7.5. Red Hat Subscription Manager でのシステムの目的の使用
システムの目的は、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) システムの使用目的を記録するために使用します。システムの目的を設定すると、ロール、サービスレベルアグリーメント、用途などのシステム属性を指定できます。デフォルトでは、各システム目的属性で次の値を使用できます。
Role
- Red Hat Enterprise Linux Server
- Red Hat Enterprise Linux Workstation
- Red Hat Enterprise Linux Compute Node
サービスレベルアグリーメント
- Premium
- Standard
- Self-Support
Usage
- Production
- Development/Test
- Disaster Recovery
システムの目的を設定すると、次のような利点があります。
- システム管理者およびビジネス運営に向けた詳細にわたるシステムレベルの情報
- システムを調達した理由とその目的を判断する際のオーバーヘッドを削減
システムの目的のデータは、次のいずれかの方法で設定できます。
- アクティベーションキーの作成時
- イメージの作成時
- Connect to Red Hat 画面を使用してインストールし、システムを登録するとき
- syspurpose キックスタートコマンドを使用したインストール時
- subscription-manager CLI ツールを使用したインストール後
関連情報
- アクティベーションキーを使用してシステムの目的を設定するには、アクティベーションキーの作成 を参照してください。
- Subscription Manager CLI ツールを使用してシステムの目的を設定するには、subscription-manager コマンドラインツールを使用したシステムの目的の設定 を参照してください。
7.5.1. システム目的属性に使用できる値の一覧表示
root ユーザーとして、subscription-manager syspurpose
コマンドと、--list
オプションを指定して role
、usage
、service-level
、または addons
サブコマンドを入力すると、すべてのシステム目的属性で使用可能な値をリストできます。未登録システムのシステム目的の値を一覧表示するには、コマンドラインに追加情報を入力する必要があります。
次の例は、登録済みシステムと未登録システムのロール属性で使用可能なシステム目的の値を一覧表示する方法を示しています。
システムが登録されている場合は、以下のコマンドを入力します。
[root@localhost ~]# subscription-manager syspurpose role --list
システムが登録されていない場合は、必要に応じて --username
、--password
、--organization
、および --token
認証オプションを指定して以下のコマンドを入力します。
[root@localhost ~]# subscription-manager syspurpose role --list --username=<username> --password=<password> --organization=<organization_ID> --token=<token>
ここで、--username
オプションは、Red Hat アカウントの組織管理者権限を持つユーザー名を指定します。--password
オプションは、関連するパスワードを指定します。--organization
オプションは、組織 ID 番号を指定します。--token
オプションは、virt-who サービスアカウントのトークンを指定します。
組織 ID の指定は、複数の組織があり、特定の組織を指定する必要がある場合にのみ必要となります。
トークンの指定は、virt-who が OpenShift Virtualization に接続するように設定されている場合にのみ必要です。
登録済みのシステムでコマンドを入力するか、未登録のシステムで認証オプションを指定してコマンドを入力すると、ロール属性で利用可能な値のリストが次のように出力されるはずです。
+-------------------------------------------+ Available role +-------------------------------------------+ - Red Hat Enterprise Linux Workstation - Red Hat Enterprise Linux Server - Red Hat Enterprise Linux Compute Node
システムの目的のアドオンは組織に固有のもので、利用可能な値のリストには表示されません。--list
オプションを使用して利用可能なシステムの目的のアドオンを一覧表示しようとすると、subscription-manager は警告メッセージを表示します。以下に例を示します。
# subscription-manager syspurpose addons --list There are no available values for the system purpose "addons" from the available subscriptions in this organization.
7.5.2. システム目的属性のカスタム値の設定
設定する値がアカウントの有効な値のリストに含まれていない場合は、--set
オプションを使用してカスタムのシステム目的の値を入力できます。カスタム値を設定するには、登録済みのシステムでコマンドを入力するか、未登録のシステムで認証オプションを指定してコマンドを入力する必要があります。
次の例は、登録済みのシステムと未登録のシステムのシステム目的ロール属性にカスタム値 "foo" を設定する方法を示しています。
システムが登録されている場合は、以下のコマンドを入力します。
[root@localhost ~]# subscription-manager syspurpose role --set=”foo”
システムが登録されていない場合は、必要に応じて --username
、--password
、--org
、および --token
認証オプションを指定して以下のコマンドを入力します。
[root@localhost ~]# subscription-manager syspurpose role --set=”foo” --username=<username> --password=<password> --organization=<organization_ID> --token=<token>
ここで、--username
オプションは、Red Hat アカウントの組織管理者権限を持つユーザー名を指定します。--password
オプションは、関連するパスワードを指定します。--org
オプションは、組織 ID 番号を指定します。--token
オプションは、virt-who サービスアカウントのトークンを指定します。
組織 ID の指定は、複数の組織があり、特定の組織を指定する必要がある場合にのみ必要となります。
トークンの指定は、virt-who が OpenShift Virtualization に接続するように設定されている場合にのみ必要です。
登録済みシステムまたは認証オプションを指定した未登録システムでカスタム値を設定すると、カスタム値が無効であると見なされるため、出力に警告メッセージが表示されることが予想されます。ただし、警告が表示されても、subscription-manager によってカスタム値が設定されるため、出力には確認メッセージも表示されます。
Warning: Provided value "foo" is not included in the list of valid values - Red Hat Enterprise Linux Workstation - Red Hat Enterprise Linux Server - Red Hat Enterprise Linux Compute Node role set to "foo".
Subscription Manager は、システムが登録済みの場合、または未登録のシステムで認証情報を入力した場合にのみ、警告メッセージを表示します。システムが未登録で、認証オプションを入力しない場合、Subscription Manager は警告メッセージを表示せずにカスタム値を設定します。