第2章 CLI の使用方法


2.1. 概要

OpenShift Container Platform の CLI は、アプリケーションを管理するためのコマンドだけでなく、システムの各コンポーネントと対話する低レベルのツールも公開しています。このトピックでは、インストールおよび最初のプロジェクトを作成するためのログインなど、CLI の使用方法について説明します。

2.2. 前提条件

特定の操作では、Git がクライアント上にローカルにインストールされている必要があります。たとえば、リモート Git リポジトリーを使用してアプリケーションを作成するコマンドは以下のようになります。

$ oc new-app https://github.com/<your_user>/<your_git_repo>

ここで、Git をワークステーションにインストールします。お使いのワークステーションのオペレーティングシステムに応じたインストール方法については、Git の公式サイトの Git ドキュメント を参照してください。

2.3. CLI のインストール

CLI をダウンロードする最も簡単な方法として、Web コンソールの About ページにアクセスすることができます (クラスター管理者がダウンロードリンクを有効にしている場合)。

Command Line Tools

CLI のインストールオプションは、お使いのオペレーティングシステムによって異なります。

CLI を使用してログインする場合、Web コンソールの「Command Line」ページからトークンを取得します。このページには、「Help」メニューの「Command Line Tools」からアクセスできます。トークンは非表示になっているので、「Command Line Tools」ページにある oc login 行の端にある「copy to clipboard」ボタンをクリックし、コピーしたコンテンツを貼り付け、トークンを表示します。

2.3.1. Windows の場合

Windows 向けの CLI は、zip アーカイブとして提供されます。これは、Red Hat カスタマーポータル からダウンロードできます。Red Hat アカウントでログイン後、ダウンロードページにアクセスするには、有効な OpenShift Enterprise サブスクリプションが必要です。

「Red Hat カスタマーポータルからの CLI のダウンロード」

または、クラスター管理者がリンクを有効にしている場合は、Web コンソールの About ページから CLI をダウンロードし、展開することができます。

チュートリアルの動画

以下の動画ではこのプロセスを紹介しています。視聴するには、ここをクリックしてください

CLI Install for Windows

次に ZIP プログラムでアーカイブを展開し、oc バイナリーを PATH 上のディレクトリーに移動します。PATH を確認するには、コマンドプロンプトを開いて以下を実行します。

C:\> path

2.3.2. Mac OS X の場合

Mac OS X 向けの CLI は、tar.gz アーカイブとして提供されます。これは Red Hat カスタマーポータル からダウンロードできます。Red Hat アカウントでログイン後、ダウンロードページにアクセスするには、有効な OpenShift Enterprise サブスクリプションが必要です。

「Red Hat カスタマーポータルからの CLI のダウンロード」

または、クラスター管理者がリンクを有効にしている場合は、Web コンソールの About ページから CLI をダウンロードし、展開することができます。

チュートリアルの動画

以下の動画ではこのプロセスを紹介しています。視聴するには、ここをクリックしてください

CLI Install for Mac OS X

次にアーカイブを展開し、oc バイナリーを PATH 上のディレクトリーに移動します。PATH を確認するには、ターミナルのウィンドウを開いて以下を実行します。

$ echo $PATH

2.3.3. Linux の場合

Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 7 の場合、Red Hat アカウントに有効な OpenShift Enterprise サブスクリプションがある場合、Red Hat Subscription Management (RHSM) を使用して RPM として CLI をインストールできます。

# subscription-manager register
# subscription-manager refresh
# subscription-manager attach --pool=<pool_id> 1
# subscription-manager repos --enable="rhel-7-server-ose-3.10-rpms"
# yum install atomic-openshift-clients
1
有効な OpenShift Enterprise サブスクリプションのプール ID

RHEL、Fedora その他 Linux ディストリビューションの場合、 CLI を Red Hat カスタマーポータル から tar.gz アーカイブとして直接ダウンロードできます。Red Hat アカウントでログイン後、ダウンロードページにアクセスするには、有効な OpenShift Enterprise サブスクリプションが必要です。

「Red Hat カスタマーポータルからの CLI のダウンロード」

チュートリアルの動画

以下の動画ではこのプロセスを紹介しています。視聴するには、ここをクリックしてください

CLI Install for Linux

または、クラスター管理者がリンクを有効にしている場合は、Web コンソールの About ページから CLI をダウンロードし、展開することができます。

次にアーカイブを展開し、oc バイナリーを PATH 上のディレクトリーに移動します。PATH を確認するには、以下を実行します。

$ echo $PATH

アーカイブを展開するには、以下を実行します。

$ tar -xf <file>
注記

RHEL または Fedora を使用しない場合は、libc がライブラリーパスのディレクトリーにインストールされていることを確認してください。libc が利用できない場合は、CLI コマンドの実行時に以下のエラーが表示されます。

oc: No such file or directory

2.4. 基本的な設定およびログイン

CLI の初期設定を行う場合、oc login コマンドを使用することが最適な方法となり、このコマンドはほとんどのユーザーにとってのエントリーポイントとしての機能を果たします。対話型フローは、指定される認証情報を使用して OpenShift Container Platform サーバーへのセッションを確立するのに役立ちます。この情報は「CLI 設定ファイル」に自動的に保存され、その後のコマンドで使用されます。

以下の例では、oc login コマンドを使用した対話的な設定およびログインについて説明します。

例2.1 CLI の初期設定

$ oc login
OpenShift server [https://localhost:8443]: https://openshift.example.com 1

Username: alice 2
Authentication required for https://openshift.example.com (openshift)
Password: ******
Login successful. 3

You don't have any projects. You can try to create a new project, by running

    $ oc new-project <projectname> 4

Welcome to OpenShift! See 'oc help' to get started.
1
このコマンドは、OpenShift Container Platform サーバー URL を求めるプロンプトを出します。
2
このコマンドは、ログイン認証情報 (ユーザー名とパスワード) を求めるプロンプトを出します。
3
セッションがサーバーで確立され、セッショントークンが受信されます。
4
プロジェクトがない場合は、プロジェクトの作成方法に関する情報が提供されます。

CLI 設定が完了すると、その後のコマンドがサーバーの設定ファイル、セッショントークン、およびプロジェクト情報を使用します。

CLI からログアウトするには、以下の oc logout コマンドを使用します。

$ oc logout
User, alice, logged out of https://openshift.example.com

プロジェクトの作成後か、またはプロジェクトへのアクセスが付与された後にログインする場合に、アクセス可能なプロジェクトが現在のデフォルトとして自動的に設定されます。これは「別のプロジェクトに切り替える」までデフォルトになります。

$ oc login
Username: alice
Authentication required for https://openshift.example.com (openshift)
Password:
Login successful.

Using project "aliceproject".

oc login コマンドでは、「追加のオプション」も利用可能です。

注記

管理者の認証情報が利用できる状態であっても 「デフォルトシステムユーザー」system:admin としてログインしていない場合には、認証情報が「CLI 設定ファイル」にある限り、いつでもこのユーザーとしてログインし直すことができます。以下のコマンドはログインを実行し、デフォルト のプロジェクトに切り替えます。

$ oc login -u system:admin -n default

2.5. CLI 設定ファイル

CLI 設定ファイルは、oc オプションを永続的に保存します。またこのファイルには、一連の「認証」メカニズムおよびニックネームに関連付けられた OpenShift Container Platform サーバー接続情報が含まれます。

前のセクションで説明したように、oc login コマンドは、CLI 設定ファイルを自動的に作成し、管理します。このコマンドで収集されるすべての情報は、~/.kube/config にある設定ファイルに保存されます。現在の CLI 設定は、以下のコマンドを使用して表示することができます。

例2.2 CLI 設定の表示

$ oc config view
apiVersion: v1
clusters:
- cluster:
    server: https://openshift.example.com
  name: openshift
contexts:
- context:
    cluster: openshift
    namespace: aliceproject
    user: alice
  name: alice
current-context: alice
kind: Config
preferences: {}
users:
- name: alice
  user:
    token: NDM2N2MwODgtNjI1Yy10N3VhLTg1YmItYzI4NDEzZDUyYzVi

CLI 設定ファイルは、さまざまな OpenShift Container Platform サーバー、namespace、およびユーザーを使用して「複数の CLI プロファイルを設定」するために使用できます。これらの設定ファイルは、コマンドラインで指定した上書きオプションと共に、ランタイム時に読み込まれ、マージされます。

2.6. プロジェクト

OpenShift Container Platform の「プロジェクト」には、論理的なアプリケーションを構成する複数の「オブジェクト」が含まれます。

ほとんどの oc コマンドは、「プロジェクト」のコンテキストで実行されます。oc login「初期設定」時に、その後のコマンドで使用するデフォルトのプロジェクトを選択します。以下のコマンドを使用して、現在使用中のプロジェクトを表示します。

$ oc project

複数のプロジェクトにアクセスできる場合は、プロジェクト名を指定し、以下の構文を使って特定のプロジェクトに切り替えます。

$ oc project <project_name>

以下に例を示します。

$ oc project project02
Now using project 'project02'.

$ oc project project03
Now using project 'project03'.

$ oc project
Using project 'project03'.

oc status コマンドは、現在使用中のプロジェクトのハイレベルの概要を表示します。以下の例が示すように、プロジェクトのコンポーネントおよび関係性なども表示されます。

$ oc status
In project OpenShift 3 Sample (test)

service database-test (172.30.17.113:6434 -> 3306)
  database-test deploys docker.io/library/mysql:latest
    #1 deployed 47 hours ago

service frontend-test (172.30.17.236:5432 -> 8080)
  frontend-test deploys origin-ruby-sample:test <-
    builds https://github.com/openshift/ruby-hello-world with docker.io/openshift/ruby-20-centos7:latest
    not built yet
    #1 deployment waiting on image

To see more information about a service or deployment config, use 'oc describe service <name>' or 'oc describe dc <name>'.
You can use 'oc get pods,svc,dc,bc,builds' to see lists of each of the types described above.

2.7. 次のステップ

「ログイン」後、「新規のアプリケーションを作成」し、一般的な「CLI 操作」をいくつか試すことができます。

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