1.6. VDO 要件


VDO は、配置とシステムリソースに特定の要件があります。

1.6.1. VDO メモリー要件

各 VDO ボリュームには、2 つの異なるメモリー要件があります。

VDO モジュール

VDO には、固定メモリー 38 MB と変動用に容量を確保する必要があります。

  • 設定済みのブロックマップキャッシュサイズ 1 MB ごとに 1.15 MB のメモリー。ブロックマップキャッシュには、最低 150 MB の RAM が必要です。
  • 1 TB の論理領域ごとに 1.6 MB のメモリー。
  • ボリュームが管理する物理ストレージの 1 TB ごとに 268 MB のメモリー。
UDS インデックス

Universal Deduplication Service (UDS) には、最低 250 MB のメモリーが必要です。このメモリー量は、重複排除が使用するデフォルトの容量です。この値は、インデックスに必要なストレージ容量にも影響するため、VDO ボリュームをフォーマットするときに設定できます。

UDS インデックスに必要なメモリーは、インデックスタイプと重複排除ウィンドウの必要なサイズによって決まります。重複排除ウィンドウは、VDO が一致するブロックをチェックできる、以前に書き込まれたデータの量です。

インデックスタイプ重複排除ウィンドウ

Dense

RAM 1 GB あたり 1 TB

Sparse

RAM 1 GB あたり 10 TB

注記

VDO ボリュームの最小ディスク使用量は、デフォルト設定のスラブサイズ 2 GB、dense インデックス 0.25 を使用した場合、約 4.7 GB が必要です。これにより、0% の重複排除または圧縮で書き込むための 2 GB 弱の物理データが提供されます。

ここでの最小のディスク使用量は、デフォルトのスラブサイズと dense インデックスの合計です。

1.6.2. VDO ストレージの領域要件

VDO ボリュームを設定して、最大 256 TB の物理ストレージを使用するように設定できます。データを格納するのに使用できるのは、物理ストレージの一部のみです。

VDO には、2 種類の VDO メタデータと UDS インデックス用のストレージが必要です。次の計算を使用して、VDO 管理ボリュームの使用可能なサイズを決定します。

  • 最初のタイプの VDO メタデータは、4 GB の 物理ストレージ ごとに約 1 MB を使用し、スラブごとにさらに 1 MB を使用します。
  • 2 番目のタイプの VDO メタデータは、論理ストレージ 1 GB ごとに約 1.25 MB を消費し、最も近いスラブに切り上げられます。
  • UDS インデックスに必要なストレージの容量は、インデックスの種類と、インデックスに割り当てられている RAM の容量によって異なります。RAM 1 GB ごとに、dense の UDS インデックスはストレージを 17 GB 使用し、sparse の UDS インデックスはストレージを 170 GB 使用します。

1.6.3. ストレージスタックの VDO の 配置

配置要件に合わせて、Virtual Data Optimizer (VDO) の上または下にストレージ層を配置します。

VDO ボリュームは、シンプロビジョニングしたブロックデバイスです。後で拡張できるストレージ層の上にボリュームを配置することで、物理スペースの不足を防ぐことができます。このような拡張可能なストレージの例として、論理ボリュームマネージャー (LVM) ボリューム、または Multiple Device Redundant Array of Inexpensive/Independent Disks (MD RAID) アレイがあります。

VDO の上にシックプロビジョニングレイヤーを配置できます。シックプロビジョニングレイヤーについては、次の 2 つの側面を考慮する必要があります。

  • シックデバイスの未使用の論理領域への新しいデータの書き込み。VDO またはその他のシンプロビジョニングストレージを使用している場合、この種の書き込み中にデバイスの領域が不足していると報告されることがあります。
  • 新しいデータによるシックデバイスの使用済み論理領域の上書き。VDO を使用している場合、データを上書きすると、デバイスの領域が不足しているという報告が表示されることがあります。

これらの制限は、VDO 層より上のすべてのレイヤーに影響します。VDO デバイスが監視されていない場合には、VDO 層の上にあるシックプロビジョニングのボリュームで、物理領域が予期せず不足する可能性があります。

次のサポート対象およびサポート対象外の VDO ボリューム設定の例を参照してください。

図1.3 サポートされている VDO ボリューム設定

サポートされている VDO の配置

図1.4 サポートされていない VDO ボリューム設定

サポートされていない VDO の配置

1.6.4. 物理サイズ別の VDO 要件の例

以下の表は、基盤となるボリュームの物理サイズに基づいた、VDO のシステム要件の概算を示しています。それぞれの表には、プライマリーストレージ、バックアップストレージなどの、目的のデプロイメントに適した要件が記載されています。

正確な数値は、VDO ボリュームの設定により異なります。

プライマリーストレージのデプロイメント

プライマリーストレージの場合、UDS インデックスのサイズは、物理サイズの 0.01% から 25% になります。

表1.2 プライマリーストレージのストレージとメモリーの設定例
物理サイズメモリー使用率: UDSメモリー使用率: VDOディスク使用率インデックスタイプ

1 TB

250 MB

472 MB

2.5 GB

Dense

10 TB

1 GB

3 GB

10 GB

Dense

250 MB

22 GB

Sparse

50 TB

1 GB

14 GB

85 GB

Sparse

100 TB

3 GB

27 GB

255 GB

Sparse

256 TB

5 GB

69 GB

425 GB

Sparse

バックアップストレージのデプロイメント

バックアップストレージの場合、重複排除ウィンドウはバックアップセットよりも大きくする必要があります。バックアップセットや物理サイズが今後大きくなる可能性がある場合は、これをインデックスサイズに組み込んでください。

表1.3 バックアップストレージのストレージとメモリー設定の例
重複排除ウィンドウメモリー使用率: UDSディスク使用率インデックスタイプ

1 TB

250 MB

2.5 GB

Dense

10 TB

2 GB

21 GB

Dense

50 TB

2 GB

170 GB

Sparse

100 TB

4 GB

340 GB

Sparse

256 TB

8 GB

700 GB

Sparse

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