18.3. 昇格可能なクローンリソース
昇格可能なクローンリソースは、promotable
メタ属性が true
に設定されているクローンリソースです。インスタンスを 2 つの動作モード (promoted
および unpromoted
) のいずれかに設定できます。モードの名前には特別な意味はありませんが、インスタンスの起動時に、Unpromoted
状態で起動する必要があるという制限があります。注意: Promoted ロール名および Unpromoted ロール名は、以前の RHEL リリースの Master ロールおよび Slave Pacemaker ロールと機能的に同等です。
18.3.1. 昇格可能なクローンリソースの作成
次のコマンドを実行すると、リソースを昇格可能なクローンとして作成できます。
pcs resource create resource_id [standard:[provider:]]type [resource options] promotable [clone_id] [clone options]
デフォルトでは、昇格可能なクローンの名前は resource_id-clone
となります。
clone_id オプションの値を指定して、クローンのカスタム名を設定できます。
また、次のコマンドを使用して、作成済みのリソースまたはリソースグループから、昇格可能なリソースを作成することもできます。
pcs resource promotable resource_id [clone_id] [clone options]
デフォルトでは、昇格可能なクローンの名前は resource_id-clone
または group_name-clone
になります。
clone_id オプションの値を指定して、クローンのカスタム名を設定できます。
以下の表には、昇格可能なリソースに指定できる追加クローンオプションを示しています。
フィールド | 説明 |
---|---|
| 昇格できるリソースのコピー数。デフォルト値は 1 です。 |
| 1 つのノードで昇格できるリソースのコピー数。デフォルト値は 1 です。 |
18.3.2. 昇格可能なリソース制約の表示
ほとんどの場合、昇格可能なリソースには、アクティブなクラスターノードごとに 1 つのコピーがあります。そうではない場合は、リソースの場所制約を使用して、クラスターが優先的にコピーを割り当てるノードを指定できます。これらの制約は、通常のリソースと同様に記述されます。
コロケーション制約を作成できます。この制約は、リソースがプロモートロールまたはアンプロモートロールのどちらで動作しているかを指定します。次のコマンドは、リソースのコロケーション制約を作成します。
pcs constraint colocation add [promoted|unpromoted] source_resource with [promoted|unpromoted] target_resource [score] [options]
コロケーションの制約の詳細は、クラスターリソースのコロケーション を参照してください。
昇格可能なリソースが含まれる順序制約を設定する場合に、リソースに指定できるアクションに、リソースのアンプロモートロールからプロモートへのロールの昇格を指定する promote
があります。また、demote
の動作を指定して、リソースのプロモートロールからアンプロモートロールへの降格を指定することもできます。
順序制約を設定するコマンドは次のようになります。
pcs constraint order [action] resource_id then [action] resource_id [options]
リソースの順序制約の詳細は、クラスターリソースの実行順序の決定 を参照してください。