7.10. Sysprep を使用した仮想マシンの設定の自動化
sysprep
は、ホスト名、ネットワークインターフェイス、認証キーの設定、ユーザーの設定、Active Directory への接続など、Windows 仮想マシンの設定を自動化するのに使用するツールです。Sysprep
は、すべての Windows バージョンにインストールされます。
Red Hat Virtualization は、仮想化技術を利用して、1 つのテンプレートに基づいて仮想ワークステーションをデプロイすることで、Sysprep
を強化します。Red Hat Virtualization は、各仮想ワークステーション用にカスタマイズした自動応答ファイルを作成します。
Sysprep
は、完全な無人インストール用の応答ファイルを生成します。さまざまな Windows オペレーティングシステムのデフォルト値は、/usr/share/ovirt-engine/conf/sysprep/ ディレクトリーにあります。カスタム Sysprep
ファイルを作成し、/etc/ovirt-engine /osinfo.conf.d/ ディレクトリーの osinfo ファイルから参照することもできます。これらのファイルは、Sysprep
のテンプレートとして機能します。これらのファイルのフィールドは、必要に応じてコピーおよび編集できます。この定義は、Edit Virtual Machine ウィンドウの Initial Run フィールドに入力された値を上書きします。
Windows 仮想マシンのプールを作成する際にカスタムの sysprep
ファイルを作成し、さまざまなオペレーティングシステムおよびドメインに対応できます。詳細は、管理ガイドの 仮想マシンプールの作成 を参照してください。
オーバーライドファイルは /etc/ovirt-engine/osinfo.conf.d/ の下に作成し、/etc/ovirt-engine/osinfo.conf.d/00-defaults.properties の後に配置されるファイル名にし、.properties で終わる必要があります。(例:/etc/ovirt-engine/osinfo.conf.d/10-productkeys.properties)。最後のファイルが優先され、それより前の他のファイルはすべて上書きされます。
Windows オペレーティングシステムのデフォルト値を /etc/ovirt-engine/osinfo.conf.d/00-defaults.properties からオーバーライドファイルにコピーし、productKey.value
フィールドおよび sysprepPath.value
フィールドに値を入力します。
例7.2 Windows 7 のデフォルト設定値
# Windows7(11, OsType.Windows, false),false os.windows_7.id.value = 11 os.windows_7.name.value = Windows 7 os.windows_7.derivedFrom.value = windows_xp os.windows_7.sysprepPath.value = ${ENGINE_USR}/conf/sysprep/sysprep.w7 os.windows_7.productKey.value = os.windows_7.devices.audio.value = ich6 os.windows_7.devices.diskInterfaces.value.3.3 = IDE, VirtIO_SCSI, VirtIO os.windows_7.devices.diskInterfaces.value.3.4 = IDE, VirtIO_SCSI, VirtIO os.windows_7.devices.diskInterfaces.value.3.5 = IDE, VirtIO_SCSI, VirtIO os.windows_7.isTimezoneTypeInteger.value = false
7.10.1. テンプレートでの Sysprep の設定
この手順を使用して、テンプレートに追加する標準の Sysprep
設定を指定できます。あるいは、このテンプレートに基づいて仮想マシンを作成する際に Sysprep
設定を設定することもできます。
置換文字列を使用して、/usr/share/ovirt-engine/conf/sysprep/ ディレクトリーのデフォルトファイルで提供される値を置換できます。たとえば、"<Domain><![CDATA[$JoinDomain$"]></Domain>" を使用して、参加するドメインを指定できます。
Sysprep
の実行中に仮想マシンを再起動しないでください。
前提条件
Windows 仮想マシンのパラメーターが正しく定義されている。
定義されていない場合は、
をクリックし、 をクリックし、Operating System および Cluster フィールドに必要な情報を入力します。 - 正しいプロダクトキーが Manager のオーバーライドファイルで定義されている。
Sysprep
を使用したテンプレートの準備
- 必要なパッチおよびソフトウェアで Windows 仮想マシンをビルドします。
- Windows 仮想マシンをシールします。テンプレートとしてのデプロイメントの準備段階での仮想マシンのシーリング を参照してください。
- Windows 仮想マシンに基づいてテンプレートを作成します。既存の仮想マシンからのテンプレートの作成 を参照してください。
-
追加の変更が必要な場合は、テキストエディターで
Sysprep
ファイルを更新します。
このテンプレートを使用して新規仮想マシンをプロビジョニングできるようになりました。
7.10.2. Sysprep を使用した仮想マシンの初期化
Sysprep
を使用して、Windows 仮想マシンの初期設定を自動化します。Sysprep フィールドを使用して、仮想マシンのホスト名、タイムゾーン、root パスワード、認証キー、ネットワークインターフェイス、および DNS サービスを設定できます。
Sysprep を使用した仮想マシンの初期化
この手順では、Sysprep
の設定セットで仮想マシンを起動します。仮想マシンのベースとなるテンプレートに該当する設定が含まれている場合は、設定を確認し、必要に応じて変更を加えます。
- 必要な Windows 仮想マシンのテンプレートに基づいて、新しい Windows 仮想マシンを作成します。テンプレートに基づく仮想マシンの作成 を参照してください。
-
をクリックし、仮想マシンを選択します。 - Run Once を選択します。 ドロップダウンボタンをクリックして、
- Boot Options セクションを展開し、Attach Floppy チェックボックスを選択し、[sysprep] オプションを選択します。
- Attach CD チェックボックスを選択し、ドロップダウンリストから必要な Windows ISO を選択します。
- CD-ROM を Boot Sequence フィールドの一番上に移動します。
- 必要に応じて、さらに Run Once オプションを設定します。詳細は Run once ウィンドウの設定に関する説明 を参照してください。
- をクリックします。