第12章 リソースを実行するノードの決定
場所の制約は、リソースを実行するノードを指定します。場所の制約を設定することで、たとえば特定のノードで優先してリソースを実行する、または特定のノードではリソースを実行しないことを決定できます。
場所の制約に加え、リソースが実行されるノードは、そのリソースの resource-stickiness
値に影響されます。これは、リソースが現在実行しているノードに留まることをどの程度優先するかを決定します。resource-stickiness
値の設定に関する詳細は、現在のノードを優先するようにリソースを設定 を参照してください。
12.1. 場所の制約の設定
基本的な場所の制約を設定し、オプションの score
値で制約の相対的な優先度を指定することで、リソースの実行を特定のノードで優先するか、回避するかを指定できます。
以下のコマンドは、リソースの実行を、指定した 1 つまたは複数のノードで優先するように、場所の制約を作成します。1 回のコマンドで、特定のリソースの制約を複数のノードに対して作成できます。
pcs constraint location rsc prefers node[=score] [node[=score]] ...
次のコマンドは、リソースが指定ノードを回避する場所の制約を作成します。
pcs constraint location rsc avoids node[=score] [node[=score]] ...
次の表は、場所の制約を設定する基本的なオプションを説明します。
フィールド | 説明 |
---|---|
| リソース名 |
| ノード名 |
|
指定のリソースが指定のノードを優先するべきか回避するべきかを示す優先度を示す正の整数値。
数値スコア ( |
以下のコマンドは、Webserver
リソースが、node1
ノードで優先的に実行するように指定する場所の制約を作成します。
# pcs constraint location Webserver prefers node1
pcs
では、コマンドラインの場所の制約に関する正規表現に対応しています。この制約は、リソース名に一致する正規表現に基づいて、複数のリソースに適用されます。これにより、1 つのコマンドラインで複数の場所の制約を設定できます。
次のコマンドは、dummy0
から dummy9
までのリソースの実行が node1
に優先されるように指定する場所の制約を作成します。
# pcs constraint location 'regexp%dummy[0-9]' prefers node1
Pacemaker は、http://pubs.opengroup.org/onlinepubs/9699919799/basedefs/V1_chap09.html#tag_09_04 で説明しているように、POSIX 拡張正規表現を使用するため、以下のコマンドを実行しても同じ制約を指定できます。
# pcs constraint location 'regexp%dummy[[:digit:]]' prefers node1