順序。
  • MongoDB 操作の一意の識別子。これは MongoDB のバージョンに依存します。これは、oplog イベントの h フィールド、または oplog イベントの lsid および txnNumber フィールドを表す stxnid という名前のフィールドです。

MongoDB コネクターイベントは、Kafka ログコンパクション と動作するように設計されています。ログコンパクションにより、少なくとも各キーの最新のメッセージが保持される限り、一部の古いメッセージを削除できます。これにより、トピックに完全なデータセットが含まれ、キーベースの状態のリロードに使用できるようにするとともに、Kafka がストレージ領域を確保できるようにします。

廃棄 (tombstone) イベント

一意に識別ドキュメントの MongoDB コネクターイベントはすべて同じキーを持ちます。ドキュメントが削除された場合でも、Kafka は同じキーを持つ以前のメッセージをすべて削除できるため、削除 イベントの値はログコンパクションで動作します。ただし、Kafka がそのキーを持つすべてのメッセージを削除するには、メッセージの値が null である必要があります。これを可能にするために、Debezium の MongoDB コネクターは 削除 イベントを出力した後に、null 値以外で同じキーを持つ特別な廃棄 (tombstone) イベントを出力します。tombstone イベントは、同じキーを持つすべてのメッセージを削除できることを Kafka に通知します。

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