第3章 コマンドラインツールを使用した RHEL システムの登録
root 権限があれば、コマンドラインインターフェイス (CLI) から Red Hat Enterprise Linux (RHEL) システムを登録できます。CLI の登録ツールには、以下のクライアントが含まれます。
rhc クライアント
1 つのコマンドで RHEL 8.8 以降のシステムを Red Hat に登録して Red Hat Insights を有効にします。
rhc connect
コマンドを使用して、Red Hat CDN を介してシステムをコンテンツリポジトリーに接続できます。
Subscription Manager クライアント
RHEL 8.7 以前のシステム、または Satellite がサポートするシステムを Red Hat に登録します。
subscription-manager register
コマンドを使用して、Red Hat CDN または Satellite Server からコンテンツリポジトリーにシステムを接続できます。
Insights クライアント
Subscription Manager クライアントに登録されているシステムで Red Hat Insights を有効にします。
subscription-manager register
コマンドを使用してシステムを登録する場合は、insights-client --register
コマンドを使用して Insights を有効にできます。
登録コマンドを実行するたびに、認証オプションが必要です。rhc および Subscription Manager クライアントで使用できる認証方法は 2 つあります。
- アクティベーションキーと組織 ID の組み合わせ
- ユーザー名とパスワードの組み合わせ
Insights-client --register
コマンドは subscription-manager register
が使用するものと同じ ID 証明書を使用するため、すでに認証トークンを使用して subscription-manager register
コマンドでシステムを登録している場合は、insights-client --register
コマンドを認証する必要はありません。
アクティベーションキーは、組織内の RHC 管理者によって作成および設定されます。組織 ID は組織の数値識別子で、アカウント番号とは異なります。組織のアクティベーションキーと組織 ID は、Hybrid Cloud Console の Activation Keys ページに表示されます。
3.1. rhc を使用した RHEL 8.8 以降の登録
rhc connect
コマンドを使用して、RHEL 8.8 以降のシステムを Red Hat に登録し、1 つのコマンドで Red Hat Insights を有効にできます。rhc クライアントにシステムを登録すると、Red Hat CDN 経由で保護されているコンテンツにアクセスできます。
Red Hat にシステムを登録するには、認証が必要です。利用可能な認証方法は 2 つあります。
- アクティベーションキーと組織 ID の組み合わせ
- ユーザー名とパスワードの組み合わせ。
アクティベーションキーは、すべてのシステム登録手順を 1 つの安全な自動プロセスにまとめます。たとえば、事前設定されたアクティベーションキーを使用すると、選択した機能を 1 つのコマンドで自動的に登録し、RHEL システムに適用できます。さらに、アクティベーションキーをキックスタートファイルに入れて、複数の RHEL システムの登録を一括プロビジョニングすることができます。ファイルを複数のユーザーで共有している場合、アクティベーションキーはユーザー名とパスワードの値を公開せずにプロセスを認証します。
3.1.1. アクティベーションキーを使用した RHEL 8.8 以降の rhc による登録
rhc connect
コマンドでアクティベーションキーと数値の組織識別子 (組織 ID) を使用して、システムを Red Hat に登録し、単一のコマンドで Red Hat Insights を有効にできます。RHC 管理者が、システム目的属性など、選択したシステムレベルの機能を適用するようにアクティベーションキーを事前設定している場合は、それらの機能は登録プロセス中にシステムに自動的に適用されます。
組織のアクティベーションキーと ID が、Hybrid Cloud Console の Activation Key ページに表示されます。
前提条件
- RHEL 8.8 以降の製品のサブスクリプションがある
- Red Hat Hybrid Cloud Console にログインしている。
- root ユーザーとしてログインしている。
- 組織の数値識別子 (組織 ID) を持っている。
手順
アクティベーションキーを使用してシステムを rhc クライアントに登録するには、以下の手順を実行します。
-
ターミナルから次のコマンドを入力します。
<activation_key_name>
は使用するアクティベーションキーの名前に、<organization_ID>
は組織 ID に置き換えます。
# rhc connect --activation-key=<activation_key_name> --organization=<organization_ID>
予想される出力でシステムの登録を確認できます。以下に例を示します。
Connecting kvm-07-guest03.hv2.lab.eng.bos.redhat.com to Red Hat. This might take a few seconds. • Connected to Red Hat Subscription Management • Connected to Red Hat Insights • Activated the Remote Host Configuration daemon Successfully connected to Red Hat! Manage your connected systems: https://red.ht/connector
検証
システムが正常に登録されたことを確認するには、Hybrid Cloud Console のシステム Inventory で表示できます。
関連情報
- システムをリモートホスト設定に登録する方法は、Registering your host using the remote host configuration client (https://access.redhat.com/articles/rhc-registration) を参照してください。
- アクティベーションキーを作成および管理する方法は、Hybrid Cloud Console のアクティベーションキーのスタートガイド を参照してください。
3.1.2. ユーザー名とパスワードを使用した RHEL 8.8 以降の rhc クライアントによる登録
アクティベーションキーがない場合は、rhc connect
コマンドでユーザー名とパスワードの組み合わせを使用して、RHEL 8.8 以降のシステムの登録プロセスを認証できます。
共有ファイルにユーザー名とパスワードの値を公開しないようにするには、アクティベーションキーと組織 ID の組み合わせを使用して登録プロセスを認証します。
前提条件
- RHEL 8.8 以降の有効な製品サブスクリプションがある。
- Red Hat Hybrid Cloud Console にログインしている。
- root ユーザーとしてログインしている。
手順
ユーザー名とパスワードの組み合わせを使用して、rhc クライアントで RHEL システムを Red Hat に登録するには、次の手順を実行します。
- ターミナルから以下のコマンドを入力します。
# rhc connect --username=<username> --password=<password>
検証
システムが正常に登録されたことを確認するには、Hybrid Cloud Console のシステム Inventory で表示します。
3.1.3. rhc を使用した RHEL 8.8 以降の登録解除
システムのベストプラクティスとして、そのシステムで RHEL を使用しなくなった場合は、システムの登録を解除することを推奨します。登録されていないシステムは、保護されたコンテンツ、ソフトウェア更新、セキュリティーパッチ、サポート、または管理サービスを Red Hat から受信できなくなります。
root 権限を持つユーザーは、rhc クライアントで disconnect
コマンドを使用して、Subscription Management サービスおよび Red Hat Insights からシステムを削除できます。
手順
システムを切断するには、以下の手順を実行します。
- ターミナルから以下のコマンドを入力します。
# rhc disconnect
想定される出力は、以下のようになります。
Disconnecting <$HOSTNAME> from console.redhat.com. This might take a few seconds. Deactivated the Red Hat connector daemon Manage your Red Hat connector systems: https://red.ht/connector
次のステップ
システムを登録解除すると、システムとサブスクリプションデータを管理およびレポートする Red Hat ホストサービスからシステムが削除されます。ただし、内部プロセスが異なるため、システムは異なるタイミングでこれらのサービスから削除されます。これらのサービスの一部では、削除のタイミングを管理できます。
- サブスクリプションサービスの場合、削除は約 24 時間以内に行われます。タイミングは、サブスクリプションサービスがデータスナップショットを実行する時刻によって決まります。
- Insights for Red Hat Enterprise Linux インベントリーサービスの場合、何もアクションを取らない場合は、インベントリーの古さおよび削除ポリシーに従って削除が行われます。ただし、削除のタイミングを管理することは可能です。すぐに削除する場合は、System ページからシステムを手動で削除できます。古さや削除に関するポリシーを編集して、自動削除の設定を変更することもできます。詳細は、システムインベントリーの表示と管理 を参照してください。
関連情報
- rhc クライアントでシステムの登録を解除する方法の詳細は、リモートホスト設定を使用したシステムの切断 を参照してください。