第1章 システム要件
仮想化は、Intel 64 および AMD64 アーキテクチャー上の Red Hat Enterprise Linux 7 の KVM ハイパーバイザーで利用できます。本章では、仮想マシン (VM とも呼ばれる) のシステム要件を紹介します。
仮想化パッケージのインストール方法は、2章仮想化パッケージのインストールを参照してください。
1.1. ホストシステム要件
ホストシステムの最小要件
- 6 GB の空きディスク容量
- 2 GB RAM
推奨されるシステム要件
- 仮想化 CPU とホストごとに 1 つのコアまたはスレッド
- 2 GB のメモリーと仮想マシン用の追加の RAM。
- ホスト用に 6 GB のディスク領域と、仮想マシンに必要なディスク領域。ほとんどのゲストオペレーティングシステムには、最低 6GB のディスク領域が必要です。各ゲストに追加するストレージ領域は、ゲストのワークロードによって異なります。
スワップ領域
Linux のスワップ領域は、物理メモリー (RAM) の容量がいっぱいになったときに使用されます。システムに多くのメモリーリソースが必要で、RAM が不足すると、メモリーの非アクティブなページがスワップ領域に移動します。スワップ領域は、RAM が少ないマシンで役に立ちますが、RAM の代わりに使用しないようにしてください。スワップ領域はハードドライブにあり、そのアクセス速度は物理メモリーに比べると遅くなります。スワップパーティションのサイズは、ホストの物理 RAM から計算できます。Red Hat カスタマーポータルには、スワップパーティションのサイズを安全かつ効率的に判断するための記事 https://access.redhat.com/site/solutions/15244 が記載されています。- RAW イメージファイルを使用する場合、必要なディスクスペースは、イメージファイルに必要なスペース、ホストオペレーティングシステムに必要な 6 GB のスペース、およびゲスト用のスワップスペースの合計以上になります。
式1.1 raw イメージを使用したゲスト仮想マシンに必要な領域の計算
total for raw format = images + hostspace + swapqcow イメージの場合は、qcow イメージおよび qcow2 イメージが必要に応じて拡張できるため、ゲスト(total for qcow format)
の予想される最大ストレージ要件も計算する必要があります。この拡張を可能にするには、最初にゲスト(expected maximum guest storage)
のストレージ要件の上限に 1.01 を乗じ、これにホスト(host)
に必要な領域と、必要なスワップ領域(swap)
を加算します。式1.2 qcow イメージを使用したゲスト仮想マシンに必要な領域の計算
total for qcow format = (expected maximum guest storage * 1.01) + host + swap
ゲストの仮想マシン要件の概要は、7章KVM でのオーバーコミット を参照してください。