7.4. CephFS-NFS を使用した Shared File Systems サービスの耐障害性
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) director が Red Hat Ceph Storage サービスデーモンを起動すると、デーモンは独自の高可用性 (HA) 状態を管理します。通常、このデーモンのインスタンスは複数実行されます。対照的に、このリリースでは、一度にファイル共有を提供できる NFS-Ganesha のインスタンスは 1 つだけです。
CephFS-NFS を使用したファイル共有では、データパスに単一障害点が生じるのを避けるために、NFS-Ganesha は Pacemaker-Corosync クラスターによって管理されるアクティブ/パッシブ設定の RHOSP コントローラーノード上で実行されます。NFS-Ganesha は、複数のコントローラーノードに渡って仮想サービス IP アドレスを持つ仮想サービスとして機能します。
コントローラーノードに障害が発生した、あるいは特定のコントローラーノード上のサービスに障害が発生し、そのノードで復帰できない場合には、Pacemaker-Corosync は同じ仮想 IP アドレスを使用して新たな NFS-Ganesha インスタンスを別のコントローラーノード上で起動します。既存クライアントのマウントはファイル共有のエクスポート場所の仮想 IP アドレスを使用するので、これらのマウントは維持されます。
デフォルトの NFS マウントオプション設定および NFS 4.1 以降を使用している場合には、障害発生後に TCP 接続がリセットされ、クライアントが再接続されます。フェイルオーバー中は I/O 操作が一時的に応答しなくなりますが、機能は失われません。アプリケーション I/O も応答しなくなりますが、フェイルオーバーが完了すると処理が再開されます。
最大 90 秒の猶予期間 (クライアントがロックを再要求するのをサーバーが待機する期間) が経過するまで、新規接続や新たなロック状態などは拒否されます。NFS-Ganesha はクライアントのリストを維持し、すべてのクライアントがロックを再要求すると、その時点で猶予期間を終了します。