第12章 仮想マシン用のストレージの管理
仮想マシンは、物理マシンと同様に、データ、プログラム、およびシステムファイル用にストレージを必要とします。仮想マシン管理者は、物理ストレージまたはネットワークベースのストレージを仮想マシンに仮想ストレージとして割り当てることができます。また、基本となるハードウェアに関係なく、ストレージを仮想マシンに表示する方法を変更することもできます。
12.1. 仮想マシンへのストレージの接続に使用できる方法 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
RHEL 10 ホスト上で実行されている仮想マシン (VM) にストレージを提供するには、複数のタイプのストレージハードウェアとサービスを使用できます。タイプごとに要件、利点、ユースケースが異なります。
- ファイルベースのストレージ
ファイルベースの仮想ディスクは、ホストファイルシステム上のディスクイメージファイルです。このファイルは、ディレクトリーベースの
libvirt
ストレージプールに保存されます。ファイルベースのディスクはセットアップが速く、移行が簡単です。一方、ローカルファイルシステムのオーバーヘッドが増加し、パフォーマンスに悪影響が生じる可能性があります。
さらに、スナップショットなどの特定の
libvirt
機能には、ファイルベースの仮想ディスクが必要です。ファイルベースのストレージを仮想マシンに接続する手順については、コマンドラインを使用してファイルベースの仮想ディスクを仮想マシンに接続する または Web コンソールを使用してファイルベースの仮想ディスクを仮想マシンに接続する を参照してください。
- ディスクベースのストレージ
仮想マシンは、仮想ディスクの代わりに、物理ディスク全体またはパーティション全体を使用できます。
ディスクベースのストレージは、利用可能なストレージタイプの中で最も優れたパフォーマンスを提供し、ホストディスクへの直接アクセスも提供します。ただし、ディスクベースのストレージのスナップショットを作成することはできず、移行が困難です。
ディスクベースのストレージを仮想マシンに接続する手順については、コマンドラインを使用してディスクベースのストレージを仮想マシンに接続する または Web コンソールを使用してディスクベースのストレージを仮想マシンに接続する を参照してください。
- LVM ベースのストレージ
仮想マシンは、論理ボリュームマネージャー (LVM) を使用して、ボリュームグループ (VG) から直接ストレージを割り当てることができます。
LVM ストレージはファイルベースのディスクよりもパフォーマンスが優れており、サイズの変更が簡単ですが、移行が難しくなることがあります。
LVM ベースのストレージを仮想マシンに接続する手順については、コマンドラインを使用して LVM ベースのストレージを仮想マシンに接続する または Web コンソールを使用して LVM ベースのストレージを仮想マシンに接続する を参照してください。
- ネットワークベースのストレージ
ローカルハードウェアの代わりに、ネットワークファイルシステム (NFS) などのリモートストレージを使用できます。
これは、クラスターまたは高可用性環境の共有ストレージに役立ちます。ただし、ネットワークベースのストレージは一般にローカルストレージよりも遅く、ネットワーク帯域幅によってパフォーマンスがさらに制限されることがあります。
NFS ベースのストレージを仮想マシンに接続するる手順については、コマンドラインを使用して NFS ベースのストレージを仮想マシンに接続する または Web コンソールを使用して NFS ベースのストレージを仮想マシンに接続する を参照してください。