第1章 RHEL システムを Red Hat に登録する方法
登録することで、システムと Red Hat 間で認可済みの接続が確立されます。Red Hat は、登録されたシステム (物理マシンか仮想マシンかを問わず) に、システムを識別および認証する証明書を発行して、Red Hat から保護されたコンテンツ、ソフトウェア更新、セキュリティーパッチ、サポート、および管理サービスをシステムが受けられるようにします。
有効なサブスクリプションを使用すると、以下の方法で Red Hat Enterprise Linux (RHEL) システムを登録できます。
- インストーラーのグラフィカルユーザーインターフェイス (GUI) またはテキストユーザーインターフェイス (TUI) を使用して、インストールプロセス中に登録する
- コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して、インストール後に登録する
- インストール時またはインストール後に、キックスタートスクリプトまたはアクティベーションキーを使用して自動的に登録する
システムを登録する特定の手順は、使用している RHEL のバージョンと、選択した登録方法によって異なります。
システムを Red Hat に登録すると、システムの管理とレポートデータに使用できる機能が有効になります。たとえば、登録済みシステムには、Red Hat コンテンツ配信ネットワーク (CDN) または Red Hat Satellite Server を介して、サブスクライブした製品向けの、保護されたコンテンツリポジトリーにアクセスする権限が与えられます。これらのコンテンツリポジトリーには、アクティブなサブスクリプションを持つお客様のみが利用できる Red Hat ソフトウェアパッケージと更新が含まれています。これらのパッケージおよび更新には、RHEL およびその他の Red Hat 製品のセキュリティーパッチ、バグ修正、新機能が含まれます。
保護されたコンテンツリポジトリーを使用して、以下の方法でシステムを管理できます。
- サブスクリプション製品の最新のセキュリティーパッチとバグ修正を常に最新の状態に保ち、システムの安全性と安定性を確保します。
- Red Hat OpenShift、Red Hat Ansible Automation Platform、Red Hat Satellite など、有効なサブスクリプションを持つお客様のみが利用できる Red Hat ソフトウェアパッケージとツールをインストールおよび更新します。
- 技術リソース、ドキュメント、サポートサービスへのアクセスなど、Red Hat の専門知識とサポートを活用できます。
また、登録済みシステムを、システムおよびサブスクリプションデータの管理とレポート、その他の高度な機能を提供する、Red Hat がホストする各種サービスに接続することもできます。さらに、Satellite ソリューションを使用すると、堅牢なシステムおよび Subscription Management 機能と、運用ニーズに合わせた柔軟な接続オプションを利用できます。
登録済みのシステムは、以下の Red Hat 管理対象サービスに接続できます。
Red Hat Subscription Management
Red Hat カスタマーポータルで以前に使用されていたサブスクリプション管理機能の一部が、Red Hat Hybrid Cloud Console で利用できるようになりました。これらの機能には、オンライン接続された Red Hat Satellite Server のサブスクリプションインベントリー、アクティベーションキー、マニフェストが含まれます。
サブスクリプションサービス
Hybrid Cloud Console のサブスクリプションレポートサービスは、ハイブリッドインフラストラクチャーの構成要素全体を対象とした、サブスクリプションの使用状況を視覚的に表示します。これには、物理および仮想テクノロジーのデプロイメント、オンプレミスおよびクラウド環境、一部の Red Hat 製品ポートフォリオのクラスター、インスタンス、およびワークロードのユースケースが含まれます。
Red Hat Insights
Hybrid Cloud Console の管理対象サービス。予測分析、修復機能、およびドメインに関する深い専門知識を使用して、複雑な運用タスクを簡素化します。これらのタスクには、セキュリティーおよびパフォーマンスリスクの特定、ライセンスの追跡、およびコストの管理が含まれます。
Red Hat Satellite
物理、仮想、およびクラウド環境全体で Red Hat インフラストラクチャーをデプロイ、スケーリング、管理するためのシステム管理ソリューション。Satellite を使用すると、コンテンツ管理、パッチ、プロビジョニング、設定、サブスクリプション管理など、Red Hat システムのライフサイクル全体を制御できます。システムの維持に関連するほとんどのタスクを自動化することで、Satellite は組織の効率性を高め、運用コストを削減し、IT が戦略的ビジネスニーズにうまく対応できるようにします。