第28章 クォーラムデバイスの設定
クラスター用のサードパーティー仲裁デバイスとして機能する別のクォーラムデバイスを設定することにより、標準のクォーラムルールで許容されるよりも多くのノード障害に耐えられるようにすることができます。クォーラムデバイスは、偶数のノードで設定されるクラスターに推奨されます。2 ノードクラスターでクォーラムデバイスを使用すると、スプリットブレインの状況で存続するノードをより適切に判別できます。
クォーラムデバイスを設定する場合は、以下を考慮する必要があります。
- クォーラムデバイスは、クォーラムデバイスを使用するクラスターと同じ場所にある別の物理ネットワークで実行することが推奨されます。理想としては、クォーラムデバイスホストを、メインクラスターとは別のラックに置くか、少なくとも別の PSU に置くようにします。corosync リングと同じネットワークセグメントには置かないようにしてください。
- 複数のクォーラムデバイスをクラスターで同時に使用することはできません。
-
複数のクォーラムデバイスをクラスターで同時に使用することはできません。ただし、複数のクラスターが 1 つのクォーラムデバイスを同時に使用することはできます。アルゴリズムやクォーラムオプションはクラスターノード自体に保存されるため、同じクォーラムデバイスを使用する各クラスターが、複数のアルゴリズムやクォーラムオプションを使用できます。たとえば、
ffsplit
((fifty/fifty split) アルゴリズムを使用するクラスターと、lms
(last man standing) アルゴリズムを使用する別のクラスターが、1 つのクォーラムデバイスを使用できます。 - クォーラムデバイスは、既存のクラスターノードで実行しないでください。
28.1. クォーラムデバイスパッケージのインストール
クラスターにクォーラムデバイスを設定するには、以下のパッケージをインストールする必要があります。
既存クラスターのノードで、
corosync-qdevice
をインストールします。[root@node1:~]# dnf install corosync-qdevice [root@node2:~]# dnf install corosync-qdevice
クォーラムデバイスホストに、
pcs
およびcorosync-qnetd
をインストールします。[root@qdevice:~]# dnf install pcs corosync-qnetd
pcsd
サービスを起動し、システムの起動時にpcsd
がクォーラムデバイスホストで有効になるようにします。[root@qdevice:~]# systemctl start pcsd.service [root@qdevice:~]# systemctl enable pcsd.service